牛肉、じゃがいも、シュペッツレ、焦がし玉ねぎを澄んだスープで盛ったガイスブルガー・マルシュ
🔪下準備35分
🔥調理2時間
🍽️分量4
🌍料理ドイツ料理・シュヴァーベン料理

ガイスブルガー・マルシュの作り方

約27分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 8

牛肉と香味野菜を鍋へ入れる

所要時間10分

手順1: 牛肉と香味野菜を鍋へ入れる

火はまだ使いません。牛肉と骨を冷水でさっと洗い、水気を切ります。厚手鍋に牛肉、骨、水1.8L、半分に切った玉ねぎ、にんじんの半量、長ねぎの青い部分、セロリ、ローリエ、黒こしょう粒を入れます。牛肉は完全に水面下へ沈め、浮いた血の塊があれば取り除きます。

STEP 22 / 8

沸く手前まで上げてアクをすくう

所要時間15分

手順2: 沸く手前まで上げてアクをすくう

中火にかけ、鍋の縁に小さな泡が出始めたら弱めの中火へ落とします。85から90度Cで灰色のアクが浮くので、玉じゃくしで静かにすくいます。強くかき回すとアクが沈み、スープが濁ります。アクが表面にまとまり、スープに透明感が残っている状態が目安です。大きな泡が続くほど沸いたら火を弱め、表面が少し揺れる程度に戻します。

STEP 33 / 8

弱火で牛肉をやわらかく煮る

所要時間75分

手順3: 弱火で牛肉をやわらかく煮る

弱火にし、90から95度Cを保って75分煮ます。水面はぽこぽこ沸かず、端から小さな泡が上がる程度です。途中で肉が水面から出たら熱湯を100mlずつ足します。竹串が牛肉にすっと入り、肉の繊維が軽く開く状態になれば次へ進みます。肉が硬い場合は15分延長します。

STEP 44 / 8

シュペッツレ生地を作る

所要時間10分

手順4: シュペッツレ生地を作る

火は使いません。ボウルに薄力粉220g、塩小さじ1/2、ナツメグ小さじ1/8を混ぜ、卵2個と水100mlを加えます。木べらで2分ほど混ぜ、粉っぽさがなくなり、生地に粘りと軽いつやが出たら止めます。すくうと重く伸び、太い帯でゆっくり垂れる硬さが目安です。硬すぎる時は水を大さじ1まで足します。混ぜたら5分休ませ、小麦粉に水分を回します。

STEP 55 / 8

シュペッツレを茹でる

所要時間8分

手順5: シュペッツレを茹でる

別鍋に湯1.5Lを沸かし、塩小さじ2を入れます。湯は中火から強火で小さく沸騰している状態、95から100度Cが目安です。穴の大きめのざるを鍋の上に置き、生地を木べらで押し出します。浮いてきてから1分茹で、ざるに取ります。表面を締めるため、水で短く洗ってぬめりを落とし、バター小さじ1程度を絡めておくと固まりにくくなります。

STEP 66 / 8

スープをこし、じゃがいもを煮る

所要時間18分

手順6: スープをこし、じゃがいもを煮る

牛肉を取り出し、スープをざるでこします。鍋へスープを戻し、じゃがいも、残りのにんじん、具用に切った長ねぎを入れます。中火でふつふつするまで戻し、弱めの中火で12から15分煮ます。じゃがいもに竹串が通り、角が少し丸くなったら、牛肉を4cm角に切って戻します。味見して塩小さじ1/2までを足します。

STEP 77 / 8

玉ねぎをバターで色づける

所要時間12分

手順7: 玉ねぎをバターで色づける

小さなフライパンにバター20gを入れ、弱めの中火で溶かします。薄切り玉ねぎを加え、最初の5分は広げて水分を飛ばし、その後は木べらで返しながら7分ほど炒めます。火加減は中火より少し弱く、バターの泡が細かく出る程度です。縁が茶色く、中央が金色になったら止めます。黒く焦がすとスープに苦味が移ります。

STEP 88 / 8

器で合わせて仕上げる

所要時間5分

手順8: 器で合わせて仕上げる

器にシュペッツレを1人分ずつ入れ、じゃがいも、牛肉、にんじんをのせます。スープを弱火で90度C前後まで温め直し、湯気が立って中心まで熱い状態で注ぎます。焦がし玉ねぎをのせ、チャイブまたは細ねぎを散らします。器の縁に澄んだスープが見え、麺がふくらみすぎていなければ完成です。シュペッツレを鍋で長く煮込むと重くなるので、器で合わせると麺の弾力とスープの澄み方が残ります。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

