完成皿に盛った、丸パンにツナ、ゆで卵、トマト、黒オリーブ、バジルを挟んだニースのパン・バニャの断面
🔪下準備30分
🔥調理9分
🍽️分量4
🌍料理フランス料理・ニース料理

パン・バニャの作り方|ニースの濡れパン

約28分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

卵をゆで、野菜を切る

所要時間18分

手順1: 卵をゆで、野菜を切る

鍋に湯を沸かし、沸騰したら卵4個をそっと入れます。強火で再沸騰させ、ふつふつが続く中火に落として9分ゆでます。すぐ氷水に取り、5分冷やしてから殻をむき、5mm幅に切ります。

トマト3個は5mm幅の輪切りにし、残り1個はパンにこすりつける用に半分に切ります。輪切りトマトに塩2gを振り、10分置きます。ラディッシュは2mm幅、青ピーマンは3mm幅、細ねぎは小口切りにします。野菜は厚すぎると包んだときにパンが割れるので、断面が平らに重なる幅を目安にします。

STEP 22 / 5

パンを開き、油とトマト汁を含ませる

所要時間8分

手順2: パンを開き、油とトマト汁を含ませる

火は使いません。丸パンを横半分に切り、上側の中身を大さじ2ほど抜きます。底側を抜きすぎると汁が抜けるので、底は薄く削る程度にします。にんにくの切り口を内側に軽くこすりつけ、半分に切ったトマトを押し当てて汁を移します。

小さな器でオリーブオイル45ml、白ワインビネガー10ml、黒こしょうを混ぜ、パンの内側に分けて塗ります。クラムに油のつやが入り、指で押すと少ししっとりする状態が目安です。底に液体がたまるほど入れると、休ませたあとに崩れます。

STEP 33 / 5

トマト、魚、卵、野菜を重ねる

所要時間7分

手順3: トマト、魚、卵、野菜を重ねる

火は使いません。底側のパンに、塩をしたトマトを2から3枚ずつ置きます。ツナを大きめにほぐしてのせ、アンチョビを1個につき2枚ずつ細く置きます。卵、ラディッシュ、青ピーマン、細ねぎ、黒オリーブ、ケーパー、バジルを重ねます。

塩気はここで決めすぎません。アンチョビ、オリーブ、ケーパーが入るので、仕上げ用の塩1gは最後に足りなければ使います。具の高さはパンの縁より少し上までで止めます。押すと低くなるため、少し盛ってよいのですが、卵やトマトが横から落ちるほど詰めると食べにくくなります。

STEP 44 / 5

包んで押し、味をなじませる

所要時間35分

手順4: 包んで押し、味をなじませる

火は使いません。上側のパンをかぶせ、手のひらで軽く押します。クッキングシートで包み、その上から布巾やラップで包みます。まな板に置き、重い鍋やフライパンをのせて30分休ませます。パンの高さが1から2cm低くなり、包み紙に油の点が少し出る状態が目安です。冷蔵庫で休ませる場合は、食べる15分前に出して室温へ戻します。

重しは強すぎなくて大丈夫です。目安は、パンの高さが1から2cm低くなり、包み紙に油の点が少し出るくらい。汁が大量に染み出すなら、トマトの水分が多いので、次回は種を少し取り、トマトを塩して出た水分を全部入れないようにします。

STEP 55 / 5

切って、常温で食べる

所要時間5分

手順5: 切って、常温で食べる

火は使いません。包みを開き、よく切れる包丁で半分に切ります。断面のトマト汁と油がパンに入り、具が少し沈んでいれば完成です。味見して塩気が足りなければ、残りの塩をほんの少しだけ断面に振ります。仕上げのオリーブオイル15mlを全体に細く落とします。

食べる温度は常温が向きます。冷蔵庫から出した直後は油が固く、パンも硬く感じます。夏の屋外へ持っていく日は、保冷剤と一緒に運び、食べる直前に出してください。長く常温に置くと卵と魚の傷みが早くなります。

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Ingredients

材料を分けて見る

16品目

材料

パン・バニャに使う丸パン、トマト、ツナ、アンチョビ、卵、ラディッシュ、青ピーマン、黒オリーブ、ケーパー、バジル、オリーブオイルを台所に並べたところ
パン・バニャは材料を増やすより、水分、油、塩気を分けて考えるとまとまりやすい

