切り分けた断面に鶏肉、米、卵、きのこの層が見えるロシアのクールニク
🔪下準備1時間10分
🔥調理1時間35分
🍽️分量6
🌍料理ロシア料理

クールニクの作り方|ロシアの鶏パイ

約28分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

生地を作って冷やす

所要時間45分

手順1: 生地を作って冷やす

火は使いません。ボウルに薄力粉260g、強力粉100g、塩小さじ2/3を入れて混ぜ、1cm角の冷たいバター180gを加えます。指先でこすり合わせ、米粒から小豆粒くらいのバターが残る粉状にします。サワークリーム150gを加えてカードで押しまとめ、粉気が多い時だけ冷水を小さじ1ずつ加えます。生地がひとまとまりになり、表面にバターの小片が見える状態で止め、3分の2と3分の1に分けて円盤にします。ラップで包み、冷蔵庫で30分冷やします。

STEP 22 / 6

鶏、米、きのこを準備する

所要時間35分

手順2: 鶏、米、きのこを準備する

鍋に水600ml、塩小さじ1/3、ローリエ1枚を入れて中火にかけ、沸いたら鶏もも肉450gを入れます。ふつふつした弱めの中火で12から14分茹で、中心が白くなり、厚い部分が74度Cに届いたら取り出します。茹で汁は150ml残します。米120gは塩少々を入れた湯で11分茹で、芯がわずかに残る状態でざるに上げます。玉ねぎ160gは5mm角、マッシュルーム220gは5mm厚に切り、フライパンにバター25gを溶かして中火で8分炒めます。きのこの水分が飛び、鍋底に茶色い香りが残る状態が目安です。鶏は粗熱を取り、繊維に沿って1cm幅に裂きます。

STEP 33 / 6

薄いブリヌイを焼く

所要時間22分

手順3: 薄いブリヌイを焼く

火加減は中火から弱めの中火です。ボウルに卵1個、牛乳200ml、塩小さじ1/5を混ぜ、薄力粉90gを加えて泡立て器でなめらかにします。サラダ油小さじ1を混ぜ、10分休ませます。20cmのフライパンを中火で温め、油を薄く塗って生地をお玉1杯弱流します。フライパンを回して薄く広げ、表面が乾き、縁が少し浮いたら90秒で返します。裏面は40から50秒焼き、薄い焼き色で止めます。3枚から4枚焼き、乾かないよう皿に重ねます。

STEP 44 / 6

生地に具を重ねる

所要時間20分

手順4: 生地に具を重ねる

クッキングシートを敷いた天板に、冷やした大きい方の生地を厚さ3mm、直径32cm前後に伸ばして置きます。中央にブリヌイ1枚をのせ、米の半量を直径18cmの円に広げます。刻んだゆで卵3個、ディル10g、青ねぎ30gを、黄身と白身が均一に散るまで混ぜた卵層をのせ、ブリヌイを重ねます。鶏肉をのせ、鶏の煮汁大さじ3を全体に少しずつかけます。次にきのこ層、残りの米を重ね、最後にブリヌイをかぶせます。各層は手のひらで軽く押し、山形の中心が高く、端が低い形に整えます。

STEP 55 / 6

ふたをかぶせて蒸気穴を作る

所要時間15分

手順5: ふたをかぶせて蒸気穴を作る

小さい方の生地を厚さ3mm、直径24cm前後に伸ばし、具の山にかぶせます。底生地の縁に溶き卵を塗り、ふた生地と重ねて1.5cm幅で折り込みます。縁を指で押して閉じ、余った生地で小さな葉形を作って表面にのせます。中央に直径1cmの蒸気穴を開け、全体に溶き卵を薄く塗ります。閉じ目に隙間があると庫内で汁が漏れるので、穴は上、閉じ目は外側だけにします。

STEP 66 / 6

180度Cで焼いて休ませる

所要時間55分

手順6: 180度Cで焼いて休ませる

オーブンを180度Cに予熱し、庫内表示が安定してから天板を入れます。180度Cで35分焼き、表面が薄い黄金色になったら天板の前後を入れ替え、さらに15から20分焼きます。焼き色が濃くなりすぎる場合は、アルミホイルをふんわりかぶせます。中央の蒸気穴から温度計を斜めに差し、層の中心が74度Cに届いたら焼き上がりです。足りなければ180度Cのまま8分追加します。焼き上がったら天板の上で15分休ませ、表面の湯気が落ち着いてから3cm幅のくし形に切ります。休ませる前に切ると、米ときのこから水分が出て断面が崩れます。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

