クロアチア・ポリツァ地方のソパルニク。薄い青菜入りの丸いパイを菱形に切り、にんにくオイルを塗った食卓
🔪下準備50分
🔥調理25分
🍽️分量4
🌍料理クロアチア料理

ソパルニクの作り方|ポリツァの青菜パイ

約29分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

生地をまとめて休ませる

所要時間15分

手順1: 生地をまとめて休ませる

火は使いません。ボウルに薄力粉、強力粉、塩を入れて混ぜ、オリーブオイルとぬるま湯220mlを加えます。粉っぽさが残る時だけ残りのぬるま湯10mlを足し、台に出して5分こねます。表面がなめらかで、指で押すとゆっくり戻る硬さが目安です。丸めて薄く油を塗り、ラップをかけて30分休ませます。

STEP 22 / 7

青菜の水気を落とす

所要時間12分

手順2: 青菜の水気を落とす

火は使いません。フダンソウは茎を5mm幅、葉を1cm幅に刻みます。小松菜とほうれん草で代用する場合も同じ幅で刻みます。玉ねぎは3mm角、パセリは粗みじんにします。青菜に塩小さじ2/3をまぶして10分置き、両手で軽く握って水気を絞ります。ボウルの底に大さじ2以上の水が出ていれば、もう一度軽く絞ってください。水分が多いと、焼く前に下の生地がふやけます。

STEP 33 / 7

一枚目の生地を薄く伸ばす

所要時間8分

手順3: 一枚目の生地を薄く伸ばす

火は使いません。休ませた生地を二等分し、一つを直径30から32cm、厚さ1から2mmの円に伸ばします。台とめん棒に打ち粉を薄く振り、生地を90度ずつ回しながら伸ばします。中心だけ厚く残る時は、中心から外へ一方向に押し出すようにめん棒を転がします。手を下に入れた時、指の影が少し透けるくらいが目安です。

STEP 44 / 7

具を薄く広げる

所要時間5分

手順4: 具を薄く広げる

火は使いません。伸ばした生地をクッキングシートにのせ、青菜、玉ねぎ、パセリ、オリーブオイル、黒こしょうを合わせた具を広げます。具は握っても水滴が落ちず、葉の表面に油が薄くまとわり、指で押すと平らにほどける状態が目安です。縁は2cm空け、中央だけ山にせず、全体の厚みを7mm前後にそろえます。手で押すと青菜が薄く広がり、ところどころ生地が見える程度で十分です。具を厚くすると、この後の高温工程で表面だけ乾き、中だけ湿ります。

STEP 55 / 7

ふたをかぶせて縁を閉じる

所要時間8分

手順5: ふたをかぶせて縁を閉じる

火は使いません。残りの生地も直径30から32cmに伸ばし、具の上にかぶせます。空気を外へ逃がすように中央から縁へ手のひらで軽く押し、上下の生地を重ねて指でつまみます。縁の厚みが1cmを超える時は、余分な生地を切り落とします。焼く前に表面へフォークで6から8か所、小さな穴を開けます。大きく切ると青菜が出るので、針穴程度で構いません。

STEP 66 / 7

高温で香ばしく焼く

所要時間18分

手順6: 高温で香ばしく焼く

オーブンに厚い天板か鉄板を入れ、240度で20分予熱します。生地をオーブンシートごと熱い天板へ滑らせ、温度を230度に下げて16から18分焼きます。表面に薄い焼き色と小さなふくらみが出て、縁が乾き、底を少し持ち上げると淡い茶色になっている状態が目安です。表面だけ先に濃くなる場合は、220度へ下げて残り3分焼きます。底が白い場合は、230度のまま下段で2分追加します。

STEP 77 / 7

にんにくオイルを塗って菱形に切る

所要時間5分

手順7: にんにくオイルを塗って菱形に切る

小鍋にオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火で30秒温めます。にんにくの周りに小さな泡が出て、香りが立ったら火を止めます。焼き上がったソパルニクの表面へ薄く塗り、パセリと粗塩を散らします。2分置いて油がなじんだら、包丁で幅4cm前後の斜め格子に切ります。表面がしっとりし、切り口から青菜が見え、底が軽くぱりっとしていれば食べ頃です。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

