黄金色に焼けたロシアのヴァトルーシュカ。丸い発酵生地の中央に白いチーズフィリングが入っている
🔪下準備1時間30分
🔥調理22分
🍽️分量8
🌍料理ロシア料理

ヴァトルーシュカの作り方|ロシアのチーズ菓子パン

約32分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

牛乳を温めてイーストをなじませる

所要時間8分

手順1: 牛乳を温めてイーストをなじませる

小鍋に牛乳150mlを入れ、弱火で35から38度Cまで温めます。指で触るとぬるい風呂より少し低い程度です。40度Cを大きく超えるとイーストが弱るため、温度計があればここで確認します。火を止め、牛乳をボウルへ移してからインスタントドライイースト5g、グラニュー糖45gのうち小さじ1だけを混ぜ、表面に細かい泡が出るまで5分置きます。

STEP 22 / 7

生地をこねて一次発酵させる

所要時間60分

手順2: 生地をこねて一次発酵させる

火は使いません。大きめのボウルに強力粉260g、薄力粉70g、残りの砂糖、塩5gを混ぜます。温めた牛乳イースト、溶き卵40gを加え、粉気が消えるまで混ぜます。室温に戻した無塩バター35gを加え、台に出して8分こねます。生地は少し手につく程度で、表面が薄く伸び、引っ張るとすぐ切れずに膜ができかける状態が目安です。丸めてボウルに戻し、25から28度Cで45分から55分、1.8倍ほどにふくらむまで発酵させます。

STEP 33 / 7

チーズフィリングを粒感を残して混ぜる

所要時間12分

手順3: チーズフィリングを粒感を残して混ぜる

火は使いません。カッテージチーズ300gはざるにキッチンペーパーを敷いて15分水切りします。ボウルに移し、ギリシャヨーグルト40g、卵黄1個、砂糖45g、薄力粉12g、レモンの皮、バニラ、塩1gを入れます。混ぜ終わりは、すくうとゆっくり落ち、ボウルの底に水がたまらない粘度が目安です。フォークでつぶすように混ぜ、最後に戻して水気を拭いたレーズン35gを加えます。レーズンが全体に均一に散り、白いペーストの中に点々と見える形にします。ゆるければ薄力粉を小さじ1足し、硬ければヨーグルトを小さじ1足します。

STEP 44 / 7

生地を分割して丸める

所要時間15分

手順4: 生地を分割して丸める

火は使いません。一次発酵した生地を台に出し、手のひらで軽く押して大きなガスだけを抜きます。8等分、1個約70gに分け、表面を張らせるように丸めます。オーブンシートを敷いた天板に間隔を空けて並べ、乾いた布をかけて10分休ませます。休ませ終わりは表面がふっくらゆるみ、指で押すと浅い跡がゆっくり戻る状態です。ここまで待つと、次のくぼみ作りで縁が裂けにくくなります。台がべたつく時だけ打ち粉を薄く使います。

STEP 55 / 7

くぼみを深く押して二次発酵させる

所要時間35分

手順5: くぼみを深く押して二次発酵させる

火は使いません。丸めた生地の中央に、底を軽く打ち粉したコップを押し当て、直径5cmほどのくぼみを作ります。縁は高さ1.5cm前後残し、底を薄くしすぎないようにします。布をかけ、25から28度Cで25分ほど二次発酵させます。生地がふっくら戻り、くぼみが浅くなっていたら、焼く直前にもう一度コップ底で軽く押し直します。ここで深さを作ると、フィリングが流れにくくなります。

STEP 66 / 7

フィリングを詰めて縁に卵を塗る

所要時間8分

手順6: フィリングを詰めて縁に卵を塗る

火は使いません。オーブンを190度Cに予熱します。くぼみ1個につきチーズフィリングを大さじ2弱、約45gずつ入れます。詰め終わりは、中央が少し盛り上がり、ふっくらした縁の内側に2mmほど余白が残る形です。生地用に残した溶き卵に牛乳小さじ1を混ぜ、縁だけに薄く塗ります。塗り終わりは縁がつやっと濡れる程度で、卵液がたまるほど厚くしません。フィリングに卵液が流れると表面がまだらに焼けるため、刷毛を立てずに縁をなでるように塗ります。

