ウズベキスタンのプロフ。黄金色の米にラム肉とにんじんが混ぜ込まれたピラフ料理
🔪下準備30分
🔥調理1時間30分
🍽️分量6
🌍料理ウズベキスタン料理

プロフの作り方|ウズベキスタン国民食の羊肉ピラフ

約35分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

油を熱する

手順1: 油を熱する

厚手の鍋にサラダ油120mlを入れ、強火で3分熱します。油の表面がゆらぎ、温度計で180℃前後、うっすら煙が立つ状態が目安です。油が少ないと米がパサつくため、ここでは量を減らしすぎないようにします。

STEP 22 / 6

ラム肉を焼く

手順2: ラム肉を焼く

ラム肉を入れ、強火で3〜4分焼いて全面に焦げ目をつけます。最初の1分は触らず、濃い焼き色がついてから返します。表面を焼き固めると煮込み中に旨味が流れにくく、肉の角が崩れず残ります。焼けたら取り出します。

STEP 33 / 6

玉ねぎを炒める

手順3: 玉ねぎを炒める

同じ鍋で玉ねぎを中火で10〜12分炒め、クミンシードとコリアンダーシードを加えます。玉ねぎが透き通って薄い茶色になり、鍋底に香ばしい色がつくまでが目安です。焦げそうなら弱めの中火へ落とします。

STEP 44 / 6

ジルヴァクを煮る

手順4: ジルヴァクを煮る

肉を鍋に戻し、にんじんを加えて3分炒めます。塩・黒こしょう・ターメリックを加え、ひたひたの水を注いで中火で30分煮込みます。にんじんは形が残る柔らかさにし、煮汁が黄金色になれば米に染み込むベースの完成です。

STEP 55 / 6

にんにくを沈める

手順5: にんにくを沈める

1分ほどで、ひよこ豆を使う場合は加え、にんにく2玉を皮付きのまま煮汁へ沈めます。にんにくは崩さず丸ごと入れるのがウズベキスタン式です。上に浮くと乾くので、半分以上が煮汁に浸かる位置へ押し込みます。

STEP 66 / 6

米を炊き上げる

手順6: 米を炊き上げる

浸水した米の水を切り、ジルヴァクの上に静かに平らに広げます。米は混ぜません。米の層は厚み3〜4cmほどに均一にならし、米の表面から1〜2cm上まで水を注ぎ、バルバリスがあれば散らします。蓋をせず強火で8〜10分、水面がぶくぶく泡立ち、米の表面に水が見えなくなるまで加熱します。箸で数か所穴を開け、蓋をきっちり閉めて弱火で25〜30分蒸します。穴から白い湯気がまっすぐ上がり、米粒がふっくらして指でつぶすと芯がなく、鍋底に水音がしなければ炊き上がりです。

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Ingredients

材料を分けて見る

5品目

ジルヴァク(肉と野菜のベース)

材料 分量 代替・備考
ラム肉(肩ロースまたは腿) 500g(3cm角) 牛肉(すね肉やバラ肉)でも可。脂のある部位を選ぶ
玉ねぎ 2個(薄切り) —
にんじん 3本(マッチ棒の太さの短冊切り) 太めに切るのがポイント(後述)
にんにく 2玉(皮付きのまま丸ごと) —
サラダ油 120ml 綿実油が伝統的。植物油で可
2品目

米

材料 分量 備考
長粒米(バスマティまたはデヴジラ) 3合(450g) 洗って30分浸水させておく
水 適量 米がかぶる程度
7品目

スパイス

材料 分量 代替・備考
クミンシード 大さじ1 プロフの核心スパイス
ターメリックパウダー 小さじ1 サフランの代用。色付け
コリアンダーシード 小さじ1 軽く潰して使う
塩 大さじ1 味を見て調整
黒こしょう(ホール) 小さじ1 —
バルバリス(ドライバーベリー) 大さじ1 なくても可。甘酸っぱいアクセント
ひよこ豆(水煮) 100g タシケント式では加えることが多い
日本でラム肉を入手する方法

ウズベキスタンでは羊肉(ラム/マトン)が主流ですが、日本では牛肉で代用しても十分においしく作れます。ラム肉を使いたい場合の入手先: コストコ(ラムショルダー・ラムラック)、ハナマサ(冷凍ラム肩肉)、業務スーパー(冷凍ラムスライス)、新大久保のハラルフードショップ(骨付きラムが豊富)、Amazon・楽天(北海道産ラム)。骨付き肉を使うと出汁が出て格段においしくなります。

