アツエテで赤く炒めたフィリピンのボピスを白ごはん、ライム、唐辛子と並べた一皿
🔪下準備30分
🔥調理75分
🍽️分量4
🌍料理フィリピン料理

ボピスの作り方|酸味で食べるフィリピン内臓炒め

約27分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

内臓と肉を下ゆでする

所要時間35分

手順1: 内臓と肉を下ゆでする

鍋に水1.5L、しょうが25g、ローリエ2枚、塩小さじ2を入れて中火にかけます。沸いたら豚肺、豚ハツ、豚肩ロースを入れ、再び沸いたら弱火に落としてふつふつする状態を保ちます。30分を目安にゆで、ハツの中心に赤い汁が残らず、竹串がすっと入り、肩ロースの中心まで色が変われば取り出します。下ゆで汁は250mlだけ取っておきます。

STEP 22 / 6

5mm角に刻む

所要時間10分

手順2: 5mm角に刻む

下ゆでした肉を10分置いて粗熱を取り、表面の水分を拭きます。豚肺と豚肩ロースは5mm角、豚ハツは繊維に沿って薄切りにしてから5mm角に刻みます。大きいと一口で内臓の香りが強く出て、小さすぎるとそぼろ状に崩れます。刻んだ肉はざるまたは広い皿に広げ、湯気と余分な水分を飛ばします。

STEP 33 / 6

アツエテ油で香味野菜を炒める

所要時間8分

手順3: アツエテ油で香味野菜を炒める

フライパンに米油大さじ2とアツエテ大さじ1を入れ、弱火で3分温めます。油が赤橙色になり、種の周りに小さな泡が出たら種を取り出します。中火に上げ、にんにく、玉ねぎ、しょうがを入れて4分炒めます。玉ねぎが透き通り、香りが立ったら赤パプリカ、にんじん、青唐辛子を加え、1分だけ炒めます。焦げた茶色ではなく、赤い油が野菜にまとわる状態を目安にします。

STEP 44 / 6

肉と酢を入れて煮る

所要時間15分

手順4: 肉と酢を入れて煮る

5mm角に刻んだ肉を加え、中火で3分炒めて油をなじませます。トマトペースト大さじ1を入れて30秒炒め、ココナッツビネガー60mlを回し入れます。酢を入れた直後は混ぜすぎず、中火で2分煮立てて酸の角を飛ばします。パティス、しょうゆ、下ゆで汁250ml、黒こしょう、砂糖を入れ、沸いたら中弱火にして10分煮ます。煮汁が赤茶色になり、肉の粒に味が入り始めるのが目安です。

STEP 55 / 6

水分を飛ばして粒を立てる

所要時間10分

手順5: 水分を飛ばして粒を立てる

ふたを外し、中火から中強火へ上げます。木べらで底をこそげながら炒め煮にし、煮汁が半分以下になったら焦げないように混ぜる回数を増やします。木べらを引いた跡が2秒ほど残り、フライパンの縁に赤い油が小さくにじみ、肉の粒がつやを帯びたら火を弱めます。水っぽさが残ると白ごはんにのせたときに味がぼやけるので、最後だけ少し強めの火で仕上げます。

STEP 66 / 6

酸味と辛味を整えて盛る

所要時間3分

手順6: 酸味と辛味を整えて盛る

火を止め、ライムまたはすだち果汁大さじ1を混ぜます。味を見て、塩気が弱ければパティス小さじ1、酸味が鋭ければ砂糖ひとつまみを足します。辛さは鍋の中で決めきらず、唐辛子を1mm幅の小口切りにしたものと酢を食卓へ別に置くと家族で食べやすくなります。温かい白ごはんにのせ、仕上げの柑橘を少し搾ると、内臓のうま味と酸味がまとまります。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

ボピスの材料。豚ハツ、豚肩ロース、赤パプリカ、にんじん、玉ねぎ、にんにく、しょうが、アツエテ、酢、魚醤、唐辛子
ボピスは豚肺と豚ハツが軸。日本では豚肺の入手性を見て、ハツと肩ロースで家庭版に寄せる

