パラグアイのチパ・アルミドン。焼きたての輪形チーズパンとマテ茶を並べた食卓
🔪下準備35分
🔥調理25分
🍽️分量6
🌍料理パラグアイ料理
南米レシピ

チパ・アルミドンの作り方|パラグアイのチーズパン

32分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 粉とアニスを合わせる
STEP 11 / 7

粉とアニスを合わせる

大きなボウルにタピオカ粉500g、とうもろこし粉50g、アニスシード小さじ2、塩小さじ1を入れ、手または泡立て器で2分混ぜます。粉の白い山の中にアニスが均一に散り、底に塩のかたまりが残らなければ次へ進みます。ここで粉類をそろえると、後で水分を足したときに味のムラが出にくくなります。

手順2: バターをすり込む
STEP 22 / 7

バターをすり込む

やわらかくした無塩バター120gを加え、指先で5〜6分すり込みます。粉がさらさらから湿った砂のように変わり、手で握ると一瞬形になる状態が目安です。大きなバターの塊が残ると、仕上がりで油だまりが出て、底の色だけが濃くなります。冷たいバターを使った場合は、手の温度で少しずつつぶし、焦って牛乳を足さないでください。

手順3: チーズを崩しながら混ぜる
STEP 33 / 7

チーズを崩しながら混ぜる

シュレッドモッツァレラ220g、細かく崩したフェタまたは粉チーズ70gを加え、3分ほど底から返します。チーズを完全に練り込むのではなく、粉の中に白い粒として均一に散り、手でつかむと粉とチーズが一緒にまとまるくらいで止めます。塩気の強いチーズを使う場合は、ここで小さなかけらを味見し、次回の塩分を調整します。チーズの粒が少し残ると、仕上がりの表面に小さな香ばしい点が出ます。

手順4: 卵と牛乳でまとめる
STEP 44 / 7

卵と牛乳でまとめる

卵3個を別の器で30秒ほど溶き、粉の中央へ入れます。牛乳はまず90mlだけ加え、木べらで3分混ぜてから手で4〜5分まとめます。生地が硬すぎる場合だけ、残りの牛乳30mlを小さじ2ずつ足します。終点は、直径2cmの棒に伸ばしても大きく割れず、端に細かいひびが出る程度です。べたつくからと粉を大量に足すと、焼き上がりが重くなります。

手順5: 休ませて輪にする
STEP 55 / 7

休ませて輪にする

生地をひとまとめにし、濡らして固く絞った布をかけて室温で10分休ませます。その後、12等分して1個約80gにし、長さ18cm、太さ2cmほどの棒に伸ばします。端を重ねて直径8cm前後の輪にし、つなぎ目を指で押さえます。成形は8〜10分で終え、残りの生地には布をかけたままにします。表面が乾くと焼成中に割れが大きくなります。

手順6: 表面を整えて予熱する
STEP 66 / 7

表面を整えて予熱する

オーブンを190度Cに予熱します。クッキングシートを敷いた天板に、輪を3cm以上あけて並べます。表面用の牛乳大さじ1を刷毛または指で薄く塗り、乾いたひびだけを軽くなでます。この工程は5分ほどで済ませます。塗りすぎると表面がべたつき、焼き色より先に水分が残ります。

手順7: 190度Cで焼く
STEP 77 / 7

190度Cで焼く

190度Cに予熱したオーブンの中段で22〜25分焼きます。最初の15分は扉を開けません。表面がふくらみ、ところどころ薄い黄金色になり、底が乾いて持ち上げても形が崩れなければ焼き上がりです。色を濃くしたい場合も、焼きすぎると中心が硬くなるので、最後の2分だけ上段へ移す程度にします。小型オーブンで底が焦げる場合は180度Cに下げ、25〜28分焼きます。

焼き上がったら、網の上で5分休ませます。熱いうちに割ると、中心に少し蒸気があり、チーズとでんぷんがしっとりしています。完全に冷めると締まるので、食べる分は温かいうちに出してください。保存する分は、粗熱が取れてから包みます。

