インジェラの上に盛ったエチオピアのシロワット。ひよこ豆粉とベルベレで作る豆シチュー
🔪下準備15分
🔥調理30分
🍽️分量4
🌍料理エチオピア料理

シロワットの作り方|エチオピア豆シチュー

約26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

玉ねぎを甘く炒める

手順1: 玉ねぎを甘く炒める

玉ねぎ2個は5mm以下のみじん切りにします。厚手鍋に米油大さじ4を入れて弱めの中火で温め、玉ねぎと塩小さじ1/4を加えます。8〜10分炒め、全体が透き通り、鍋底に薄いきつね色の膜が出始めたら次へ進みます。焦げそうなときは水大さじ1を加え、茶色い膜を木べらでこそげて戻します。

STEP 22 / 5

ベルベレを油で起こす

手順2: ベルベレを油で起こす

にんにく3片としょうが15gを加え、弱火で1分炒めます。香りが立ったらトマトペースト大さじ2、ベルベレ大さじ1.5、パプリカ小さじ1を加え、弱火のまま3分炒めます。赤い油がにじみ、トマトの酸っぱい香りが丸くなったら十分です。粉スパイスは焦げると苦いので、煙が出る前に水大さじ2を足して温度を下げます。

STEP 33 / 5

ひよこ豆粉を水で溶く

手順3: ひよこ豆粉を水で溶く

ボウルにひよこ豆粉120gを入れ、水300mlを少しずつ加えながら泡立て器で3分混ぜます。最初に水を一気に入れると底に粉の塊が残るので、100mlずつ加えます。表面に細かい泡が出て、粒の残らないポタージュ状になれば鍋へ入れられます。ここでざるを通すと、さらに滑らかです。

STEP 44 / 5

赤いベースへ細く注ぐ

手順4: 赤いベースへ細く注ぐ

鍋に水500mlを加え、中火で2〜3分温めてふつふつした状態にします。火を弱火に落とし、溶いたひよこ豆粉を細く注ぎながら、木べらで鍋底を大きく混ぜ続けます。5分ほどで白っぽさが消え、全体が均一なオレンジ色になります。鍋底に重さを感じたら、底から返すように混ぜて焦げ付きを防ぎます。

STEP 55 / 5

とろみが出るまで煮る

手順5: とろみが出るまで煮る

弱火で12〜15分、鍋底をこすりながら煮ます。表面がふつふつ小さく泡立ち、木べらで引いた跡が1秒ほど残る濃度が目安です。塩小さじ3/4を加えて味見し、足りなければ小さじ1/4ずつ足します。火を止めてレモン汁小さじ1を混ぜ、青唐辛子を添える場合は最後にのせます。濃くなりすぎたら熱湯50mlを足し、弱火で1分戻します。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

シロワットの材料は少なく見えますが、買い出しで迷いやすいのは豆粉とベルベレです。ひよこ豆粉はインド料理のベサン粉で代用できます。ベルベレは辛さが製品によって大きく違うので、初回は大さじ1.5から始め、仕上げで足す方が失敗しにくいです。

シロワットに使うひよこ豆粉、玉ねぎ、ベルベレ、トマトペースト、インジェラ
シロワットの買い出しで大事なのは、ひよこ豆粉を細かい粉で用意することと、ベルベレの辛さを控えめに始めること
12品目

シロワット本体(4人分)

材料 分量 代替・備考
玉ねぎ 2個、約400g みじん切り。甘みととろみの土台
米油または菜種油 大さじ4 断食日仕様は植物油。香り重視ならニテルキベ大さじ2を油の一部に置き換える
にんにく 3片、約18g すりおろし、または細かいみじん切り
しょうが 15g すりおろし
トマトペースト 大さじ2、約36g カットトマト80gでも可。その場合は水を50ml減らす
ベルベレ 大さじ1.5〜2 辛い製品なら大さじ1から始める
パプリカパウダー 小さじ1 色と甘みの補助。ベルベレが十分赤ければ省略可
ひよこ豆粉、またはベサン粉 120g シロ粉があれば同量。粗い粉はふるって使う
水 800ml 300mlを粉溶き用、500mlを鍋用に分ける
塩 小さじ1 仕上げに小さじ1/4ずつ調整
レモン汁 小さじ1 最後に香りを締める。酸味が苦手なら省略
青唐辛子 1本 好みで縦半分。辛いベルベレなら不要
4品目