ソパルニクの材料。小麦粉、フダンソウ、玉ねぎ、パセリ、にんにく、オリーブオイル、めん棒を木の台に並べた様子
粉、青菜、油を先に並べると、ソパルニクの工程が見えやすい

本来はフダンソウを使います。日本では常に買える野菜ではないので、初回は小松菜とほうれん草を混ぜると作りやすいです。小松菜だけだと茎の食感が強く、ほうれん草だけだと水分が出やすいので、半分ずつにすると生地が破れにくくなります。

6品目

生地

材料 分量 代替・備考
薄力粉 300g 軽い食感の土台
強力粉 120g 伸ばしやすさを出す
塩 小さじ1 生地用
オリーブオイル 大さじ2 生地に練り込む
ぬるま湯 230ml 35度前後。粉の乾きで10ml調整
打ち粉 大さじ3 伸ばす時に使う
6品目

青菜の具

材料 分量 代替・備考
フダンソウ 500g なければ小松菜250g、ほうれん草250g
玉ねぎ 1/2個(約100g) みじん切り
パセリ 20g みじん切り。イタリアンパセリでも可
オリーブオイル 大さじ2 具に混ぜる
塩 小さじ2/3 青菜の水出し用を兼ねる
黒こしょう 小さじ1/4 粗びき
4品目

仕上げ

材料 分量 代替・備考
にんにく 2片(約12g) すりおろすか細かく刻む
オリーブオイル 大さじ3 仕上げ用
パセリ 5g 仕上げに散らす
粗塩 ひとつまみ 焼き上がりに軽く
アレルギーと食材の注意

この料理には小麦を使います。小麦アレルギーがある場合は避けてください。ほうれん草を使う場合は、気になる人はさっと下ゆでして水に取り、よく絞ってから刻むとえぐみが穏やかになります。


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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
108kcal
エネルギー
2.8g
タンパク質
4.5g
脂質
14.5g
炭水化物
1.5g
食物繊維
230mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

焼き上がりに、青菜とにんにくオイルの香りが立つ

薄い生地を切ると、包丁の先から青菜の湯気が少しだけ逃げます。上からにんにくを移したオリーブオイルを塗ると、焼けた小麦粉の香ばしさに、海沿いの台所らしい青い香りが重なります。ソパルニクは、見た目だけなら大きな薄焼きパイです。けれど食べると、肉もチーズも入らないのに、やけに後を引きます。

ソパルニク(Soparnik)は、クロアチア・ダルマチア地方の内陸、ポリツァ(Poljica)周辺で知られる青菜入りの薄いパイです。登録名では Poljički soparnik、Poljički zeljanik、Poljički uljenjak などの呼び方があり、フダンソウ、玉ねぎ、パセリを薄い生地で挟み、焼いた後ににんにく入りのオリーブオイルを塗ります。伝統的には屋外の炉で焼き、灰を払って仕上げますが、日本の家庭では高温のオーブンと厚い天板でかなり近い食感にできます。

この記事では、フダンソウが手に入りにくい日本の買い物事情を前提に、小松菜とほうれん草を使う代替、家庭用オーブンで底面を香ばしくする温度、青菜の水気で生地を破らない処理まで整理します。クロアチアのパシュティツァダのような煮込みとは対照的に、ソパルニクは粉と青菜だけで食卓を作る料理です。

名前と地域

現地語では Poljički soparnik と書くと、ポリツァ地方のソパルニクという意味合いが強くなります。zeljanik は青菜のパイ、uljenjak は油を使う料理という呼び方に近く、地域と家庭で呼び名が揺れます。本記事では、日本語で検索しやすいソパルニクを主表記にします。


