紫、白、黄色の三層に分かれたフィリピンのもち菓子サピンサピン
🔪下準備35分
🔥調理1時間5分
🍽️分量8
🌍料理フィリピン料理

サピンサピンの作り方|フィリピンの虹色もち菓子

約31分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 9

ラティックを作る

所要時間25分

手順1: ラティックを作る

小鍋にココナッツクリーム200mlを入れ、中火で3分ほど温めます。ふつふつしてきたら弱火に落とし、木べらで鍋底をなぞりながら18から22分煮ます。白い液体が油と固形分に分かれ、固形分が薄いきつね色になったら火を止めます。余熱で色が進むので、濃い茶色になる前に取り出します。ざるかペーパーで油を切り、油も型に塗る分として取っておきます。

STEP 22 / 9

もち米粉の生地を混ぜる

所要時間8分

手順2: もち米粉の生地を混ぜる

大きなボウルにもち米粉300g、きび砂糖80g、塩1.5gを入れ、泡立て器で粉の粒をほぐします。ココナッツミルク400mlを3回に分けて加え、そのつど1分ほど混ぜます。この工程は火を使いません。粉気が消え、泡立て器を持ち上げると太いリボン状に落ちる濃度が目安です。白玉粉を使う場合は、粒が残らないよう指でつぶしてから混ぜます。

STEP 33 / 9

甘みを加えて生地をこす

所要時間7分

手順3: 甘みを加えて生地をこす

コンデンスミルク100gと水100mlを加え、火を使わずにさらに2分混ぜます。砂糖のざらつきが消えたら、細かいざるで生地をこします。ざるに残った小さな粉の塊は無理に押し込まず、スプーンでつぶしてから戻します。生地の粘度は飲むヨーグルトより少し重く、泡立て器の筋が2秒ほど残ってから消える状態が目安です。表面がなめらかで小さな粉の粒が見えなければ次へ進みます。

STEP 44 / 9

三色に分ける

所要時間10分

手順4: 三色に分ける

生地を計量カップで3等分し、各約260mlにします。1つ目にウベハラヤ80gとウベエキス小さじ1を入れて紫層にします。2つ目にココナッツフレーク30gを入れて白層にします。3つ目に5mm角に刻んだジャックフルーツ70gとターメリック0.4gを入れて黄色層にします。この工程も火を使いません。具材が大きいと層の境目が割れるので、ジャックフルーツは細かく刻みます。

STEP 55 / 9

型と蒸し器を準備する

所要時間8分

手順5: 型と蒸し器を準備する

20cm丸型にラティックから出た油、または米油小さじ2を塗ります。バナナの葉は熱湯をかけるか弱火の湯気に10秒当て、しなったら型に敷きます。蒸し器の湯を強火で沸かし、湯気がしっかり立ったら中強火に落とします。湯量は鍋底から3cm以上を保ちます。型を入れた時に湯が直接触れない高さにしてください。

STEP 66 / 9

黄色の層を蒸す

所要時間13分

手順6: 黄色の層を蒸す

黄色の生地を型に流し入れ、表面の大きな泡を竹串でつぶします。層の厚さは約1.2cm、表面は平らでなめらかな状態にします。中強火で10分蒸し、表面が流れず、型を軽く揺らした時に中心が大きく波打たなければ次へ進みます。まだ液体が動く場合は同じ火加減で2から3分追加します。強火のまま蒸し続けると鍋の水滴が落ち、表面に穴が残ります。

STEP 77 / 9

白い層を重ねる

所要時間13分

手順7: 白い層を重ねる

白い生地をスプーンの背に当てながら静かに注ぎます。直接落とすと黄色層に穴が開きます。中強火で10分蒸し、表面が白く不透明になり、竹串を浅く刺して液がつかなければ火が通っています。水滴が落ちやすいふたなら、ふたに布巾を巻きます。布巾が火に触れないよう、端は上で結びます。

STEP 88 / 9

紫の層を蒸して仕上げる

所要時間18分

手順8: 紫の層を蒸して仕上げる

紫の生地を同じように静かに注ぎます。紫層も厚さ約1.2cmに広げ、表面をへらで軽くならしてから蒸します。中強火で12分蒸し、中心に竹串を刺して生の液体がつかなければ蒸し上がりです。串に透明なもち生地が少しつく程度なら、火を止めずに3分追加します。表面が乾いて割れそうな時は火が強すぎます。湯気が途切れない範囲で中火寄りに落としてください。