食べるときに添えるもの

材料 分量 代替・備考
インジェラ 4〜6枚 市販品、自家製、薄いそば粉クレープでも可
ゆでた青菜 200g 小松菜、ほうれん草、ケール。ごま油ではなく塩と油少量で軽く
レモンまたはライム 1/2個 食べる直前に少量
白ごはん 茶碗4杯 インジェラなしの日の現実的な受け皿
アレルギーと断食日仕様

ひよこ豆粉は豆類アレルギーのある人には向きません。市販のベルベレやシロ粉には小麦、ナッツ、ごま、乳成分が混じる場合があるため、表示を確認してください。エチオピア正教会の断食日風に作る場合は、ニテルキベやバターを使わず植物油だけで作ります。

準備

買う価値がある食材

シロワットは、ひよこ豆粉だけでなくベルベレの質で印象が大きく変わります。辛味だけの唐辛子粉で済ませるより、まずベルベレを用意し、足りない香りをパプリカやフェヌグリークで補うと、ほかのエチオピア料理にも回せます。


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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
78kcal
エネルギー
2.8g
タンパク質
3.3g
脂質
10.0g
炭水化物
2.0g
食物繊維
190mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

湯気の中で豆の香りがふくらむ、断食日の主役

玉ねぎをじっくり炒めた鍋に、ベルベレを落とす。赤い油がじわっと広がり、にんにくとしょうがの香りが立ったところへ、ひよこ豆粉を水で溶いた白っぽい液を細く注ぐ。最初は頼りないスープなのに、数分かき混ぜるうちに鍋底からぽってり重くなり、木べらの跡が一瞬残る。そこまで来ると、エチオピアの豆シチュー、シロワットの食べどきです。

シロワット(Shiro Wot / Shiro Wat / ሽሮ ወጥ)は、エチオピア料理とエリトリア料理で親しまれる豆粉の煮込みです。ワットは煮込み料理全般を指す言葉で、鶏肉を使うドロワットが祝いの赤い主役なら、シロワットは平日の食卓を支える濃い豆のスープ。エチオピア正教会の断食日には肉、卵、乳製品を避けるため、植物性の油で作るシロワットが食卓に上りやすくなります。

インジェラと青菜を添えたシロワットの食卓
シロワットはインジェラでぬぐって食べる。豆のとろみがスポンジ状のパンにしみ込む

現地の台所では、ローストしたひよこ豆、そら豆、えんどう豆などを挽き、スパイスを合わせたシロ粉を使います。日本ではシロ粉が手に入りにくいので、この記事ではひよこ豆粉、つまりインド食材店で見つかるベサン粉を使います。守りたいのは、豆粉のなめらかなとろみ、ベルベレの赤い香り、インジェラでぬぐえる濃度。代えてよいのは、豆粉の種類、油の種類、辛さの強さです。

インジェラを自作するならインジェラの作り方を先に読むと段取りが楽です。発酵パンまで作る余裕がない日は、酸味のあるライ麦パン、薄いクレープ、白ごはんでもかまいません。ただ、最初の一口だけは、ぜひパンで鍋肌のシロをぬぐう気持ちで食べてください。スプーンで食べるより、豆の香りが近くなります。

この記事の着地点

4人分、調理45分。ひよこ豆粉を水で先に溶き、鍋に細く注ぐ作り方です。粉を直接鍋に入れないので、初回でもダマになりにくく、インジェラにもごはんにも合うぽってり濃度に仕上げます。


食べ方、地域差、失敗しやすいところ

シロワットは、インジェラの上に広げて食べるとよく分かります。インジェラの酸味が豆の重さを切り、ベルベレの辛味をやわらげます。皿にインジェラを敷き、中央へシロワットを丸く流し、横に青菜やミスルワットのような豆料理を置くと、家庭の断食日プレートに近い食べ方になります。

インジェラ、青菜、豆料理と一緒に並べたエチオピア風の食卓
シロワットは単品より、インジェラ、青菜、豆料理と一緒に食べると味の起伏が出る

地域や家庭によって、シロワットは濃度がかなり違います。さらりとした版はシロ・フェセスと呼ばれることがあり、インジェラにしみ込ませる食べ方に向きます。小さな土鍋で煮詰め、底を少し香ばしくする濃い版はテガミノ寄りです。日本の台所では、初回は中間のぽってり濃度にしておくと、パンにもごはんにも合わせやすくなります。