ポリツァの祝い皿を、家庭用オーブンへ置き換える

ソパルニクは、欧州連合の地理的表示でも Poljički soparnik / Poljički zeljanik / Poljički uljenjak として登録されています。ポイントは、肉やチーズを足して豪華にすることではありません。薄く伸ばした生地、フダンソウ中心の具、焼き上げ後のにんにくオイル、菱形に切る食べ方がこの料理の芯です。

伝統的な焼き方では、丸く伸ばした生地を熱い平面に置き、上から灰や熾火をかぶせるようにして焼きます。家庭でそこまで再現する必要はありませんが、低温で長く焼くと、ただの青菜入り薄パンになりやすいです。高温で短く焼き、底面に先に熱を入れると、薄い生地が乾いて、具の水分に負けません。

日本の台所で守りたいところは、次の四つです。

現地らしさ 日本での落とし込み 代替してよいか
生地を薄く大きく伸ばす 直径30から32cm、厚さ1から2mmを目安にする 厚いパン生地にしない
フダンソウを使う 小松菜とほうれん草を混ぜて水気を絞る 置き換え可
高温の平面で焼く 230度のオーブンと予熱した天板を使う 低温長時間は避ける
にんにくオイルで仕上げる 焼き上がり直後に薄く塗る ここは守る

少し面倒なのは、生地を薄く伸ばすところです。ただ、餃子やピザのように完璧な円を目指す必要はありません。多少いびつでも、青菜を薄く広げて、縁をしっかり閉じれば食卓では十分きれいに見えます。むしろ家庭のソパルニクは、端が少し波打ち、切り口から青菜が見えるくらいの方が食欲をそそります。


買い出しで迷うもの

ソパルニクで買い足す価値があるのは、珍しい調味料より道具です。生地を大きく薄く伸ばすめん棒と、オーブン内で熱をためる厚い鉄板があると、同じ材料でも仕上がりが変わります。オリーブオイルは普通のスーパーのもので構いませんが、仕上げに直接塗るので、香りが強すぎず苦味がきれいなものを選ぶと食べやすいです。

薄い生地を伸ばす料理をよく作るなら、30cm前後の木製めん棒があると扱いやすいです。短すぎるめん棒は、端だけ厚く残りやすくなります。

家庭用オーブンで底面を香ばしくしたい時は、薄いアルミ天板より、熱をためる鉄板やグリドルが向きます。生地をのせる前に一緒に予熱しておくと、下の皮が水っぽくなりにくいです。手元にない場合は、オーブン付属の天板を二枚重ね、下段でしっかり予熱してから使います。

フライパンで小さく焼く場合は、薄いものより厚手の26cm前後が扱いやすいです。底が安定していると、弱めの中火でも焦げ目が一点に集まりにくく、返す時にも生地が折れにくくなります。


日本の台所で守るところ、置き換えるところ

ソパルニクは材料が少ない分、どこを守るかで味が変わります。フダンソウを手に入れることより、青菜の水分を減らすこと、薄く伸ばすこと、高温で焼くことの方が大切です。

迷うところ おすすめ 理由
フダンソウがない 小松菜250gとほうれん草250g 小松菜が茎の食感、ほうれん草が青い香りを補う
強力粉を入れるか 3割弱入れる 薄く伸ばしても破れにくい
オーブンシートを使うか 使う 熱い天板へ移す時に崩れにくい
チーズを入れるか 初回は入れない ソパルニクらしい軽さが消えやすい
にんにくを炒めるか 30秒だけ温める 生の辛さを丸め、油へ香りを移す

チーズやひき肉を入れたくなるかもしれませんが、初回は入れない方がこの料理の輪郭がわかります。青菜だけで物足りない時は、具を増やすのではなく、仕上げのオリーブオイルを少し良いものにして、塩を最後にひとつまみ足す方がまとまります。