クールニクに使う小麦粉、バター、サワークリーム、鶏肉、米、卵、きのこ、ディルを並べた材料写真
肉や乳製品は近所でそろえ、ディルと道具だけを必要なら通販で補う
7品目

パイ生地

材料 分量 代替・備考
薄力粉 260g ふるう。打ち粉は別に大さじ2用意
強力粉 100g 生地の伸びを補う
無塩バター 180g 1cm角に切り、使う直前まで冷蔵
サワークリーム 150g ギリシャヨーグルト120gに米酢小さじ1を混ぜてもよい
塩 小さじ2/3 生地に入れる
冷水 大さじ1 粉っぽい時だけ小さじ1ずつ使う
溶き卵 1個分 接着とつや出し用
5品目

ブリヌイ

材料 分量 代替・備考
薄力粉 90g だまを残さない
卵 1個 生地用
牛乳 200ml 無調整豆乳でも焼けるが香りは軽くなる
塩 小さじ1/5 甘くしない
サラダ油 小さじ1 フライパン用は別に小さじ1用意
12品目

具

材料 分量 代替・備考
鶏もも肉 450g 皮なし推奨。むね肉なら400gで短めに火入れ
水 600ml 鶏を茹で、150mlを仕上げ用に残す
ローリエ 1枚 あれば香りが出る。なくても作れる
米 120g 洗って水気を切る。炊き上がり約330g
玉ねぎ 160g 5mm角のみじん切り
マッシュルーム 220g 5mm厚の薄切り。しいたけなら180g
バター 25g きのこ用
ゆで卵 3個 8mm角に刻む
ディル 10g 生を刻む。乾燥なら小さじ1
青ねぎ 30g 小口切り。チャイブ代わり
塩 小さじ1と1/3 鶏、米、きのこで分けて使う
黒こしょう 小さじ1/2 細かく挽く
アレルギーと食品安全

このレシピには小麦、卵、乳、鶏肉を使います。鶏肉は色だけで火通りを判断しにくく、具を重ねたパイは中心が温まりにくい料理です。FoodSafety.govの肉・鶏肉を含むキャセロール基準に合わせ、焼き上がりは中心温度74度Cを確認してください。

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材料表の分量6人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
113kcal
エネルギー
4.5g
タンパク質
5.7g
脂質
11.0g
炭水化物
0.7g
食物繊維
148mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

焼き上がった山を切ると、湯気より先に層が見える

オーブンから出したクールニクは、普通のチキンパイより少し緊張します。丸い山のような焼き色にナイフを入れると、外側はさくっと割れ、中から鶏肉、米、きのこ、卵、薄いブリヌイの層が見えます。崩れずに一切れが立ったら、それだけで台所に小さな祝祭感が出ます。

クールニク(Курник / kurnik)は、ロシアのドーム型の鶏パイです。英語圏では Russian chicken pie と説明されることが多く、料理名は鶏を意味するロシア語に関係するとされます。Wikipediaでは、鶏肉、卵、玉ねぎ、カーシャまたは米を入れる祝祭のピログとして紹介されています。Great British Chefsのレシピでは、鶏肉、米、卵、香草を層にし、熱いチキンブロスを添える食べ方も出てきます。

この記事では、日本で作りやすい米版を軸にします。そばの実のカーシャまでそろえるより、最初は米、きのこ、ディル、薄いブリヌイ、さくっとしたサワークリーム生地を守る方が失敗しにくいです。ペリメニが小さな包み料理なら、クールニクは同じロシアの粉ものでも、家族で切り分ける大きな料理です。冷たいオクローシカと並べると、ロシア料理の「粉で包む」「酸味や香草で重さを切る」流れが見えてきます。