豚肺が手に入る場合は使います。見つからない場合は、豚ハツを軸にし、豚肩ロースで食べ応えを補ってください。豚レバーを増やすと鉄っぽい香りが前に出るので、家庭版では入れすぎません。

7品目

下ゆで用

材料 分量 代替・備考
豚肺(下処理済み) 250g 入手できない場合は豚肩ロース200gに置き換える
豚ハツ 300g 半分に開き、血合いと太い血管を除く
豚肩ロース 150g 豚肺なしの場合は合計350gにする
しょうが 25g 薄切り
ローリエ 2枚 月桂樹の葉
塩 小さじ2 下ゆで用
水 1.5L 肉がかぶる量
17品目

炒め煮と仕上げ

材料 分量 代替・備考
米油 大さじ2 サラダ油でも可
アツエテ(アナトーシード) 大さじ1 粉なら小さじ1と1/2
にんにく 4片 みじん切り
玉ねぎ 1個(180g) 5mm角
しょうが 15g みじん切り
赤パプリカ 1/2個(80g) 5mm角
にんじん 80g 5mm角
青唐辛子 2本 小口切り。辛い場合は1本
トマトペースト 大さじ1 トマトソースなら大さじ3
ココナッツビネガー 60ml 米酢40ml + りんご酢20ml
パティスまたはナンプラー 大さじ1 塩なら小さじ1/2から
しょうゆ 小さじ2 色を濃くしすぎない
下ゆで汁または水 250ml 途中で足す用
黒こしょう 小さじ1/2 粗びき
砂糖 小さじ1 酸味の角を丸める
ライムまたはすだち果汁 大さじ1 カラマンシーの代替
温かい白ごはん 4杯分 食卓用
アレルギーと食品安全

この料理には豚肉、魚醤、しょうゆ(大豆・小麦を含む製品あり)を使います。内臓は傷みやすいので、購入後は早めに下ゆでし、生肉を切ったまな板と包丁を加熱後の材料に使い回さないでください。温め直す場合は中心まで熱くし、常温で長く置きません。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
108kcal
エネルギー
8.8g
タンパク質
6.3g
脂質
4.0g
炭水化物
0.8g
食物繊維
345mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

買い出しで迷う食材と道具

アツエテ、ココナッツビネガー、魚醤、温度計、唐辛子を並べたボピスの買い出し
アツエテは色、ココナッツビネガーは酸味、温度計は内臓料理の火入れ確認を支える

ボピスはスーパーの肉だけでなく、アツエテと酢で輪郭が決まります。アツエテはチキンイナサルやレチョンにも使えるので、フィリピン料理を続けて作るなら最初に探す価値があります。

酢は米酢でも作れますが、ココナッツビネガーを使うと酸味が丸く、内臓の香りを切りながらフィリピン料理らしい発酵感が出ます。

内臓料理は、色だけで火通りを判断しにくい料理です。温め直しまで含めて安心して作るなら、温度計を一本持っておくと迷いが減ります。


酢が立つ鍋で、刻んだ内臓がごはんになる

フィリピン料理を作っていると、酢の入れ方に何度も驚かされます。しょうゆと酢で煮るアドボ、酸っぱい汁のシニガン、焼き鶏に添える辛い酢。ボピスもその延長にあります。内臓をただ濃く炒めるのではなく、酢で匂いを切り、アツエテの赤い油で食欲を引き出し、白ごはんへ寄せる料理です。

ボピス(bopis)は、豚または牛の肺と心臓を細かく刻み、にんにく、玉ねぎ、唐辛子、酢、アツエテで炒め煮にするフィリピン料理です。現地では pulutan、つまり酒のつまみとしても、白ごはんにのせる主菜としても食べられます。パンパンガ周辺の文脈では pulutok と呼ばれることもあり、乾かし気味に炒めて粒を立てる作り方が好まれます。

日本で難しいのは豚肺です。精肉店やアジア食材店で相談できる地域もありますが、普通のスーパーにはまず並びません。この記事では、豚肺が手に入る場合の本場寄せを基本にしつつ、豚ハツと豚肩ロースで作る家庭版の分岐も示します。料理名を借りただけの濃い豚炒めにしないため、守る芯は「細かく刻む」「酢を煮立てる」「赤いアツエテ油で香味野菜を炒める」「水分を飛ばして白ごはんに合う粒感にする」の4つです。