STEP 99 / 9

冷まして切り分ける

所要時間1時間30分

手順9: 冷まして切り分ける

火を止め、型ごと取り出して網の上で30分冷まします。熱いうちに覆うと湯気が戻って表面が水っぽくなるので、粗熱が取れてからラップをふんわりかけ、冷蔵庫で1時間冷やします。型の縁に濡らしたナイフを入れ、皿に返して取り出します。包丁を水で濡らしながら8等分に切り、ラティックを散らします。冷えすぎて硬い時は、食べる20分前に室温へ出します。

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Ingredients

材料を分けて見る

14品目

材料

もち米粉、ココナッツミルク、ウベ、ジャックフルーツ、砂糖、バナナの葉を並べたサピンサピンの材料
サピンサピンはもち米粉、ココナッツミルク、ウベ、ランカ、砂糖を先に計量してから蒸し始める

20cm丸型1台、8切れ分です。高さが出るので、型は深さ5cm以上のものを使います。浅い型しかない場合は、直径22cmの型にして層を薄くしてください。

材料 分量 役割と代替
もち米粉 300g 白玉粉なら細かく砕いてから使う。上新粉では粘りが足りない
ココナッツミルク 400ml 生地用。缶をよく振ってから使う
コンデンスミルク 100g 甘みと乳の丸さ。甘さを下げたい時も60gは残す
きび砂糖 80g 白砂糖でも可。黒糖は色が濁るため避ける
水 100ml 生地の濃度調整用
塩 1.5g 甘さを締める
ウベハラヤ 80g 紫層。紫芋ペースト70gでも可
ウベエキス、または紫芋パウダー 小さじ1 色の補助。なくても作れる
ジャックフルーツ缶 70g 黄色層。5mm角に刻む
ターメリック 0.4g 黄色の補助。入れすぎると香りが出る
ココナッツフレーク 30g 白層。マカプノがあれば同量で置き換える
ココナッツクリーム 200ml ラティック用。なければココナッツミルクを使う
米油 小さじ2 型に塗る。ラティックから出た油があればそれを使う
バナナの葉 20cm丸型1枚分 冷凍品を解凍。なければクッキングシート
アレルギーと食品安全

このレシピは乳成分、ココナッツを使います。コンデンスミルクを植物性に替える場合は、糖度と水分が商品で変わるため、生地がゆるい時はもち米粉を大さじ1ずつ足してください。蒸し上がり後は湯気がこもったまま覆うと表面に水がたまりやすいので、完全に冷ましてから保存します。

買い出しで見る価値があるのは、もち米粉、ココナッツミルク、蒸気が安定する蒸し器です。ウベハラヤやランカ缶はアジア食材店で見つかることがありますが、純正の商品カードを用意できないものは無理にカード化せず、本文の代替案に留めます。

もち米粉は食感の土台です。普通の米粉や上新粉で作ると層はできますが、サピンサピンのもちっとした噛み切り感には届きません。

ココナッツミルクは生地の香りと油分を作ります。牛乳で置き換えるともち米粉だけが前に出て、フィリピンのカカニンらしい丸い香りが薄くなります。

蒸し器は、層の境目をきれいにするための道具です。電子レンジでは端と中心の火通りがずれやすく、この記事ではすすめません。

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材料表の分量8人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
39kcal
エネルギー
0.5g
タンパク質
1.5g
脂質
6.0g
炭水化物
0.1g
食物繊維
11mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

蒸し器の湯気から色が立つ、祝いの日のもち菓子

皿に盛ったサピンサピン。紫、白、黄色の層にラティックを散らしている
サピンサピンは冷ましてから切ると、三層の境目がはっきり出る

蒸し器のふたを開けると、先にココナッツミルクの甘い香りが出てきます。丸型の中には黄色、白、紫の層。熱いうちはまだ頼りなく揺れますが、冷めるにつれてもち米粉が締まり、包丁を入れると色の境目がすっと現れます。

サピンサピン(Sapin-Sapin)は、フィリピンのもち米菓子、カカニン(kakanin)の一つです。タガログ語のsapinは層や敷物を指し、重ねた名前のSapin-Sapinは「層に層を重ねたもの」という感覚で覚えると分かりやすいです。もち米粉、ココナッツミルク、砂糖を混ぜた生地を三つに分け、ウベ、ランカ、ココナッツの色と香りを順番に蒸し固めます。