輪にした時点で深い割れが入るなら、生地が乾いています。牛乳を小さじ2だけ手につけ、生地の表面をなでてから2分休ませます。ボウルへ戻して水分を足しすぎると、全体がだれて輪の形が保てなくなります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

チパ・アルミドンに使うタピオカ粉、チーズ、卵、牛乳、バター、アニス、塩
材料は少ないが、粉とチーズの選び方で仕上がりが大きく変わる

この分量で、直径8cm前後の輪形チパが12個できます。朝食や軽食なら6人分、肉料理や豆料理の横に添えるなら8人でも分けられます。現地レシピは1kgの粉で大量に作ることが多いですが、日本の家庭用オーブンでは、まずこの量が扱いやすいです。

10品目

基本のチパ・アルミドン

材料 分量 代替・備考
タピオカ粉またはキャッサバでんぷん 500g almidon de mandioca の代用。小麦粉や米粉だけに替えない
とうもろこし粉 50g 現地レシピに少量入ることがある。なければタピオカ粉を50g増やす
シュレッドモッツァレラ 220g ピザ用チーズでも可。水分が多いものは軽くほぐす
フェタチーズまたは粉チーズ 70g queso Paraguay の塩気を補う。フェタは細かく崩す
無塩バター 120g 室温でやわらかくする。有塩なら塩を小さじ1/2に減らす
3個 MからLサイズ。冷蔵庫から出して10分置く
牛乳 120ml まず90ml入れ、残りは生地の硬さで調整
アニスシード 小さじ2 粒のまま。香りが苦手なら小さじ1に減らす
小さじ1 チーズの塩分で小さじ2/3まで減らせる
表面用の牛乳 大さじ1 焼き色を少し整える。卵液ではなく牛乳で軽く仕上げる
アレルギー情報

このレシピには卵と乳製品を使います。タピオカ粉自体は小麦粉ではありませんが、製造ラインや粉チーズの表示は商品ごとに異なります。卵、乳、小麦などに制限がある方は、必ずパッケージのアレルゲン表示を確認してください。

6品目

現地材料と日本での代替

現地の材料 日本での候補 判断
Almidon de mandioca タピオカ粉、キャッサバでんぷん もっとも重要。小麦粉への置き換えは別料理になる
Harina de maiz 細かいとうもろこし粉、コーンフラワー 少量なら香りと歯切れが出る。粗いコーングリッツは避ける
Queso Paraguay モッツァレラ + フェタ、またはモッツァレラ + 粉チーズ 伸びと塩気を分けて補う
Grasa または manteca バター、ラード バターは家庭向き。ラードは現地の脂感に近い
Leche または cuajada 牛乳、プレーンヨーグルト少量 初回は牛乳が安定。ヨーグルトを使うなら20mlだけ
Anis en grano アニスシード 省くと香りは弱くなる。フェンネルシードは別の甘さが出る

日本の買い物で一番大切なのは、タピオカ粉とチーズです。タピオカ粉は「タピオカスターチ」「キャッサバスターチ」と書かれた白い粉を選びます。ドリンク用のタピオカパールや、粒状の戻す商品は使えません。粉が古いと吸水が鈍くなり、焼き上がりが粉っぽくなるので、袋を開けたら湿気を避けて保管します。

チーズは、モッツァレラだけだと伸びは出ても味が平らになります。フェタや粉チーズを少量足すと、チパらしい塩気が出ます。フェタは水分が多いものならキッチンペーパーで軽く押さえ、細かく崩してから混ぜます。粉チーズだけで塩気を足す場合は、牛乳を10mlだけ増やすと生地が乾きにくくなります。

買い足す価値が高いのは、粉、白い塩味チーズ、焼き直しにも使える厚手フライパンです。チパそのものはオーブンで焼きますが、翌朝の温め直しや、同じ粉でムベジュを作るときに厚いフライパンがあると失敗しにくくなります。