失敗しやすいところと戻し方

ソパルニクの失敗は、ほとんどが水分と厚みです。破れた、湿った、硬い、という時も原因を分けると次回は直しやすくなります。

状態 原因 戻し方
底が湿っている 青菜の水切り不足、天板の予熱不足 230度の下段で2から3分追加焼きする
生地が破れた 具を厚くのせた、伸ばしすぎた 破れた部分に薄い生地の切れ端を貼って焼く
縁が硬い 縁を厚く巻いた 次回は余分な生地を切り、指で薄く閉じる
表面だけ焦げる 上段で焼いた、天板が薄い 下段へ移し、220度に下げて焼く
青菜が水っぽい 塩をしてから絞っていない 食べる直前に切り、余分な水分を皿へ出さない

焼き上がりが少し湿った時は、すぐに重ねて皿へ盛らないでください。まな板か網の上で3分ほど置くと、底の蒸気が抜けます。切った後に重ねると、せっかく乾いた生地が戻りやすいです。


保存と食べ方

ソパルニクを菱形に切って皿に盛り、サラダとヨーグルトを添えた食卓
ソパルニクは温かいうちも、冷めてからも食べやすい。軽いサラダと乳製品を添えると一皿になる

ソパルニクは焼きたてもおいしいですが、冷めても食べやすい料理です。粗熱が取れたら、切った状態で保存容器に入れ、冷蔵で2日を目安に食べ切ります。完全に密閉すると表面が湿りやすいので、冷めてからふたをしてください。

温め直しは、オーブントースターかフライパンが向きます。トースターなら200度で4から5分、フライパンなら油をひかず弱めの中火で片面2分ずつ温めます。電子レンジだけだと生地が柔らかく戻りやすいので、600Wで30秒温めた後にフライパンで片面1分焼くと食感が戻ります。

食卓では、トマトときゅうりのサラダ、プレーンヨーグルト、白ワインや炭酸水がよく合います。粉ものの流れで次に作るなら、青菜入りの層を楽しむボスニアのブレクや、チーズ入りで食べ応えのあるジョージアのハチャプリへ進むと違いがわかりやすいです。クロアチアの食卓として広げるなら、肉煮込みのパシュティツァダと合わせて、同じダルマチアでも粉ものと煮込みで表情が違うことを楽しめます。


よくある質問

Q1. フダンソウがない時は、ほうれん草だけで作れますか?

作れます。ただしほうれん草だけだと水分が出やすく、具がやわらかくなります。ほうれん草だけで作る場合は、さっと下ゆでして冷水に取り、強めに絞ってから刻んでください。初回は小松菜を混ぜる方が安定します。

Q2. フライパンだけで焼けますか?

直径26cm程度の小さめなら焼けます。弱めの中火でふたをせず片面8分、返して6分焼き、最後ににんにくオイルを塗ります。ただし大きく薄いまま返すのが難しいため、初回はオーブンの方が失敗しにくいです。

Q3. ピザ生地や市販のパイシートで代用できますか?

食べられるものにはなりますが、ソパルニクの軽さからは離れます。ピザ生地は厚く、パイシートは油脂が多いので、青菜の素朴な香りが隠れます。時間がない時でも、生地だけは粉、水、塩、オリーブオイルで作る方が近づきます。

Q4. 前日に仕込めますか?

青菜を刻むところまでなら前日にできます。刻んだ青菜は塩をせず、キッチンペーパーを敷いた保存容器で冷蔵してください。塩をまぶすと水が出続けるため、絞る工程は焼く当日に行います。生地も前日に作れますが、冷蔵した場合は室温に30分置いてから伸ばします。

Q5. にんにくが強すぎる時はどうしますか?

にんにくを半量にし、弱火で1分ほど温めてから使うと角が取れます。完全に焦がすと苦くなるので、色づく前に火を止めます。子どもが食べる場合は、にんにくを油に香りだけ移して、実は取り除いても構いません。

Q6. 冷凍できますか?

できますが、解凍時に生地が少し柔らかくなります。冷凍するなら切った状態で1枚ずつラップに包み、2週間を目安にしてください。温め直しは凍ったままトースター200度で7から8分が扱いやすいです。


主な参考リンク

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