皿に切り分けたクールニクの断面。鶏肉、米、卵、きのこ、薄いブリヌイの層が見える
層を見せる料理なので、具は水っぽくせず、切った時に米と鶏肉が支え合う状態にする

クールニクとは何か

見るポイント ロシアでの位置づけ 日本で作る時の考え方
現地語名 Курник。鶏のピログとして知られる 日本語ではクールニク、クルニクと書かれることがある
形 ドーム型の大きな焼きパイ 深い型がなくても天板で山形に組める
具 鶏肉、卵、玉ねぎ、米またはカーシャ、きのこなど 初回は米ときのこでまとまりを出す
層 薄いブリヌイで具を分ける作り方がある 薄いクレープを3枚焼くと断面が安定する
食べ方 祝祭、婚礼、来客の料理として語られる 週末の主菜。スープや酸味のある副菜を添える
難所 生地、具の水分、焼き時間の管理 具を冷ましてから重ね、中心温度を測る

クールニクを「ロシア版チキンポットパイ」とだけ見ると、少し違います。とろみの強いクリーム煮を詰める料理ではなく、具を層にして、切った断面を見せる料理です。汁気が多いと焼いている間に底が湿り、切った時に米と鶏が崩れます。逆にぱさぱさにしすぎると、せっかくの大きなパイが喉につかえます。

日本の台所では、サワークリームを使った扱いやすい生地にし、具は冷ましてから重ねます。ブリヌイは難しく考えず、甘くない薄焼きクレープです。分厚いパンケーキにすると層が重くなるので、直径20cm前後で薄く焼き、具の間に仕切りとして入れます。

買い出しで見る価値があるもの

クールニク用のめん棒、中心温度計、ディル、型を台所に並べた買い出し写真
通販で見る価値があるのは、薄く伸ばす道具、中心温度を測る道具、香りを決めるディル

鶏肉、卵、米、玉ねぎ、きのこ、バターは近所のスーパーで十分です。商品カードにする価値があるのは、生地を薄く伸ばすめん棒、焼き上がりの安全確認に使う中心温度計、ロシア料理らしい香りを補うディルです。肉や乳製品のような日配品は、ここでは通販導線にしません。

クールニクは生地を大きく伸ばすため、短いすりこぎでは端だけ厚くなりやすいです。30cm前後のめん棒があると、底生地とふた生地の厚みをそろえやすくなります。

鶏肉を一度茹でてから焼く作り方でも、層の中心は温まりにくいです。焼き色だけで判断せず、中心温度を見ると、追加で10分焼くべきか、休ませて切ってよいかが決めやすくなります。

ディルは少量でも、米と鶏肉の重さを軽くします。生が買えない時はフリーズドライを仕上げに混ぜ、長く加熱しないようにします。

栄養情報

項目 1人分の目安
エネルギー 約680kcal
たんぱく質 約27g
脂質 約34g
炭水化物 約66g
食物繊維 約4g
食塩相当量 約2.2g

数値は6等分し、サワークリーム生地、鶏もも肉、米、卵、バターを使う想定の概算です。主菜として重い料理なので、献立では酸味のあるスープや野菜を合わせると食べやすくなります。

日本の台所で本場に寄せる分岐

迷う材料・道具 現地寄せ 日本で現実的 料理への影響
穀物 そばの実のカーシャ 米 香ばしさは減るが、層がまとまりやすい
きのこ 森のきのこ、乾燥きのこ マッシュルーム、しいたけ 炒めて水分を飛ばすと香りが出る
香草 ディル、チャイブ、タラゴン ディルと青ねぎ ディルを残せばロシア料理の輪郭が出る
生地 リッチなバター生地 サワークリーム入りの折りなし生地 家庭の冷蔵庫でも扱いやすい
型 深いボウルで成形 天板で山形に組む 少し低くなるが失敗しにくい
食べ方 熱いチキンブロスを添える 茹で汁を少量温めて添える パイの乾きを補える

代替してもよいものと、残したいものがあります。米はそばの実の代わりになりますが、ディルを完全に抜くと、ただのチキンライス入りパイに近づきます。ブリヌイも省略できますが、層の間に薄い仕切りがないと、鶏肉と米が混ざって断面の楽しさが弱くなります。

きのこは水分管理が大事です。マッシュルームでもしいたけでも、炒めている途中で汁が出ます。その汁を残したまま重ねると底が湿るので、鍋底に水分がほぼ残らず、きのこの縁が茶色くなるまで炒めます。