牛すね肉、骨、じゃがいも、香味野菜、卵、小麦粉、バターを並べたガイスブルガー・マルシュの材料
牛肉のだし、じゃがいも、卵入りの麺、焦がし玉ねぎが味の柱になる

4人分です。牛すね肉だけでも作れますが、骨付きの部位や牛骨が少し入ると、スープの味が早く決まります。骨が見つからない日は、牛すね肉を600gに増やし、水を1.6Lに減らしてください。

14品目

牛だしと具

材料 分量 代替・備考
牛すね肉または煮込み用牛肉 500g 4cm角。牛ほほ、牛肩、すねブロックでもよい
牛骨または骨付き牛肉 300g あれば。なければ牛肉を100g増やす
水 1.8L 煮詰まった時の差し湯として熱湯200mlを別に用意
玉ねぎ 1個(180g) 皮つきで半分に切るとスープの色が深くなる
にんじん 1本(160g) 半量はだし用、半量は具用
長ねぎまたはポロねぎ 1本(150g) 白い部分中心。青い部分はだし用に回す
セロリまたは根セロリ 80g 根セロリがあれば現地寄り。普通のセロリで十分
ローリエ 1枚 月桂樹の葉
黒こしょう粒 小さじ1 粒のまま
塩 小さじ1と1/2 最初は小さじ1、最後に調整
じゃがいも 500g メークイン推奨。男爵なら大きめに切る
バター 20g 焦がし玉ねぎ用
玉ねぎ 1個(180g) 仕上げ用。薄切り
チャイブまたは細ねぎ 15g 小口切り。パセリでもよい
6品目

家庭版シュペッツレ

材料 分量 代替・備考
薄力粉 220g 強力粉を50g混ぜると弾力が出る
卵 2個(約110g) Mサイズ
水 110ml 生地の硬さを見て大さじ1まで追加
塩 小さじ1/2 生地用
ナツメグ 小さじ1/8 入れすぎると菓子の香りになる
茹で湯用の塩 湯1.5Lに小さじ2 シュペッツレを茹でる湯用
アレルギーと加熱の注意

小麦、卵、牛肉、乳を使います。牛肉は弱火で長く煮ますが、取り出した肉の中心まで熱く、繊維がほぐれる状態になっていることを確認してください。幼児、高齢者、妊娠中の方、体調が弱い方に出す場合は、赤みが残る状態を避け、十分に再加熱してから盛り付けます。


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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
155kcal
エネルギー
8.5g
タンパク質
6.0g
脂質
15.8g
炭水化物
1.5g
食物繊維
338mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

鍋から澄んだ牛だしが上がる、シュトゥットガルトの食卓

牛肉を弱火にかけていると、最初は少し野性味のある匂いが立ちます。アクをすくい、火を落とし、じゃがいもとシュペッツレを合わせるころには、その匂いが丸いだしの香りに変わります。ガイスブルガー・マルシュ(Gaisburger Marsch)は、ドイツ南西部のシュヴァーベン地方、特にシュトゥットガルトの郷土料理として知られる、牛肉、じゃがいも、シュペッツレの澄んだ煮込みです。

名前は「ガイスブルクの行進」という意味です。シュトゥットガルトのガイスブルク地区に由来するとされ、兵士や士官候補生がこの料理を食べに歩いたという説、家族が一杯の食事を運んだという説が伝わります。どの説を採るにしても、料理そのものはかなり実用的です。牛肉のスープ、腹持ちのよいじゃがいも、小麦粉と卵の麺、最後の焦がし玉ねぎ。この組み合わせで、寒い日の食卓が一皿でまとまります。

日本の台所で難しいのは、牛肉よりもシュペッツレです。乾麺や冷蔵品が見つかれば使えますが、近所で手に入らないことも多い。この記事では、ざるや穴あきお玉で落とす家庭版シュペッツレも一緒に作ります。守るのは、だしを濁らせすぎないこと、じゃがいもを煮崩しすぎないこと、焦がし玉ねぎを最後に別でのせることです。