買い出しの最短ルート

スーパーで卵、牛乳、バター、モッツァレラを買い、タピオカ粉とアニスシードだけ輸入食材店や通販で探します。フェタが見つからなければ粉チーズ70gで塩気を補い、塩は小さじ2/3に減らします。


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買い出しガイド
掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。
📊 栄養情報(1人分)
55
kcal
1.8g
タンパク質
2.8g
脂質
5.7g
炭水化物
0.2g
食物繊維
108mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
6人分

材料:タピオカ粉と白いチーズで作る家庭版

チパ・アルミドンに使うタピオカ粉、チーズ、卵、牛乳、バター、アニス、塩
材料は少ないが、粉とチーズの選び方で仕上がりが大きく変わる

この分量で、直径8cm前後の輪形チパが12 個できます。朝食や軽食なら6人分、肉料理や豆料理の横に添えるなら8人でも分けられます。現地レシピは1kgの粉で大量に作ることが多いですが、日本の家庭用オーブンでは、まずこの量が扱いやすいです。

基本のチパ・アルミドン

材料 分量 代替・備考
タピオカ粉またはキャッサバでんぷん 500 g almidon de mandioca の代用。小麦粉や米粉だけに替えない
とうもろこし粉 50 g 現地レシピに少量入ることがある。なければタピオカ粉を50 g増やす
シュレッドモッツァレラ 220 g ピザ用チーズでも可。水分が多いものは軽くほぐす
フェタチーズまたは粉チーズ 70 g queso Paraguay の塩気を補う。フェタは細かく崩す
無塩バター 120 g 室温でやわらかくする。有塩なら塩を小さじ1/2に減らす
3 個 MからLサイズ。冷蔵庫から出して10分置く
牛乳 120 ml まず90 ml入れ、残りは生地の硬さで調整
アニスシード 小さじ2 粒のまま。香りが苦手なら小さじ1に減らす
小さじ1 チーズの塩分で小さじ2/3まで減らせる
表面用の牛乳 大さじ1 焼き色を少し整える。卵液ではなく牛乳で軽く仕上げる
アレルギー情報

このレシピには卵と乳製品を使います。タピオカ粉自体は小麦粉ではありませんが、製造ラインや粉チーズの表示は商品ごとに異なります。卵、乳、小麦などに制限がある方は、必ずパッケージのアレルゲン表示を確認してください。

現地材料と日本での代替

現地の材料 日本での候補 判断
Almidon de mandioca タピオカ粉、キャッサバでんぷん もっとも重要。小麦粉への置き換えは別料理になる
Harina de maiz 細かいとうもろこし粉、コーンフラワー 少量なら香りと歯切れが出る。粗いコーングリッツは避ける
Queso Paraguay モッツァレラ + フェタ、またはモッツァレラ + 粉チーズ 伸びと塩気を分けて補う
Grasa または manteca バター、ラード バターは家庭向き。ラードは現地の脂感に近い
Leche または cuajada 牛乳、プレーンヨーグルト少量 初回は牛乳が安定。ヨーグルトを使うなら20 mlだけ
Anis en grano アニスシード 省くと香りは弱くなる。フェンネルシードは別の甘さが出る

日本の買い物で一番大切なのは、タピオカ粉とチーズです。タピオカ粉は「タピオカスターチ」「キャッサバスターチ」と書かれた白い粉を選びます。ドリンク用のタピオカパールや、粒状の戻す商品は使えません。粉が古いと吸水が鈍くなり、焼き上がりが粉っぽくなるので、袋を開けたら湿気を避けて保管します。

チーズは、モッツァレラだけだと伸びは出ても味が平らになります。フェタや粉チーズを少量足すと、チパらしい塩気が出ます。フェタは水分が多いものならキッチンペーパーで軽く押さえ、細かく崩してから混ぜます。粉チーズだけで塩気を足す場合は、牛乳を10 mlだけ増やすと生地が乾きにくくなります。

買い足す価値が高いのは、粉、白い塩味チーズ、焼き直しにも使える厚手フライパンです。チパそのものはオーブンで焼きますが、翌朝の温め直しや、同じ粉でムベジュを作るときに厚いフライパンがあると失敗しにくくなります。