STEP 77 / 7

190度Cで焼き、少し冷まして食べる

所要時間22分

手順7: 190度Cで焼き、少し冷まして食べる

190度Cに予熱したオーブンの中央段で18分焼きます。縁が黄金色になり、チーズの表面が揺れず、中心をそっと押すと柔らかく戻る状態が目安です。焼き色が弱ければ2分追加します。チーズを完全に乾かすまで焼くと割れやすいので、表面が淡い色のうちに止めます。天板から網へ移し、10分冷ましてから食べます。焼きたて直後はフィリングが熱く、味も落ち着いていません。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

この分量で直径9cm前後のヴァトルーシュカが8個できます。大きく作るより、家庭のオーブンでは8個に分けたほうが中央まで安定して焼けます。レーズンは入れても入れなくても構いませんが、少量あるとチーズの酸味が丸くなります。

9品目

生地

材料 分量 代替・備考
強力粉 260g ふんわりした縁を作る
薄力粉 70g 強力粉だけより口当たりを軽くする
牛乳 150ml 35から38度Cに温める
インスタントドライイースト 5g 予備発酵不要タイプでも温度は見る
グラニュー糖 45g 生地用。上白糖でも可
塩 5g 甘さを締める
卵 1個 50g 生地用。溶いて40gを生地、残りをつや出しに回す
無塩バター 35g 室温に戻す
打ち粉 大さじ1から2 成形時だけ使う
9品目

チーズフィリング

材料 分量 代替・備考
カッテージチーズ 300g 15分水切りする。裏ごしタイプより粒ありがおすすめ
ギリシャヨーグルト 40g トヴォログ風の酸味とまとまりを補う
卵黄 1個分 フィリングを固める
グラニュー糖 45g 甘さは控えめ。好みで55gまで
薄力粉 12g 水分止め。コーンスターチでも可
レモンの皮 1/2個分 黄色い部分だけすりおろす
バニラエッセンス 3滴 入れすぎない
レーズン 35g ぬるま湯で5分戻し、水気を拭く
塩 ひとつまみ 1g 乳の甘さを出す
3品目

仕上げ

材料 分量 役割
溶き卵 生地用の残り約10g 縁のつや出し
牛乳 小さじ1 溶き卵を塗りやすくする
粉糖 小さじ1 好みで食べる直前に薄く
アレルギーと保存

このレシピは小麦、卵、乳を使います。カッテージチーズやヨーグルトは商品により塩分と水分が違うため、フィリングを混ぜた直後に味見し、甘さより水分を優先して調整してください。焼いた後は乳製品入りなので、暑い時期の常温放置は避け、当日中に食べない分は冷蔵します。

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材料表の分量8人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
36kcal
エネルギー
1.1g
タンパク質
1.1g
脂質
5.3g
炭水化物
0.3g
食物繊維
31mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

チーズの白いくぼみが、朝のパンを少し特別にする

焼きたてのパンを割ると、湯気より先に甘い乳の香りが出ます。ふかっとした生地の中央だけが白く、少し粒の残るチーズが落ち着いている。ヴァトルーシュカ(Ватрушка / vatrushka)は、ロシアや東欧で親しまれる、丸い発酵生地にチーズフィリングをのせた菓子パンです。

見た目は小さなチーズタルトのようですが、食べ心地はもっとパン寄りです。外側はブリオッシュほどリッチではなく、内側のフィリングは日本のチーズケーキほど甘くありません。朝食、学校帰りの軽食、濃い紅茶の横に置く甘いパンとして考えると、作り方の勘所が見えてきます。

現地でよく使われるのはトヴォログ(tvorog)と呼ばれるフレッシュチーズです。日本では見つけにくいので、この記事ではカッテージチーズを水切りし、ギリシャヨーグルトを少し混ぜて近づけます。守るのは、発酵生地のやわらかい縁、中央の深いくぼみ、粒感の残る白いフィリング、焼きすぎない乳の香りです。