同じ牛肉の煮込みでも、フランスのポトフは肉と野菜を分けて食べる感覚が強く、ガルビュールは豆とキャベツの厚みに寄ります。ガイスブルガー・マルシュはそこへ麺が入るため、汁物というより「スープの顔をした主食」に近い料理です。

現地名の読み方

Gaisburger はシュトゥットガルトの Gaisburg に由来し、Marsch は行進を意味します。日本語ではガイスブルガー・マルシュ、ガイスブルガー・マルシュ風煮込みなどと表記できます。現地では「Verheiratete(結婚したもの)」という名前で、じゃがいもとシュペッツレが同じ器に入る料理として語られることもあります。


買い出しで迷うところ

ガイスブルガー・マルシュは、珍しいスパイスを集める料理ではありません。近所で買うものは牛肉、じゃがいも、卵、小麦粉、香味野菜です。通販で見る価値があるのは、だしを静かに保てる厚手鍋、温度を見ながら弱火を調整できる温度計、牛肉の下煮を短縮したい日の圧力鍋くらいです。シュペッツレメーカーはあると楽ですが、初回から必須にしません。穴の大きめのざる、穴あきお玉、または平たいまな板と包丁の背で十分作れます。

薄い鍋だと、弱火にしているつもりでも底だけが強く当たり、スープが濁りやすくなります。4人分なら4L以上、できれば厚手の鍋が扱いやすいです。

牛だしは90から95度Cあたりの小さな揺れを保つと澄みやすくなります。厚手の鍋なら熱が急に逃げにくく、弱火へ落としたあとも表面の揺れを読みやすくなります。

牛肉の下煮は、保温性のある鍋で弱火を長く保つと、平日でも作りやすくなります。骨と香味野菜をじっくり煮て、こしてからじゃがいもとシュペッツレを合わせると、麺や芋を崩さず仕上げられます。


日本の台所で守ること、代えてよいこと

ガイスブルガー・マルシュは、材料の豪華さではなく組み立てで味が変わります。牛肉を煮たスープ、じゃがいも、シュペッツレ、焦がし玉ねぎ。この四つがそろえば、現地の方向にかなり寄ります。

同じ牛だしを、麺とじゃがいもの主菜ではなく祝いの最初の一皿へ仕立てる料理が、北ドイツのホッホツァイツズッペです。肉団子、卵の寄せ物、白アスパラを別々に火入れするため、澄んだだしの扱いを続けて覚えたい時にもつながります。

守りたい軸 日本での現実的な選び方 代える時の注意
牛肉のだし 牛すね肉、牛肩、骨付き煮込み肉 薄切り肉だけだとだしが弱い。ブロック肉を選ぶ
じゃがいも メークイン、とうや 男爵は崩れやすいので大きめに切る
シュペッツレ 手作り、輸入乾麺、短い卵麺 マカロニでも食べられるが、別料理に寄る
焦がし玉ねぎ バターで薄切り玉ねぎを炒める 市販フライドオニオンは油の香りが強いので少量
香味野菜 長ねぎ、セロリ、にんじん 根セロリがあれば現地寄り。なければ普通のセロリでよい

シュペッツレを乾麺で作る日は、袋表示より1分短く茹でてください。あとで熱いスープに入るので、最初からやわらかくすると器の中でぼってりします。手作りする場合は、形をきれいにそろえすぎない方が家庭料理らしく、スープもよく絡みます。

同じ生地をチーズで食べる方向へ振るなら、南ドイツのケーゼシュペッツレが次の入口になります。スープに入れる麺より少し硬めに作り、茹で湯とチーズでつなぐと、短い麺の弾力が残ります。

肉は高価なステーキ肉ではなく、長く煮てうまみが出る部位が向きます。スーパーの「カレー・シチュー用」は部位が混ざることがあるため、できれば牛すね、牛肩、煮込み用ブロックの表示を見ます。脂が多すぎる部位を使う時は、冷蔵後に表面の白い脂を大さじ1ほど取り除くと、翌日も食べやすくなります。


失敗しやすいところと直し方

スープが濁る

最初から強く沸かした、アクを混ぜ込んだ、じゃがいもをだし取りの段階から入れた、のどれかが原因になりやすいです。弱火へ落としてからアクを取り、じゃがいもはこした後のスープで煮ます。濁ってしまった場合も味は悪くありません。見た目を澄ませたい日は、ざるにキッチンペーパーを敷いて一度こします。