買い出しの最短ルート

スーパーで卵、牛乳、バター、モッツァレラを買い、タピオカ粉とアニスシードだけ輸入食材店や通販で探します。フェタが見つからなければ粉チーズ70 gで塩気を補い、塩は小さじ2/3に減らします。


輪の形に焼けると、台所がマテ茶の時間になる

朝の台所でタピオカ粉をボウルに入れると、最初はさらさらした白い粉にしか見えません。そこへバターを指でつぶし、チーズを混ぜ、卵と牛乳を少しずつ入れると、粉が急に手の中でまとまります。小麦のパンのように伸びる生地ではなく、押すと割れ、握ると戻る。ここから輪に成形して焼くのが、パラグアイのチパ・アルミドン(chipa almidon)です。

チパ・アルミドンをマテ茶、コーヒー、果物と並べたパラグアイ風の軽食
焼きたてのチパ・アルミドンは、マテ茶やコーヒーの横に置くと軽食らしさが出る

日本では「チーズパン」と呼ぶとブラジルのポンデケージョを思い浮かべやすいですが、チパは少し違います。ポンデケージョは熱い液体ででんぷんを糊化させ、丸くふくらませる軽食。チパ・アルミドンは、キャッサバでんぷん、チーズ、卵、脂をこね、輪や棒にして焼く、もう少し素朴で噛みごたえのあるパンです。

現地の材料名で大事なのは、almidon de mandioca と queso Paraguay です。日本の台所では、almidon de mandioca はタピオカ粉またはキャッサバでんぷんで置き換えられます。queso Paraguay は日常的に入手しにくいので、伸びるモッツァレラと塩気のあるフェタまたは粉チーズを組み合わせます。完全な再現より、粉の種類、チーズの塩気、焼きすぎない火入れを守る方が、食卓で「これはチパだ」と感じやすくなります。

この記事では、家庭の電気オーブンで焼ける分量に落とし込みます。現地のタタクアのような高温の土窯ではなく、190度Cでじっくり焼き、外側は薄く香ばしく、内側はチーズとでんぷんがしっとり残る仕上がりを狙います。手順は細かく書きますが、難しい道具は必要ありません。守るのは、粉を小麦粉に替えないこと、チーズの塩気を弱くしすぎないこと、生地を乾かさないこと。この三つです。

読み方と名前

スペイン語圏では chipa almidon、または chipa de almidon と書かれます。チパは地域によって「チパ」「チパー」「チパ」と表記が揺れます。本記事では日本語で読みやすい「チパ・アルミドン」に統一します。


パラグアイの粉ものの中でのチパ

キャッサバでんぷん、とうもろこし粉、白いチーズ、アニスを並べたパラグアイの粉もの比較
チパ・アルミドンはキャッサバでんぷんが主役。とうもろこし粉主体のチパグアスやソパ・パラグアージャとは骨格が違う

パラグアイ料理には、キャッサバととうもろこしが何度も出てきます。ムベジュはキャッサバでんぷんをフライパンで焼く薄焼き。チパグアスは粒とうもろこしを卵やチーズと合わせて耐熱皿で焼く料理。ソパ・パラグアージャは、とうもろこし粉を使う塩味のケーキのような主食です。チパ・アルミドンは、その中でキャッサバでんぷんをこねてオーブンで焼くパンの位置にあります。

パラグアイの国立栄養機関INANは、チパをパラグアイの伝統的な食べ物として紹介し、伝統的な土台をキャッサバでんぷんとチーズに置いています。朝食、マテ・コシード、テレレの前の軽食、復活祭の家族行事など、食べる場面が広い料理です。とくに聖週間には家族でチパを作る「chipa apo」の話が出てきます。台所で大量に仕込み、数日分を焼く料理としての顔もあります。