4人分、丸パン4個で作ります。大きなカンパーニュを1個で作って切り分けてもよいですが、初回は1人分ずつ包むほうが水分の調整が簡単です。

材料 分量 代替・備考
ハード系の丸パン 4個(1個90から110g) 小型カンパーニュ、チャバタ、太めのバゲットでも可。ブリオッシュは避ける
完熟トマト 4個(約550g) 1個はパンに汁を移す用。水っぽい日は種を少し取る
卵 4個 常温に10分置くと割れにくい
ツナ缶または瓶詰め 正味160g オイル漬けが向く。水煮ならオリーブオイルを10ml足す
アンチョビフィレ 8枚(約20g) 塩漬けなら20秒すすぐ。苦手なら半量
ラディッシュ 6個(約60g) 2mm幅。きゅうり80gでも可
青ピーマン 1/2個(約70g) 3mm幅。赤パプリカ少量なら甘くなる
細ねぎまたは新玉ねぎ 40g 細ねぎ2本、または薄切り玉ねぎ40g
黒オリーブ 16粒(約55g) 種抜きで可。水気を拭く
ケーパー 12g 現地必須ではないが、黒オリーブが弱い日の塩気補助に使う
バジル 10g 大きい葉ならちぎる
にんにく 1片(5g) パンにこすりつける。強い香りが苦手なら断面を軽くなでるだけ
エキストラバージンオリーブオイル 60ml パンに45ml、仕上げに15ml
白ワインビネガー 10ml 酸味が強い日は5ml。米酢なら7mlから
塩 3g トマト用2g、仕上げ用1g
黒こしょう 小さじ1/4 粗びき
アレルギーと塩分

このレシピは小麦、卵、魚を使います。アンチョビ、ツナ、オリーブ、ケーパーは塩分が高いので、減塩中の方は医師や管理栄養士の指示に従ってください。子ども向けに作る場合は、アンチョビを半量にし、ケーパーを抜くと食べやすくなります。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
130kcal
エネルギー
6.8g
タンパク質
6.5g
脂質
12.5g
炭水化物
1.3g
食物繊維
330mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

トマトの汁をパンに吸わせる、ニースの昼食

丸いパンを半分に開き、熟したトマトを押し当てると、白いクラムに赤い汁がじわっと入ります。そこへオリーブオイル、ツナ、卵、黒オリーブ、バジルを重ねる。まだ切っていないのに、台所のまな板の上だけ少し海沿いの市場に近づきます。

パン・バニャは、フランス語では Pan bagnat、ニース語系の表記では Pan banhat とも書かれるニースのサンドイッチです。直訳に近い感覚は「濡れたパン」。ただし、日本のコンビニサンドのように湿って弱いパンを目指す料理ではありません。トマトの汁、少量の酢、オリーブオイルを、硬めの丸パンに受け止めさせる料理です。

この記事では、ニースの骨格である丸パン、トマト、ゆで卵、ツナまたはアンチョビ、黒オリーブ、バジル、オリーブオイルを軸に、日本の台所で作りやすい分量へ落とします。ポイントは、具を豪華に増やすことではなく、水っぽい野菜をそのまま押し込まないこと、パンを少し hollow にして油と汁の逃げ場を作ること、包んで休ませることです。

先に押さえる要点

パン・バニャはマヨネーズでまとめるツナサンドではありません。パンを濡らすのは、トマトの汁、オリーブオイル、少量のワインビネガーです。レタスやハム、チーズを足すより、トマトの水分を塩で整え、パンを包んで押すほうがニースらしい食べ心地に近づきます。

背景|貧しいパンの工夫から、市場の携帯食へ

パン・バニャの名前には、硬くなったパンを無駄にしない台所の感覚が残っています。古いパンを水やトマトの汁でやわらかくし、ニース風サラダの野菜や塩漬け魚と合わせて食べる。そこから、パン自体が器になり、持ち歩けるサンドイッチへ変わっていきました。今ではニース周辺のパン屋や市場で買える軽食として知られていますが、出発点は派手な名物料理というより、朝から働く人が片手で食べられる昼食です。

ニース料理は海の魚だけでできているわけではありません。トマト、ピーマン、若い玉ねぎ、ラディッシュ、バジル、オリーブ、卵、塩漬け魚。山側と海側の食材が混ざり、隣のリグーリアやプロヴァンスの影も入ります。同じニースのパン料理なら、玉ねぎを焼くピサラディエールがあります。パン・バニャは火で甘くするのではなく、生の野菜の汁と油をパンに移す側の料理です。