日本の台所で作る時に難しいのは、色を派手にすることではありません。前の層がまだ流れるうちに次を注ぐと境目が濁り、逆に蒸しすぎると層同士が離れます。この記事では20cm丸型1台分で、各層の火加減と固まり具合を見ながら進める家庭版にします。

呼び名について

Sapin-Sapinは英語圏ではFilipino layered sticky rice cakeと説明されることがあります。本記事では日本語の読みを「サピンサピン」、現地語表記をSapin-Sapinとします。ウベは紫芋、ランカはジャックフルーツ、ラティックはココナッツミルクを煮詰めた茶色い粒です。

フィリピンの食卓でサピンサピンが持つ場所

フィリピンの祝いの食卓にサピンサピンや菓子が並んでいる
サピンサピンは色の明るさと切り分けやすさから、祝いの席や持ち寄りに向く

サピンサピンは、材料表だけを見ると「もち米粉を甘く蒸した菓子」です。けれど、フィリピンの食卓ではもう少し生活に近い位置にあります。カカニンは、米を使った菓子や軽食の大きな仲間で、スマン、プト、クチンタ、ビコのように、朝食、間食、祝祭、墓参り、教会行事の後の一皿まで幅広く登場します。サピンサピンはその中でも、色があるぶん人の集まる場に向きます。

三層の色には地域や店ごとの違いがあります。紫はウベ、黄色はランカ、白はココナッツという構成が分かりやすい一方で、緑のパンダン、マカプノの白、チョコレート色を入れる店もあります。現地の家庭では抽出香料を使うこともありますが、味の輪郭を残すなら、紫層にウベハラヤ、黄色層に刻んだジャックフルーツ、白層にココナッツを入れると、ただの色分けで終わりません。

日本で再現する時は、フィリピンそのままの材料を全部そろえる必要はありません。守りたいのは、もち米粉とココナッツミルクの粘り、層を一つずつ蒸す手順、ラティックの香ばしさです。ウベハラヤがなければ紫芋ペースト、ランカ缶がなければマンゴーではなく黄桃少量かかぼちゃペーストの方が生地を崩しにくいです。マカプノがない日は、白層は無理に具を入れず、ココナッツだけの層としてきれいに残します。

東南アジアには、インドネシアやマレーシアのクエ・ラピス、タイのカノムチャン、ベトナムのバインダーロンのような層状の蒸し菓子があります。サピンサピンはその仲間でありながら、ウベとラティックの組み合わせでフィリピンらしい香りを持ちます。日本のういろうに近い見た目でも、食べるとココナッツの脂肪分ともち米粉のねっとり感が前に出るので、和菓子とは別の方向に甘さが広がります。

失敗しやすいところと戻し方

サピンサピンの断面。紫、白、黄色の層がはっきり分かれている
層の境目がにじむ時は、前の層の蒸し不足か次の生地の注ぎ方を見直す

サピンサピンの失敗は、見た目に出やすいです。層がにじむ場合は、前の層がまだ流れる状態で次を注いでいます。次回は表面がマットになり、型を揺らしても大きく波打たないところまで蒸します。今回にじんだものは味には問題ないので、よく冷やしてから切ると崩れにくくなります。

中心が生っぽい場合は、火加減より厚みを疑います。竹串に白い液体がつくなら、型ごと蒸し器に戻し、中火で5分ずつ追加します。表面が乾いているのに中心が生なら、型が深すぎるか生地が重すぎます。次回は同じ分量で22cm型を使うか、水を大さじ1追加します。

状態 原因 直し方
層が混ざる 下の層の蒸し不足、注ぎ方が強い 10分で決めず、流れない状態まで追加で蒸す。次の層はスプーンの背に沿わせる
表面に穴が多い ふたの水滴、火が強すぎる 布巾を巻いたふたを使う。強火から中強火へ落とす
中心が粉っぽい 粉のだま、生地が重い 生地をこす。白玉粉は粒をつぶしてから使う
切ると崩れる 冷まし不足 冷蔵庫で1時間以上冷やし、包丁を濡らして切る
ラティックが苦い 色づいてから加熱しすぎ 薄いきつね色で取り出し、余熱を計算する

地域差と日本での代替食材

色の違うサピンサピンのバリエーションを並べている
サピンサピンはウベ、ランカ、ココナッツを基本に、地域や店で色と香りが変わる

サピンサピンの色は、必ず三色だけと決まっているわけではありません。マニラのベーカリーでは紫、白、黄色が分かりやすい定番ですが、ビサヤや家庭版ではパンダンの緑、マカプノの白、チョコレート色、ピンク色の層を入れることがあります。色が増えるほど蒸す回数も増えるため、初回は三層で十分です。