一方で、チパは一つの形だけではありません。輪形、棒状、三つ編み、細長いもの、とうもろこしを使うもの、肉を入れるものまであります。家庭や町によって形が違うので、日本で作るときも「輪でなければ失敗」と考える必要はありません。ただ、輪形は中心まで火が入りやすく、家庭のオーブンで生焼けを避けやすいので、初回には向いています。

似ている料理との違い

料理 主材料 調理法 食感の目安
チパ・アルミドン キャッサバでんぷん、チーズ、卵、脂 こねて輪や棒にし、オーブンで焼く 外は薄く香ばしく、中はしっとり重め
ムベジュ キャッサバでんぷん、チーズ、脂、牛乳 湿った粉をフライパンで焼く ほろっと崩れ、噛むともちっと戻る
チパグアス とうもろこし、卵、チーズ 耐熱皿で焼く とうもろこしの甘さと卵のしっとり感
ポンデケージョ タピオカ粉、チーズ、卵、熱い液体 丸めて高温で焼く 中が空洞気味で軽く伸びる

この違いを知っておくと、材料を買うときに迷いません。チパ・アルミドンの中心は、とうもろこし粉ではなくキャッサバでんぷんです。小麦粉で作るとパンとしては焼けますが、チパ特有の歯切れと戻りが出ません。片栗粉でも形は作れますが、冷めたときの硬さが出やすく、焼きたての香りも変わります。初回は、タピオカ粉を用意してください。


失敗原因:割れる、広がる、中心が重いを分ける

割れ方、焼き色、ふくらみの違うチパ・アルミドンを並べた比較
割れ、広がり、中心の重さを分けて見ると、次回の直し方が決めやすい

チパ・アルミドンの失敗は、見た目が似ていても原因が違います。割れたから牛乳を増やす、色が薄いから長く焼く、という直し方だけだと、次回は別の失敗が出ます。粉の水分、チーズの塩気、オーブンの熱、成形の太さを分けて見ます。

状態 主な原因 直し方
表面が大きく割れる 生地が乾いた、成形に時間がかかった 牛乳小さじ2で表面をなで、残りの生地には布をかける
輪が横に広がる 牛乳過多、チーズの水分が多い タピオカ粉大さじ1を足し、5分休ませる
中心が重くねっとりする 太すぎる、焼成温度が低い 太さ2cm、190度Cで22〜25分を守る
底だけ濃く焦げる 天板が薄い、下火が強い 天板を二重にするか、180度Cで少し長く焼く
味がぼやける チーズの塩気不足、塩を減らしすぎた フェタまたは粉チーズを増やし、塩は小さじ2/3以上にする
冷めると硬い 焼きすぎ、粉を足しすぎた 焼き色を追いすぎず、粉の追加は大さじ1単位にする

割れは完全な悪ではありません。チパは表面が少し割れて、そこからチーズの香りが出るくらいがおいしいです。問題は、深く裂けて中心が乾く割れです。これを避けるには、生地を乾かさないこと、輪の太さをそろえること、牛乳を足す判断を小さじ単位にすることが大切です。

中心が重いときは、粉より形を疑います。太い輪にすると見た目は立派ですが、家庭のオーブンでは中心まで火が入りにくくなります。直径8cm、太さ2cm前後の輪にすると、外が硬くなる前に中心が温まります。大きく作りたい場合は、温度を180度Cへ下げて28分ほど焼くより、同じ生地量で輪を細くする方が安定します。

チーズの選び方も仕上がりを左右します。ピザ用チーズだけで作ると、油分が出るのに塩気が弱く、香りがぼやけることがあります。フェタを入れると塩気が出ますが、水分が多い製品では生地がゆるみます。粉チーズは扱いやすい反面、入れすぎると塩辛くなり、焼き色も早くつきます。初回はモッツァレラ220gとフェタまたは粉チーズ70gで作り、次回から家のチーズに合わせて調整してください。