ペリメニやクールニクが食事の粉ものだとしたら、ヴァトルーシュカは同じロシア料理でも茶の時間へ寄る粉ものです。冷たいオクローシカのような夏の料理と並べると、ロシア料理が重い煮込みだけではないことも分かります。

現地名と表記

ロシア語表記は Ватрушка、複数形は ватрушки です。英語では vatrushka、複数形 vatrushki と書かれることが多く、日本語ではヴァトルーシュカ、ワトルーシュカなど表記が揺れます。本記事では料理名として読みやすい「ヴァトルーシュカ」を使います。

買い出し前に守るところ

ヴァトルーシュカに使う小麦粉、牛乳、卵、バター、水切りチーズ、レモン、レーズンを台所に並べた材料
材料は生地用とチーズフィリング用に分け、牛乳の温度とチーズの水分を先に決めておく

ヴァトルーシュカは材料名だけ見ると、普通の菓子パンです。違いが出るのは、チーズの水分、くぼみの深さ、焼き止めの早さです。中央が浅いと焼いている間にフィリングが流れ、逆に深く押しすぎると底が薄くなって破れます。

守るところ 現地らしさ 日本の台所での落とし方
トヴォログ風の粒感 フレッシュチーズの少しざらっとした舌ざわり カッテージチーズを水切りし、裏ごししすぎない
やわらかい発酵生地 甘いパン生地だが、ケーキほど重くない 牛乳と卵でこね、バターは控えめにする
深いくぼみ 中央に白いフィリングが残る 二次発酵後にコップ底で押し直す
焼き色 縁は黄金色、チーズは淡い色 190度Cで短く焼き、中心の乳を乾かしすぎない
食べ方 紅茶や朝食の甘いパン 焼きたてより少し冷まして香りを落ち着かせる

カッテージチーズは商品によって水分がかなり違います。ざるにキッチンペーパーを敷き、15分水を切ってから使うと、フィリングが流れにくくなります。粒が大きい場合はフォークで軽くつぶします。完全なクリーム状にすると、日本の菓子パンに寄りすぎるので、少し粒を残してください。

買い出し導線 生地温度と成形を安定させる道具

ヴァトルーシュカ作りに使うめん棒、温度計、フードプロセッサー、保存容器を台所に並べた買い出しの目安
通販で見る価値があるのは、普通の乳製品ではなく、温度と成形を安定させる道具

牛乳、卵、バター、カッテージチーズは近所のスーパーで十分です。商品カードで見る価値があるのは、発酵温度を外しにくくする温度計、均一に成形するめん棒、粒の大きいカッテージチーズを短く整える小型フードプロセッサーです。チーズや牛乳で数を増やさず、作業の失敗を減らすものに絞ります。

牛乳を熱くしすぎるとイーストが弱り、ぬるすぎると発酵が遅れます。特に冬の台所では、35から38度Cの差がそのまま発酵時間に出ます。

生地を丸く伸ばす作業は手でもできますが、底の厚みがそろわないとフィリングの沈み方が変わります。めん棒はペリメニやピエロギにも回せます。

カッテージチーズの粒が大きい時は、フードプロセッサーを1秒ずつ数回だけ回すと扱いやすくなります。なめらかにしすぎるとチーズケーキ寄りになるので、短く止めるのがコツです。

失敗しやすいところ

よく焼けたヴァトルーシュカと、中央が割れて乾いたヴァトルーシュカを並べた比較
失敗は発酵不足、くぼみの浅さ、チーズの水分、焼きすぎに出やすい

ヴァトルーシュカの失敗は、中央のフィリングだけを見ていると戻しにくくなります。実際には、生地の発酵、くぼみの深さ、チーズの水分がつながっています。焼く前の段階で触って直せる部分が多い料理です。