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材料表の分量6人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
108kcal
エネルギー
4.7g
タンパク質
4.0g
脂質
13.0g
炭水化物
0.5g
食物繊維
120mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

「結婚式もお葬式もプロフで始まる」——3000万人のソウルフード

ウズベキスタンでは、人生の全ての節目にこの料理がある。結婚式の前夜、花婿の家族が巨大なカザン(鋳鉄鍋)で数百人前のプロフを炊き上げる。子供の誕生祝いにもプロフ。友人の帰省を祝うのもプロフ。金曜日の昼食は、ほぼ全国民がプロフを食べる。

プロフ(Plov / Osh / Палов) ——ウズベキスタンの国民食であり、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録された中央アジア最大のピラフ料理です。

基本構造はシンプル。ジルヴァク(zirvak)と呼ばれる肉・玉ねぎ・にんじんを油で炒めたベースの上に、米を重ねて一緒に炊き上げる。 しかしこの「シンプル」の中に、数百年の知恵と技術が凝縮されています。油の温度、にんじんの切り方、米を加えるタイミング、蒸らしの時間——どれか一つ間違えると、米がべたつき、肉が硬くなり、全体がまとまらない。

プロフの名人は「oshpaz(オシュパズ)」と呼ばれ、ウズベキスタン社会で尊敬される存在です。結婚式のプロフを任されるオシュパズは、一度に1,000人前以上を直径2メートルのカザンで炊き上げます。その技術は父から子へ、師匠から弟子へと口伝で受け継がれてきました。

プロフとは

ペルシャ語の「ポロウ(polow)」に由来する語で、「炊いた米」を意味する。ウズベク語では「osh(オシュ)」とも呼ばれ、首都タシケントでは「osh」の方が一般的。2016年にユネスコ無形文化遺産に「ウズベキスタンにおけるプロフの文化と伝統」として登録された。同系統の料理はイランの「チェロウ・ポロウ」、トルコの「ピラウ」、インドのビリヤニ、西アフリカのジョロフライスなど世界各地に広がっている。

ウズベキスタンのプロフ。黄金色の米にラム肉とにんじんが美しく盛られている
プロフの完成形。サフランで黄金色に染まった米粒がひとつひとつ立っているのが理想

この料理の歴史——シルクロードの交差点で生まれたピラフ

プロフの歴史はシルクロードの歴史そのものです。

サマルカンドのレギスタン広場。壮麗な青いタイル装飾のイスラム建築
シルクロードの要衝サマルカンド。この街の市場でプロフの原型が生まれた

米の炊き込み料理のルーツは紀元前のペルシャ帝国に遡ります。アケメネス朝ペルシャ(紀元前550〜330年)の宮廷料理として発展した「ポロウ」は、アレクサンドロス大王の東征、イスラム帝国の拡大、モンゴル帝国の統一を通じて、中央アジア全域に広まりました。

14世紀のティムール帝国(首都サマルカンド)時代に、プロフは宮廷料理から庶民の祝祭料理へと発展しました。伝説では、ティムールの軍医が兵士のスタミナ食として「肉・米・にんじん・油を一つの鍋で炊く料理」を考案したとされています。にんじんのβ-カロテン、肉のタンパク質、米の炭水化物、油の高カロリーを一度に摂取できるこの料理は、遠征軍の理想的な糧食でした。

ソ連時代(1924〜1991年)、ウズベキスタンは綿花の大量生産を強いられましたが、プロフは民族のアイデンティティとして家庭で守り続けられました。1991年の独立後、プロフは国家的な文化遺産として公式に認知され、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。


調理のコツ——プロフを完璧にする5つの技術

クミンシード、サフラン、バーベリーなどプロフのスパイス類が真鍮の小皿に並ぶ
プロフのスパイス。クミンが主役で、サフランまたはターメリックで色を付ける

1. 油は「多め」が正解

プロフの油の量は日本人の感覚からすると驚くほど多いですが、これは減らしてはいけません。油は米の一粒一粒をコーティングし、パラパラの食感を生み出す役割を果たします。油が少ないと米同士がくっつき、べたべたのリゾットのような仕上がりになります。