失敗しやすい原因と直し方

起きたこと 原因 次回の直し方
底が湿る 具が温かい、水分が多い 具を冷まし、きのこを中火で8分炒めて水分を飛ばす
断面が崩れる 米が柔らかすぎる、休ませず切った 米は11分で硬めに茹で、焼成後15分休ませる
生地が硬い こねすぎ、バターが溶けた 粉状にまとめるだけで止め、30分冷やす
表面だけ焦げる オーブン上火が強い 35分で天板を回し、濃い色ならホイルをかぶせる
中心がぬるい ドームが厚い、焼き時間不足 温度計で74度Cを確認し、足りなければ8分追加
香りが重い 香草が少ない、酸味がない ディルを残し、献立に酸味のあるスープを置く

一番大きな失敗は、具を欲張って高く積みすぎることです。山が高いほど見栄えはしますが、家庭用オーブンでは中心まで熱が届きにくくなります。直径18cm前後、中心の高さ8cm以内に収めると、焼き時間と切り分けの両方が安定します。

もう一つは、パイ生地をきれいにしようとして長く触ることです。バターが溶けてしまうと、焼き上がりがさくっとせず、硬いクッキーのようになります。表面に小さなバター片が見えても問題ありません。むしろ、その小片が焼成中に層を作ります。

保存と食べ方

状態 保存方法 日持ち 使い方
焼く前 組み立て後に冷蔵 6時間 表面に溶き卵を塗るのは焼く直前
焼いた後 切らずに冷蔵 2日 160度Cで15分温め直す
切った後 1切れずつ包んで冷蔵 2日 トースターよりオーブンが向く
冷凍 1切れずつラップして冷凍 約3週間 160度Cで20から25分温める

食べる時は、温めた鶏の茹で汁を小さなカップで添えると、米と生地の重さがほどけます。Great British Chefsのクールニクでも、熱いチキンブロスを添える食べ方が紹介されています。日本の家庭なら、残した茹で汁150mlに塩少々と黒こしょうを足し、食卓で少しずつかけるくらいが扱いやすいです。

献立にするなら、酸味のある料理を置くと食べ疲れません。ボルシチならビーツの酸味と甘み、オクローシカなら冷たい乳酸の軽さ、ピエロギなら同じ粉もの文化の横並びを楽しめます。パンや米を追加するより、きゅうりの酢漬け、キャベツのサラダ、酸味のあるスープを添える方が全体はまとまります。食後に甘いものを少し切るなら、蜂蜜生地と酸味のあるクリームを重ねるメドヴィクが、重いパイの後でも紅茶で受けやすい菓子です。

よくある質問

クールニクと普通のチキンパイは何が違いますか。

クールニクは、鶏肉、米またはカーシャ、卵、きのこなどを層にして焼くロシアのピログです。クリーム煮を詰めるチキンパイより、切った時の層とドーム型の形が大事です。ブリヌイを挟む作り方では、具材が混ざらず、断面がはっきりします。

ブリヌイを省略できますか。

省略しても焼けますが、層が混ざりやすくなります。時間がない時は2枚だけ焼き、米と鶏肉の間、鶏肉ときのこの間に入れてください。厚いホットケーキ生地ではなく、薄いクレープ状にするのがポイントです。

そばの実のカーシャで作るなら分量はどうしますか。

米120gの代わりに、そばの実120gを使います。乾いたフライパンで弱めの中火にかけ、香りが立つまで3分から4分炒ってから、湯で8分ほど茹でます。粒が割れやすいので、完全に柔らかくせず、少し歯ごたえが残るところで止めます。

市販のパイシートで作れますか。

作れます。冷凍パイシートを使う場合は、底とふたで合計4枚程度を使い、継ぎ目を1cm重ねて伸ばします。ただし、層の水分に弱いので、具は必ず冷まし、米ときのこは水分を飛ばしてください。焼き時間は180度Cで45分前後から確認します。

前日に準備できますか。

生地、茹で鶏、米、炒めきのこ、ブリヌイは前日に準備できます。組み立てまで前日に行う場合は、冷蔵6時間以内を目安にし、表面の溶き卵は焼く直前に塗ります。長く置くと底生地が水分を吸いやすいです。

切った時に崩れないコツは何ですか。

具を冷ますこと、米を硬めに茹でること、焼き上がり後に15分休ませることです。熱いうちにすぐ切ると、層の水蒸気が逃げず、米ときのこが動きます。ナイフは細いものより、刃渡りのあるパン切り包丁を小さく動かす方が断面を潰しにくいです。

主な参考リンク

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