牛肉が硬い

煮込み時間が足りません。牛すねや肩は、60分ではまだ硬いことがあります。水面を保ちながら、90から95度Cで15分ずつ延長します。強火で短縮しようとすると、外側だけ縮んで硬くなります。

シュペッツレがだんごになる

生地が硬すぎる、湯が弱い、鍋の中をすぐに混ぜすぎたことが原因です。生地は重く落ちる程度まで水を足し、湯は小さく沸騰させます。落とした直後は10秒ほど触らず、表面が固まってから箸でほぐします。

じゃがいもが崩れる

男爵や新じゃがを小さく切ると崩れやすくなります。メークインを3cm角以上に切るか、男爵なら最後の10分で入れます。少し崩れた場合は、スープに自然な濃度が出るので失敗ではありません。

味がぼやける

塩を恐れて少なすぎる、または焦がし玉ねぎを抜いた時に起きます。最後に塩を小さじ1/4ずつ足し、器でチャイブと玉ねぎをのせます。胡椒を強くすると別の料理に寄るので、まず塩と玉ねぎの香りで整えます。


食べ方、保存、翌日の楽しみ方

鍋、器、パン、サラダ、保存容器を並べたガイスブルガー・マルシュの食卓
スープ、麺、じゃがいもがあるので、軽いサラダやパンだけで食卓がまとまる

現地の食べ方に寄せるなら、器でシュペッツレとじゃがいもを合わせ、上に焦がし玉ねぎとチャイブをのせます。パンは必須ではありませんが、スープを最後まで食べるにはよく合います。副菜は重い肉料理より、酸味のある葉野菜のサラダや、軽いピクルスが向きます。ドイツ南部の甘酸っぱいキャベツ副菜を合わせるなら、バイリッシュクラウトがよい受け皿になります。

保存は、スープとシュペッツレを分けるのが基本です。スープと具は浅い容器で冷まし、2時間以内に冷蔵します。冷蔵2日、冷凍は1か月が目安です。シュペッツレは冷蔵2日ですが、スープへ入れたまま保存すると膨らんで重くなります。翌日はスープを弱火で温め、中心まで湯気が立ったらシュペッツレを入れて1分温めます。

残ったスープは、短いパスタや押し麦を少し入れても食べやすいです。ただし、じゃがいもと麺の両方が入る料理なので、翌日に米まで足すと重くなります。昼食に回すなら、具を多め、麺を少なめにして、黒こしょうをひと挽き足すくらいがちょうどよいです。


FAQ

シュペッツレメーカーなしで作れますか?

作れます。穴の大きめのざる、穴あきお玉、またはまな板に生地を薄くのばして包丁の背で少しずつ湯へ落とす方法で代用できます。きれいな形より、同じくらいの太さにして火通りをそろえることを優先します。

乾燥シュペッツレを使う場合はどう変えますか?

乾燥品は袋表示より1分短く茹で、器でスープと合わせます。鍋に入れて煮込むと水分を吸い、スープが濁りやすくなります。塩気がある商品もあるので、スープの塩は最後に調整してください。

牛肉の代わりに豚肉で作れますか?

作れますが、ガイスブルガー・マルシュの牛だしらしさからは離れます。豚肩ロースを使う場合は、ローリエと黒こしょうを少し強めにし、煮込み後に脂をすくいます。初回は牛すね肉か牛肩肉で作る方が料理の輪郭をつかみやすいです。

コンソメキューブを足してもよいですか?

足せますが、最初から入れると味が平たくなりやすいです。牛肉と香味野菜で煮たあと、どうしても薄い時だけ顆粒コンソメ小さじ1/2までにします。先に塩を足し、焦がし玉ねぎをのせてから判断してください。

じゃがいもと麺が両方入るのは重すぎませんか?

主食を兼ねる料理なので、これで合っています。軽くしたい日は、シュペッツレを1人60gに減らし、スープと牛肉を多めにします。夕食の主菜にするなら、パンを控えめにしてサラダを添えると食べやすいです。

子ども向けに作る時の注意はありますか?

ナツメグと黒こしょうを控えめにし、牛肉は小さく切ります。スープは熱いので、器に入れてから少し冷ましてください。焦がし玉ねぎは苦味が出る手前で止め、別皿にすると量を調整しやすいです。


主な参考リンク

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