2. 米は絶対に混ぜるな

プロフの鉄則はジルヴァクと米を混ぜないことです。ジルヴァクの上に米を「重ねて」炊き、盛り付けの直前に初めて合わせます。混ぜると米が崩れ、でんぷんが溶け出してべたつきます。ナシゴレンのように米を炒める料理とは正反対のアプローチです。

3. にんにくは皮付きで丸ごと

にんにくを剥いて刻んで入れたくなりますが、プロフでは皮付きのまま丸ごと沈めるのが伝統です。皮がにんにくを包み込み、蒸し上がった後もペースト状にはならず、ホクホクとした食感が残ります。食べるときに皮を剥いて中身を米に混ぜると、甘くてまろやかなにんにくの風味が広がります。

4. 蓋を開けるな

米を重ねて蓋をしたら、25〜30分間は絶対に蓋を開けない。蒸気が逃げると米が均一に炊けず、上は硬く下はべたつく不均一なプロフになります。「我慢の30分」がおいしいプロフの秘訣です。

5. 火加減の三段階

プロフの火加減は三段階です。最初の「油で焼く」段階は強火。ジルヴァクの煮込みは中火。米を重ねた後の蒸しは弱火。この段階的な火加減が、肉は柔らかく、にんじんは歯ごたえを残し、米はパラパラに仕上げる鍵です。


プロフのバリエーション——都市と地方で変わる「同じ料理」

ウズベキスタンには200種類以上のプロフがあるとされ、地域によって材料も調理法も大きく異なります。ハチャプリがジョージアの地方ごとに形が異なるように、プロフもウズベキスタンの各都市で独自の進化を遂げてきました。

サマルカンド式プロフ

最も古典的なスタイルで、にんじんが特に太く、米は黄色く染まるのが特徴です。サフランまたはターメリックを多めに使い、にんじんの比率が米と同量近くになります。肉は骨付きラムが基本。仕上がりは非常に「にんじんが主張する」力強い味わいです。

タシケント式プロフ

首都タシケントのプロフはひよこ豆、干しぶどう、うずらの卵が入る豪華版です。にんじんの量はサマルカンド式より少なく、代わりにトッピングが華やかになります。タシケントでは「プロフセンター(Osh Markazi)」と呼ばれるプロフ専門食堂が街中にあり、朝6時から数百人前のプロフを炊き始めます。

フェルガナ式プロフ

フェルガナ盆地のプロフは肉の量が多く、油控えめという特徴があります。サマルカンドやタシケントに比べて素朴ですが、肉の旨味が直接的に感じられるため、「最もおいしいプロフ」と評する人も多いです。

ブハラ式プロフ

ユダヤ系住民が多かったブハラのプロフは、ドライフルーツ(アプリコット、プルーン)が入る甘めの味付けが特徴です。エンパナーダのように甘い具材と肉を組み合わせるスタイルは、ブハラのシルクロード貿易による多文化的背景を反映しています。


よくある質問

プロフを初めて作る方へ

プロフは「豪快な炊き込みご飯」です。最初は油の量とにんじんの切り方に驚くかもしれませんが、手順に忠実に従えば失敗しにくい料理です。マンティの繊細な皮包みに比べると、プロフはずっと気楽に挑戦できます。

Q1. ラム肉がなくても作れる?

作れます。牛肉(バラ肉やすね肉)で代用すると、脂のコクは異なりますが十分においしいプロフになります。鶏もも肉でも作れます(ウズベキスタンでも鶏肉プロフは「トフ・パロフ」として存在します)。ただし脂の少ない部位(ヒレ、ささみ等)は避けてください。

Q2. 炊飯器で作れる?

推奨しませんが、不可能ではありません。ジルヴァクだけフライパンで作り、炊飯器の釜に入れ、その上に米と水を加えて炊飯する方法で近い仕上がりが得られます。ただし、火力調整ができないため米のパラパラ感は鍋で作ったものに劣ります。

Q3. 日本米でも大丈夫?

日本米(短粒米)でも作れますが、仕上がりは中央アジアのプロフとは異なります。日本米は粘りが強いため、パラパラのプロフにはなりにくいです。可能であればバスマティライスを使ってください。タイ米(ジャスミンライス)も代替になります。

アレルギー情報

この料理には卵(うずら卵トッピング時)が含まれる場合があります。甲殻類アレルギーの方は、にんじんの代替としてカニ風味かまぼこなどが使われるレシピにご注意ください。


主な参考リンク

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