ウベはフィリピンの紫芋で、紅芋や日本の紫芋とは香りが少し違います。ウベハラヤが手に入れば最も作りやすく、紫芋ペーストを使う場合は水分が多い商品を避けます。紫芋パウダーを使う時は、粉だけを直接入れるとだまになるため、生地大さじ2で溶いてから戻します。着色だけならビーツパウダーでもできますが、味はサピンサピンから離れます。

ランカはジャックフルーツです。缶詰のシロップ漬けは甘く香りが強いので、刻んで水気を拭いてから混ぜます。マンゴーは香りは近そうに見えますが、加熱で水が出やすく層がゆるくなります。黄色を守るだけなら、かぼちゃペースト30gとターメリック少量の方が安定します。

マカプノはココナッツの変異果肉で、瓶詰めの細い果肉として売られることがあります。見つからない場合は無理に探さず、ココナッツフレークを湯で戻して白層に入れます。白層だけ具なしにしても、ココナッツミルクの香りがあれば十分に成立します。

ウベを使った紫色の生地と紫芋を並べている
ウベハラヤがない場合は紫芋ペーストで代用できるが、水分量を見て生地を調整する

切り分け、保存、食卓での合わせ方

サピンサピンを包丁で切り分けている
包丁を水で濡らしながら切ると、もち生地が刃に張り付きにくい

サピンサピンは、蒸したてよりも冷ましてから切る菓子です。熱いうちは層の間が柔らかく、包丁を入れると紫が白に引きずられます。冷蔵庫で1時間冷やし、切る20分前に出すと、断面が出やすく、食べた時に硬すぎません。

保存は冷蔵で3日が目安です。1切れずつラップで包み、保存容器に入れます。冷凍は2週間までできますが、解凍後は表面が少し乾きます。食べる時は冷蔵品なら600Wの電子レンジで10秒、冷凍品は冷蔵庫で一晩戻してから600Wで15秒温めます。温めすぎると層が緩むので、ほんのり柔らかくする程度で止めます。

食卓では、濃いコーヒー、無糖の紅茶、ホットチョコレートが合います。フィリピン料理の献立に入れるなら、甘酸っぱいシニガンや、しょうゆと酢の香りが残るアドボの後に出すと重く感じにくいです。同じカカニン系で読み比べるなら、黒糖の香りが強いクチンタや、蒸しパン寄りのプトも近い入口になります。

バナナの葉に包んだサピンサピン
バナナの葉は保存容器ではなく香りづけの役割。保存時はラップと容器を使う

よくある質問

紫、白、黄色のサピンサピン生地を三つのボウルに分けている
よくある失敗は、粉の種類、色づけ、蒸し器、保存のどこで起きたかを分けて考える

もち米粉ではなく上新粉で作れますか

おすすめしません。上新粉だけでも固まりますが、サピンサピンのねっとりした粘りが出ません。上新粉を使う場合は全量ではなく、もち米粉260g、上新粉40gまでに留めると食感が崩れにくいです。

ウベハラヤがない場合はどうしますか

紫芋ペースト70gで代用できます。水分が多いペーストなら、紫層だけもち米粉を大さじ1足してください。紫芋パウダーなら10gを生地大さじ2で溶いてから加えます。

色をもっと薄くしてもいいですか

問題ありません。色よりも層が分かれていることが大切です。抽出香料を使わない場合、紫や黄色は淡くなりますが、ウベ、ジャックフルーツ、ココナッツの味が分かれていれば家庭版として十分です。

蒸し器がない場合は作れますか

大きな鍋に蒸し台を入れれば作れます。型の底が湯に触れない高さを確保し、ふたをして中強火で蒸します。電子レンジは中心と端の火通りがずれやすく、層がにじみやすいため、このレシピでは使いません。

ヴィーガン対応にできますか

コンデンスミルクを植物性のココナッツコンデンスミルクに替えれば可能です。商品によって甘さと水分が違うので、生地がゆるい時はもち米粉を大さじ1ずつ足します。ラティックはココナッツクリームだけで作れます。

作り置きできますか

前日に作るのが向いています。完全に冷ましてからラップで包み、冷蔵で保存します。当日は切る20分前に室温へ出し、ラティックを後から散らすと香りが残ります。

主な参考リンク

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