地域差もあります。古い作り方では、ツナとアンチョビを同時に入れないという説明が出てきます。アンチョビが庶民的な塩気、ツナが少し豊かな日の具材だったからです。現代の市場や英語圏のレシピでは、両方を少量ずつ重ねる形もよく見ます。この記事では、日本の家庭で味がまとまりやすいよう、ツナを主役にし、アンチョビは細い塩気として少量使います。魚の香りが苦手な人がいる食卓では、アンチョビを抜き、黒オリーブとケーパーで塩気を補う分岐も用意します。

日本で再現するときに難しいのは、パンです。現地の pan bagnat 用の丸パンは、外側がしっかりしていて、内側が汁を吸える作りです。日本のやわらかいバターロールやブリオッシュでは、押したときに甘いパンがつぶれ、具の水分を支えられません。買いやすい範囲では、ハード系の丸パン、カンパーニュ小型、チャバタ、太めのバゲットが向きます。大事なのは、パンの中身を少し抜き、トマトの汁と油を受ける空間を作ることです。

現地の生活文脈で見ると、パン・バニャは皿にきれいに積む料理ではありません。包み紙の中で少し押され、切ったら汁がにじみ、手で持つと具が少しこぼれる。その不器用さが食べやすさにつながっています。日本の台所では、見た目を整えようとしてすぐ切るより、包んで30分置くほうがうまくいきます。具の水分が落ち着き、パンの底に油の輪郭が入ると、ただのツナサンドではなく「濡れたパン」の料理になります。

買い出し|パンと野菜は近所で、油と塩気だけ選ぶ

パン・バニャの買い出し材料として、丸パン、トマト、ツナ、アンチョビ、黒オリーブ、卵、ケーパー、オリーブオイル、ワインビネガーを台所に並べたところ
通販で見る価値があるのは、パンを濡らす油、酸味を細く入れる酢、塩気の点を作るケーパー

パン、トマト、卵、ツナ、ラディッシュ、ピーマンは、近所のスーパーでそろえたほうが新鮮です。通販で見る価値があるのは、パンに直接入るオリーブオイル、少量で酸味を決める白ワインビネガー、塩気の点を作るケーパーです。アンチョビと黒オリーブも輸入食材店で買えますが、初回は小さな缶や瓶で十分。塩気が強すぎる銘柄を大量に買うと、使い切る前に味が重くなります。

パンは、手で押して少し戻る硬さを選びます。ふわふわの丸パンは食べやすそうに見えますが、包んで押すと水分を抱えられず、底が甘い団子のようになります。カンパーニュを使う場合は、1人分に切ってから中身を少し抜きます。バゲットなら太めを選び、細いものは具を詰めすぎないようにします。

トマトは香りのあるものを選びます。甘さより、切ったときに汁が出ることが大事です。硬いトマトしかない日は、切って塩をして10分置き、出た汁をパンに使います。ツナはオイル漬けが向きますが、水煮を使うなら、ほぐしたあとにオリーブオイル10mlと黒こしょうを混ぜてから重ねます。

オリーブオイルはパンの中に直接入るので、苦みだけが強いものより、青さと丸みがあるものが使いやすいです。量は多く見えますが、パン4個で分けると1人分15mlです。

白ワインビネガーは10mlだけですが、パンの油っぽさを少し切る役です。使いすぎるとニースのサラダではなく酸っぱいツナサンドになるので、最初は控えめにします。

ケーパーは主役ではありません。黒オリーブやアンチョビの塩気が弱い日に、数粒だけ入れると味がぼやけにくくなります。余った分は魚料理、ポテトサラダ、鶏肉のクリーム煮にも回せます。

日本の台所で本場に寄せる分岐表

パン・バニャは、現地食材を全部そろえなくても作れます。ただし、代えてよいところと、代えると別物に近づくところがあります。最初に守るのは、パンを濡らす仕組み、トマトの汁、油、魚かオリーブの塩気です。

迷うところ 現地寄せ 日本での現実解 守ること
パン 丸いハード系の pan bagnat 用パン 小型カンパーニュ、チャバタ、太めのバゲット 甘いパン、食パン、薄いロールを避ける
魚 アンチョビ、またはツナ オイル漬けツナを主役に、アンチョビを少量 マヨネーズでまとめない
野菜 トマト、若い玉ねぎ、ピーマン、ラディッシュ、季節の豆やアーティチョーク トマト、細ねぎ、青ピーマン、ラディッシュで十分 水っぽい野菜を厚く入れすぎない
オリーブ ニース産の小粒黒オリーブ 種抜き黒オリーブ、カラマタ少量 水気を拭き、塩気を残す
酸味 ワインビネガー少量 白ワインビネガー、米酢少量 酢を主役にしない
休ませ方 包んで持ち歩くうちに味が入る 30分重しをして休ませる 作ってすぐ切らない