食べ方と保存:マテ茶の横、冷凍は焼く前

成形したチパ・アルミドンを冷凍用に並べ、保存袋を用意した状態
冷凍するなら焼く前の輪を天板で固め、保存袋へ移すと形が崩れにくい

焼きたてのチパ・アルミドンは、何も塗らずにそのまま食べるのが一番です。チーズの塩気とアニスの香りがあるので、バターやジャムを足さなくても成立します。朝ならコーヒーやマテ・コシード、午後ならテレレや無糖の紅茶と合わせると重さが抜けます。日本の食卓なら、濃いめのほうじ茶や深煎りコーヒーでも合います。

南米料理の日に出すなら、チパは入口か横のパンです。焼いた肉のシュラスコ、酸味のあるヴィナグレッチ、黒豆のフェイジョアーダと並べると、粉ものの役割が分かりやすくなります。同じパラグアイでまとめるなら、チパ・アルミドン、ムベジュチパグアスを少量ずつ作ると、キャッサバととうもろこしの違いが見えます。

保存と温め直し

保存方法 目安 温め方
常温 当日中 乾燥しないよう布で包み、食べる前に軽く温める
冷蔵 2日 霧吹きで水を少量かけ、トースター160度Cで5〜6分
冷凍した焼成済み 2週間 凍ったまま180度Cのオーブンで10〜12分
冷凍した未焼成生地 3週間 凍ったまま180度Cで28〜32分

おすすめは、焼く前の冷凍です。輪にした生地を天板に並べ、1時間ほど冷凍して固めます。その後、保存袋へ移せば形がつぶれにくくなります。焼くときは解凍せず、180度Cに予熱したオーブンで28〜32分。冷凍生地は中心が温まりにくいので、成形は太くしすぎない方が安全です。

焼いた後に冷めたチパは、電子レンジだけで温めると中心が重くなりやすいです。レンジを使うなら600Wで20秒だけ温め、その後トースター160度Cで3〜4分焼き戻します。表面を乾かしすぎないよう、霧吹きでごく少量の水をかけると戻りやすくなります。

余ったチパは、翌朝に割って卵やトマトを添えてもよいですが、中に具を詰めるより横に添える方が食感が保てます。チパ自体が卵と乳製品を含むので、主菜には酸味のあるサラダ、焼いた肉、豆の煮込みを合わせると重くなりません。


よくある質問

タピオカ粉ではなく片栗粉で作れますか?

形だけなら作れますが、チパらしさは弱くなります。片栗粉はじゃがいもでんぷんの粘りが強く、冷めたときに硬さが出やすいです。初回はタピオカ粉またはキャッサバでんぷんを使ってください。どうしても混ぜるなら、タピオカ粉400g、片栗粉100gまでに留めます。

アニスシードは省けますか?

省けます。ただし、チパらしい香りはかなり静かになります。アニスの甘い香りが苦手なら小さじ1に減らしてください。フェンネルシードは似た方向の香りですが、少し青く、別の料理に寄ります。初回はアニス小さじ1から試すのが無難です。

チーズはピザ用チーズだけでよいですか?

焼けますが、味がぼやけやすいです。ピザ用チーズだけで作る場合は、粉チーズ大さじ3を足し、塩は小さじ2/3以上にします。水分の多いチーズを使うと生地がだれるので、牛乳は90mlから始めてください。

ベーキングパウダーは必要ですか?

現地レシピには入るものと入らないものがあります。この家庭版では、卵、脂、でんぷんの構造で焼き上げるため入れていません。ふくらみを少し補いたい場合は小さじ1だけ入れてもよいですが、入れすぎると表面が割れやすく、粉っぽい香りが出ます。

オーブンがない場合は作れますか?

チパ・アルミドンとしてはオーブン焼きが基本です。フライパンで焼くなら、同じ生地よりもムベジュの配合に寄せた方がうまくいきます。どうしても焼く場合は、輪ではなく厚さ1cmの小判形にし、ふたをして弱火で片面6〜7分、返して5分焼きます。ただし食感は別物になります。


参考文献

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行チパ・アルミドンの作り方|パラグアイのチーズパン
URL
https://sekaigohan.com/recipes/south-america/paraguay/chipa-almidon
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月18日
主な参考リンク
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