同じフィリピンの刻み豚料理でも、シシグは焼き目と柑橘で食べる鉄板料理、ボピスは酢とアツエテで煮詰める内臓炒めです。祝いの日の大皿ならレチョン、炭火の香りを足すならチキンイナサルと並べると、フィリピン料理の酸味の使い分けが見えてきます。

名前について

Bopis はフィリピン各地で見られる料理名です。Kapampangan bopis / pulutok として紹介されることもあり、肺と心臓を刻んで辛く酸っぱく炒める点が共通します。日本語では「ボピス」と表記し、本記事でも検索しやすいこの表記に統一します。


日本で作る分岐表|何を守り、何を置き換えるか

ボピスを完全再現しようとすると、豚肺、豚ハツ、ココナッツビネガー、アツエテ、現地の小さな唐辛子が必要です。ただし、全部がそろわない日でも、料理の骨格を崩さなければ十分に「ボピスを作った」と言える味になります。

迷う材料 現地寄せ 日本の現実解 守るポイント
肺 豚肺または牛肺 豚肩ロース200gに置き換える 細かく刻み、酢で煮詰める
心臓 豚ハツ 豚ハツが最優先。なければ鶏ハツ250g 噛みごたえと内臓の香りを残す
赤い色 アツエテ、アチョーテ アナトーシードまたは粉 パプリカ粉だけでは香りが弱い
酸味 ココナッツビネガー、サトウキビ酢 米酢 + りんご酢 酢を煮立てて角を飛ばす
辛味 siling labuyo 青唐辛子、赤唐辛子 鍋で入れすぎず、食卓で足す

豚肺がないと、本場のふわっとした内臓感は少し弱くなります。その代わり、豚ハツの歯ごたえと肩ロースの肉感で、白ごはんに合う家庭版になります。大切なのは、豚肩ロースを大きく残さないことです。5mm角に刻むと、酢、アツエテ、玉ねぎが肉のすき間に入り、ひと口ごとに酸味と脂が混ざります。

アツエテは代替しにくい材料です。色だけならパプリカ粉で近づけますが、油へ移る赤橙色と土っぽい香りは別物です。チキンイナサル、レチョン、ボピスの3品を作るなら、アツエテは使い切れます。反対に、初回だけ試すなら粉タイプを小袋で買うと余りにくいです。

酢は煮立て方で味が変わります。入れてすぐ強く混ぜると、酸味が全体に刺さりやすくなります。中火で2分ほど触りすぎずに煮立て、ツンとした香りが丸くなってから水分を足すと、内臓の香りを切りつつ、白ごはんに合う酸味になります。


失敗原因|水っぽい、臭い、硬いを直す

水っぽいボピスと、つやが出るまで煮詰めたボピスの比較
ボピスは煮汁を飛ばし、木べらの跡が残るまで煮詰めると味がぼやけない

ボピスの失敗は、内臓そのものよりも水分で起きます。下ゆで後の湯気が残ったまま刻む、酢を入れてすぐ弱火にする、最後に煮汁を残しすぎる。この3つが重なると、酸っぱいのにぼやけた炒め物になります。

失敗 原因 直し方
水っぽい 下ゆで後の水分、最後の煮詰め不足 ふたを外し、中火で木べらの跡が残るまで飛ばす
内臓臭い 下ゆで不足、しょうが不足、酢を煮立てていない しょうがとローリエで再度10分煮てから刻む
硬い 強火で短くゆでた、ハツの刻みが大きい 弱火で追加10分ゆで、5mm角に刻み直す
酸っぱすぎる 酢を入れてすぐ混ぜた、煮立て不足 中火で2分煮立て、砂糖ひとつまみと水大さじ2を足す
味が平たい アツエテ油が薄い、塩味が足りない パティス小さじ1、黒こしょう、柑橘を最後に足す
色だけ赤い パプリカ粉だけで作った アツエテ油を作り、香味野菜を先に炒める