アンチョビを抜く日は、ツナを少し増やすより、黒オリーブとケーパーを細かく刻んで点で散らすほうが味が締まります。ツナを増やしすぎると、日本のツナサンドの印象が強くなります。反対に、アンチョビだけで作るとかなり大人向けの塩気になります。初回はツナ160g、アンチョビ8枚の中間が食べやすいです。

レタスを入れると見た目はサンドイッチらしくなりますが、パン・バニャでは水分と食感がずれやすいです。どうしても入れるなら、厚い芯を取り、よく水気を拭いた小さな葉を1枚だけ。量でかさ増しするより、トマトと油をパンに入れるほうが、この料理の芯に近づきます。

失敗原因|水分、塩気、パンを分けて直す

状態 主な原因 直し方
底がびしょびしょ トマトの水分を全部入れた、パンが柔らかい 次回はトマトの種を少し取り、塩して出た水分の半量だけ使う
具がこぼれる 野菜が厚い、パンの中身を抜いていない ラディッシュ2mm、ピーマン3mm、卵5mmを目安に切る
塩辛い アンチョビ、オリーブ、ケーパーが重なった ケーパーを抜き、アンチョビを1個1枚に減らす
味がぼやける ツナ水煮をそのまま使った、油が少ない ツナにオリーブオイル10mlと黒こしょうを混ぜてから重ねる
パンが甘く感じる ブリオッシュ系、バターロール系を使った ハード系丸パン、チャバタ、カンパーニュへ替える
卵が崩れる ゆで時間が短い、切る前に冷やしていない 中火9分でゆで、氷水で5分冷やしてから切る

完成後に水っぽいと感じたら、トースターで焼き直す料理ではありません。パン・バニャは冷たいサンドなので、次回の水分調整で直します。今回は包み紙を開き、余分な汁を軽く拭いてから食べるのが現実的です。逆に、パンが乾いている場合は、切った断面にオリーブオイルを小さじ1ほど落とすと戻ります。

食べ方、保存、次の料理へのつなぎ方

パン・バニャは、皿にのせてナイフとフォークで食べるより、紙で包んだまま手で持つほうが似合います。昼食なら、冷たい水、軽いスープ、果物だけで十分です。前菜として小さく切るなら、同じニースのピサラディエールや、地中海のパン料理であるパンツァネッラ、トマトと油の扱いが近いダコスへつなぐと、パンに汁を吸わせる料理の違いが見えてきます。

保存は、作った当日が基本です。包んだまま冷蔵するなら8時間以内に食べます。翌日まで置くとパンはさらにしっとりしますが、卵と魚を使うため家庭では長く引っ張らないほうが安全です。持ち運ぶ場合は、1個ずつ包み、保冷剤と一緒にします。切ってから保存すると断面が乾くので、食べる直前に切ります。

余った材料は、次の料理へ回せます。トマトとパンが余ったらパンツァネッラ、黒オリーブとケーパーが余ったらカタルーニャのエスケイシャーダ、オリーブオイルと白ワインビネガーが余ったらブラジルのヴィナグレッチにも使えます。パン・バニャだけのために大きな瓶を買うより、汁をパンに吸わせる料理を続けて作ると使い切りやすいです。

FAQ

ツナとアンチョビは両方入れてよいですか

現地の古い説明では、ツナとアンチョビを同時に入れないという考え方があります。家庭版では、ツナを主役にしてアンチョビを少量使うと味がまとまりやすいです。現地寄せを強くしたい日は、どちらか一方に絞ってください。

マヨネーズを入れてもよいですか

入れないほうがパン・バニャらしくなります。油分はオリーブオイルで入り、酸味はビネガーとトマトの汁で作ります。マヨネーズを入れると、味は食べやすくなりますが、日本のツナサンドに近づきます。

バゲットで作れますか

作れます。太めのバゲットを4等分し、横に開いて中身を少し抜きます。細いバゲットは具が入りにくく、押したときに割れやすいので、具を2割ほど減らします。

前日に作れますか

冷蔵で一晩置く作り方もありますが、家庭では卵と魚を使うため当日中を基本にします。どうしても前日に仕込むなら、野菜を切るところまでにし、組み立てと押す工程は食べる日の朝にします。

ケーパーは必須ですか

必須ではありません。黒オリーブとアンチョビの塩気が十分なら抜いて大丈夫です。日本で手に入る黒オリーブの味が弱い日だけ、12gを全体へ散らすと味が締まります。

主な参考リンク

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