状態 原因 直し方
中央が流れる フィリングがゆるい、くぼみが浅い チーズを追加で水切りし、薄力粉小さじ1を足す。焼く直前に押し直す
縁が硬い 牛乳が熱すぎて発酵不足、または焼きすぎ 牛乳は35から38度C。190度Cで18分から確認する
底が薄く破れる コップで強く押しすぎた 縁を残し、底は5mm以上残す。押し直しは軽く
チーズが割れる 高温で長く焼いた、水分が少なすぎる 焼き色がついたら止め、フィリングにヨーグルトを少し足す
味がぼんやりする チーズの塩気と酸味が弱い 塩ひとつまみ、レモン皮、ヨーグルトで輪郭を作る
翌日ぱさつく 常温で乾燥した 冷めたら早めに密閉し、食べる前に軽く温める

もっとも避けたいのは、チーズをなめらかにしようとして水分を増やしすぎることです。焼いている間に流れ、パンの底へしみ込みます。日本のカッテージチーズはトヴォログより水っぽいことがあるので、最初は水切りを長めに取り、フィリングは「すくうとゆっくり落ちる」固さを基準にしてください。

食べ方、保存、FAQ

冷ましたヴァトルーシュカをガラス容器に入れ、紅茶と一緒に食卓へ出したところ
乳製品入りなので、冷めたら乾燥を避けて保存し、食べる前に軽く温める

焼きたてをすぐ食べるより、10分から15分冷ました方がチーズの香りが分かります。合わせる飲み物は濃い紅茶、ミルクティー、ブラックコーヒー。朝食にするなら、甘くないスープや果物を少し添えると重くなりません。

当日中に食べる分は、完全に冷ましてから密閉容器へ入れ、涼しい季節なら半日だけ常温に置けます。翌日以降は冷蔵で2日が目安です。食べる時はトースターの低温、または160度Cのオーブンで4分温め、余熱で2分置きます。電子レンジだけだと縁が湿りやすいので、10秒から15秒だけ温めてからトースターで表面を戻すと食べやすくなります。

冷凍する場合は、1個ずつラップで包み、保存袋へ入れて2週間。解凍は冷蔵庫で半日、または室温で30分置き、160度Cのオーブンで6分温めます。フィリングの水分が戻りにくいので、冷凍前から焼きすぎないことが大事です。

トヴォログが手に入りません。クリームチーズで作れますか?

作れますが、かなり違う食べ心地になります。クリームチーズだけにすると濃厚でなめらかになり、ロシアのヴァトルーシュカより日本のチーズパンに近づきます。使うならカッテージチーズ200g、クリームチーズ80g、ヨーグルト20gにすると、粒感とコクのバランスが取りやすいです。

レーズンは必須ですか?

必須ではありません。入れない場合は、レモンの皮を少し増やすとチーズの香りが単調になりにくいです。ドライクランベリーを使うと酸味が出ますが、ロシアの素朴な味からは少し離れます。初回はレーズン入りか、完全に抜くかのどちらかにしてください。

ホームベーカリーで生地を作れますか?

作れます。生地コースを使い、バターまで入れて一次発酵まで任せます。ただし、取り出した後に生地が温かすぎる場合は、台に出して5分置いてから分割してください。温かいまま成形すると、くぼみが戻りやすく、フィリングを入れた後に横へ広がります。

前日に作れますか?

生地を一次発酵後に冷蔵する方法が扱いやすいです。一次発酵した生地を軽く押してガスを抜き、密閉容器に入れて冷蔵庫で一晩置きます。翌日は室温に20分出してから分割し、丸め、くぼみを作ります。フィリングは前日に混ぜると水が出やすいので、チーズの水切りだけ前日に済ませ、混ぜるのは当日がおすすめです。

どの料理と合わせるとロシア料理らしくなりますか?

食事の後の甘いパンとして出すなら、主菜はペリメニやクールニクのような粉ものより、酸味のあるオクローシカや軽いサラダの方が重くなりません。週末の昼なら、ヴァトルーシュカだけを紅茶と果物に合わせても十分です。もっと菓子らしい層のある一皿へ進むなら、薄い蜂蜜生地を一晩休ませるメドヴィクが次の候補になります。

主な参考リンク

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