FoodSafety.gov は、肉の安全な加熱温度を温度計で確認することを勧めています。豚肉の塊は63度C以上で休ませる基準、残り物の温め直しは74度Cが目安です。ボピスでは一度下ゆでし、さらに炒め煮にするため、中心が冷たいまま残ることは少ないですが、内臓料理に慣れていない場合は温度計で確認すると安心です。


食べ方と献立|白ごはん、酢、酸っぱい汁物

白ごはん、酢の小鉢、きゅうりと並べたボピスの食卓
ボピスは白ごはんにのせ、酢と柑橘で脂を切りながら食べる

ボピスは単体で食べると味が濃い料理です。白ごはんにのせ、途中で酢の小鉢を少し落とし、最後に柑橘を搾ると、内臓のうま味が重くなりません。酒のつまみにするなら、きゅうり、トマト、玉ねぎの薄切りを横に置くと、酸味と辛味の逃げ道ができます。

フィリピン献立にするなら、汁物はシニガンを小さめに。麺を足す日はパンシット・カントンを控えめにし、揚げ物を添えるならルンピアン・シャンハイを数本だけにします。ボピス自体が濃いので、献立全体を揚げ物と脂で固めすぎないのが食べやすいです。

余ったレチョンを刻んでシシグ風にする流れと違い、ボピスは最初から細かく刻んで煮詰める料理です。翌日はガーリックライスに混ぜると相性がよく、目玉焼きよりも固めに焼いた卵焼きを添えると、辛さと酸味が丸くなります。


保存と温め直し

冷蔵保存は2日を目安にします。粗熱を取ったら浅い容器へ広げ、ふたをして冷蔵してください。玉ねぎと柑橘を多めに入れた状態で保存すると香りが強くなるため、作り置き前提なら果汁は食べる直前に足します。

温め直しはフライパンが向いています。弱めの中火で2分温め、水小さじ2を加えてほぐし、最後に中火で1分だけ水分を飛ばします。電子レンジなら600Wで1分半、混ぜてから追加30秒。中心まで熱くなったら、柑橘を少し搾って香りを戻します。

冷凍はできますが、内臓の香りと玉ねぎの食感は少し強く出ます。冷凍するなら1食分ずつ薄く広げ、1か月以内に使います。解凍後はフライパンで水分を飛ばし、最後に酢ではなく柑橘を足すと、酸味が鋭くなりすぎません。


よくある質問

豚肺が手に入りません。作ってもいいですか?

作れます。豚肺250gを豚肩ロース200gに置き換え、豚ハツ300gは残してください。肺特有のふわっとした食感は弱くなりますが、細かく刻み、酢とアツエテで煮詰めれば、ボピスの方向性は出せます。豚ハツまで抜くと、内臓料理ではなく酸っぱい豚そぼろに近づきます。

レバーを入れた方が本場らしいですか?

家庭版では入れすぎない方が食べやすいです。豚肺の代替で香りを足したい場合は、豚レバーまたは鶏レバーを60gだけ下ゆでし、5mm角に刻んで加えてください。120g以上入れると鉄っぽさが前に出やすく、ボピスの酸味よりレバー炒めの印象が強くなります。

酢は米酢だけで作れますか?

作れます。米酢60mlだけだと酸が鋭く出やすいので、米酢40mlとりんご酢20mlに分けると丸くなります。どちらの場合も、酢を入れた直後に中火で2分煮立て、ツンとした香りを飛ばしてから水分を足してください。

辛くないボピスにできますか?

できます。青唐辛子は1本に減らし、種を除いてください。鍋の中で辛さを決めすぎず、刻み唐辛子と酢を食卓へ別に置くと、辛いものが好きな人だけ足せます。辛味を完全に抜くと味が平たくなるので、黒こしょうは残します。

温め直しで酸っぱくなりました。

酢を足して温め直すと酸味が立ちすぎます。残り物は水小さじ2でほぐしてからフライパンで温め、最後に柑橘を少し搾る方がまとまります。白ごはんにのせる場合は、刻み玉ねぎやきゅうりを添えると酸味が和らぎます。


主な参考リンク

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