迷う点 現地らしさを守る考え方 日本での落としどころ
豆粉 シロ粉は豆粉とスパイスが合わさったもの ベサン粉120gにベルベレと香味野菜を重ねる
油 断食日仕様は植物油、濃厚版はニテルキベ 初回は植物油。慣れたら仕上げにニテルキベ小さじ2
辛さ ベルベレは香りの核だが製品差が大きい 大さじ1.5から始め、食卓でミトミタや唐辛子を足す
とろみ インジェラですくえる粘度が食べやすい 冷めると固くなるので、火を止める直前は少しゆるめ
酸味 インジェラの酸味が前提になる ごはんで食べる日はレモン汁を少しだけ効かせる

ダマができた場合は、慌てて強火にしないでください。火を止め、水50〜100mlを加えて泡立て器で1分混ぜます。それでも残る大きな塊は、ざるで押して鍋に戻します。完全に同じ滑らかさには戻りませんが、食べるときに気になる粒はかなり減らせます。

薄い場合は、強火で一気に煮詰めるより弱めの中火で5分。豆粉は底で焦げやすく、焦げた苦味が鍋全体に回ります。逆に固すぎる場合は、熱湯を少しずつ加えます。冷たい水を入れると温度が下がり、粉っぽい香りが戻りやすいので、温め直しも熱湯で伸ばす方が安定します。

ベルベレの作り方を読んで自家配合にすると、辛さを落として香りだけ残せます。肉料理も並べたい日はティブスやドロワットを、辛い赤い煮込みの比較にはエリトリアのズィグニも相性がいいです。豆料理の別方向なら、インドのチャナマサラと食べ比べると、同じひよこ豆でも粉にする文化と粒で煮る文化の違いが見えてきます。


よくある質問

Q1. ひよこ豆粉がない場合は何で代用できますか?

もっとも近いのはベサン粉です。インド食材店や通販では、ひよこ豆を細かく挽いた粉として売られています。きな粉は香りが日本の甘い豆に寄りすぎるので、代用としてはおすすめしません。乾燥ひよこ豆を家庭のミルで挽く場合は粒が粗く残りやすいため、ふるいにかけ、粗い粒は別の料理へ回してください。

Q2. シロ粉とひよこ豆粉は同じですか?

同じではありません。シロ粉は、ローストした豆粉にスパイスや香味野菜の粉を混ぜた製品で、ひよこ豆、そら豆、えんどう豆など配合に幅があります。ひよこ豆粉だけで作る場合は、ベルベレ、にんにく、しょうが、トマトペーストで香りを補う必要があります。市販のシロ粉を使うなら、この記事のひよこ豆粉120gを同量に置き換え、ベルベレは半量から様子を見てください。

Q3. ダマになったシロワットは戻せますか?

軽いダマなら戻せます。火を止め、熱湯50mlを加え、泡立て器で1分ほど混ぜます。まだ大きい塊が残る場合は、ざるで押して鍋に戻してください。予防策としては、粉を必ず水で先に溶くこと、鍋へ細く注ぐこと、注いでから5分は鍋底を休ませず混ぜることです。

Q4. ベルベレが辛すぎるときはどうしますか?

次回はベルベレを大さじ1に減らし、パプリカパウダー小さじ2とフェヌグリーク少量で香りを補います。すでに辛くなった鍋は、ひよこ豆粉大さじ1を水80mlで溶いて足し、弱火で5分煮ると辛味が少し丸くなります。砂糖で甘くするより、豆粉と油で受け止める方がシロワットらしさを保てます。

Q5. インジェラなしでも食べられますか?

食べられます。白ごはん、バゲット、薄いそば粉クレープ、ライ麦パンが現実的です。ただしインジェラの酸味がないと豆の重さが前に出るので、仕上げのレモン汁を小さじ1にし、青菜やトマトのサラダを添えると食べ疲れしにくくなります。

Q6. 保存と温め直しはどうすればいいですか?

粗熱を取り、浅い保存容器に入れて冷蔵2日が目安です。温め直しは小鍋に移し、熱湯大さじ2〜4を加えて弱火で3〜5分。電子レンジなら600Wで1分ずつ温め、そのたびによく混ぜます。冷凍は2週間ほど可能ですが、解凍後は少し粉っぽくなりやすいので、熱湯と油小さじ1を足してなめらかさを戻します。

Q7. 断食料理として作る場合に避けるものはありますか?

エチオピア正教会の断食日風に寄せるなら、バター、ニテルキベ、肉のブイヨン、乳製品を使わず、植物油と水で作ります。家庭や宗派、地域で実践は異なるため、宗教上の厳密な食事制限がある人に出す場合は、使える油や調味料を本人に確認してください。

主な参考リンク

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