サフラン色の格子生地とナッツ層が重なったアゼルバイジャンのシェキ・ハルヴァ
🔪下準備55分
🔥調理55分
🍽️分量8
🌍料理アゼルバイジャン料理

シェキ・ハルヴァの作り方|アゼルバイジャンの格子菓子

約30分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 8

サフランシロップを煮る

所要時間10分

手順1: サフランシロップを煮る

小皿にサフラン0.1gと熱湯小さじ2を入れ、5分置いて色を出します。小鍋にグラニュー糖180g、水120ml、蜂蜜20gを入れ、中火にかけます。鍋の縁がふつふつしてきたら弱火に落とし、砂糖のざらつきが消えて透明感とつやが出るまで煮ます。105℃前後、またはスプーンから細く落ちる程度が目安で、火にかける時間は約6分です。火を止め、サフラン液とレモン汁小さじ1を混ぜます。煮詰めすぎると冷めた時に結晶化するので、泡が大きく弾け始めたら止めます。

STEP 22 / 8

ナッツと香辛料を粗く混ぜる

所要時間8分

手順2: ナッツと香辛料を粗く混ぜる

火は使いません。クルミ120gとヘーゼルナッツ100gは、フードプロセッサーなら1秒ずつ数回、包丁なら3から5mmほどに刻みます。粉になるまで回すと油が出て、層が重くなります。カルダモンはさやを割って種だけを取り出し、コリアンダーシードと一緒にミルで細かく挽きます。ナッツ、砂糖70g、挽いた香辛料、塩ひとつまみを混ぜ、指でつまむと少しまとまる状態にします。

STEP 33 / 8

格子生地を混ぜて休ませる

所要時間15分

手順3: 格子生地を混ぜて休ませる

火は使いません。ボウルに米粉120g、薄力粉40g、片栗粉10g、塩1gを入れて混ぜます。別の器で水260ml、卵白1個分、サラダ油小さじ2をほぐし、粉へ少しずつ加えながら泡立て器で混ぜます。生地はクレープより少しゆるい濃度にします。だまが残るとボトルの先に詰まるため、茶こしや目の細かいざるでこし、ボトルに入れて10分休ませます。

STEP 44 / 8

フライパンで格子を焼く

所要時間25分

手順4: フライパンで格子を焼く

フッ素樹脂加工のフライパンを弱めの中火にかけ、表面温度160から170℃を目安に温めます。油は薄く拭く程度にします。ボトルで生地を細く出し、円を描いてから縦横斜めに線を重ね、直径18cmほどの薄い網にします。表面の白さが消え、縁が乾いて持ち上がるまで45秒から60秒焼き、裏返さずに取り出します。これを8枚作ります。火が強いと線の下だけ焦げ、弱すぎると持ち上げた時に破れます。

STEP 55 / 8

型に生地とナッツを重ねる

所要時間10分

手順5: 型に生地とナッツを重ねる

火は使いません。18cm丸型に無塩バター15gを薄く塗ります。格子生地を2枚敷き、ナッツの1/3量を広げます。さらに格子生地2枚、ナッツ1/3量、格子生地2枚、ナッツ1/3量、最後に格子生地2枚の順に重ねます。ナッツは端まで均一に広げ、手のひらで軽く押さえます。押しつぶすほど強く圧をかけると、シロップが入りにくくなります。

STEP 66 / 8

オーブンで乾かすように焼く

所要時間18分

手順6: オーブンで乾かすように焼く

オーブンを170℃に予熱します。型を中段に入れ、170℃で15から18分焼きます。目安は、上の格子が淡い黄金色になり、型の縁が乾いて少し縮む状態です。焦げ色を強く付ける菓子ではありません。オーブンがない場合は、厚手のフライパンに型を入れ、ふたをしてごく弱火で18分から22分加熱します。底が焦げやすいので、フライパンの場合は途中で型の向きを変えます。

STEP 77 / 8

熱いうちにシロップを含ませる

所要時間12分

手順7: 熱いうちにシロップを含ませる

焼き上がったら型を耐熱台へ移します。シロップが冷めていたら弱火で40℃ほどに温め直し、熱い生地へ3回に分けて回しかけます。1回ごとに2分置き、表面の格子から泡が消えてから次を入れます。シロップを一度に入れると、端だけ甘くなり、中央に入りません。表面がつやっとし、型の底に薄くシロップが見える程度で止めます。余ったシロップは食べる時に少量かけます。

STEP 88 / 8

休ませて菱形に切る

所要時間60分

手順8: 休ませて菱形に切る

火は使いません。粗熱が取れるまで30分置き、表面にラップを直接触れないようにかけてさらに30分休ませます。包丁を湯で温め、水気を拭き、まず縦に幅3cmほど、次に斜めに切って菱形にします。完全に冷める前に深く切れ目を入れると崩れにくく、食べる直前にもう一度包丁を入れると断面がきれいです。できれば密閉容器で一晩置くと、ナッツとサフランの香りが落ち着きます。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

この分量で、直径18cmの丸型1台、8切れから10切れ分です。とても甘い菓子なので、日本の食卓では1切れを小さく切る方が食べやすくなります。18cm丸型がなければ、直径20cmのフライパンでも作れますが、層が薄くなるため焼き時間を3分ほど短くします。

シェキ・ハルヴァの材料として、米粉、薄力粉、ナッツ、カルダモン、コリアンダー、サフラン、砂糖、ボトル、丸型を並べたところ
格子生地用の粉、ナッツ、香辛料、サフランを先に分けると工程で迷わない
7品目

格子生地

材料 分量 日本での選び方
米粉 120g 製菓用の細かい米粉。上新粉だけだとざらつきやすい
薄力粉 40g 米粉だけより割れにくくするために少量入れる
片栗粉 10g 線の表面を軽くする。コーンスターチでも可
塩 ひとつまみ 1g 甘さを締める
水 260ml 冷水。粉の吸水で大さじ1から2調整
卵白 1個分 30g 生地をつなぐ。卵を避ける場合は水を30ml増やすが破れやすい
サラダ油 小さじ2 フライパンに張り付きにくくする
6品目

ナッツのフィリング

材料 分量 日本での選び方
クルミ 120g 無塩。軽くローストしてから使うと香りが立つ
ヘーゼルナッツ 100g なければクルミを220gにする
グラニュー糖 70g きび砂糖でも可。黒糖は香りが強くなりすぎる
カルダモン 小さじ1/2 ホールなら10粒ほど。中の種だけを挽く
コリアンダーシード 小さじ1/3 甘い菓子に意外と合う。苦手なら省く
塩 ひとつまみ 1g ナッツの香りを出す
6品目

サフランシロップと仕上げ

材料 分量 日本での選び方
グラニュー糖 180g 上白糖でも可。色を澄ませたいならグラニュー糖
水 120ml シロップ用
蜂蜜 20g なければ砂糖を20g増やす。香りと保湿感を足す
サフラン 0.1g 10本から15本ほど。熱湯小さじ2で先に色を出す
レモン汁 小さじ1 甘さを少し締め、砂糖の結晶化を抑える
無塩バター 15g 型に塗る。サラダ油でも可
アレルギーと食品安全

このレシピは小麦、卵、クルミ、ヘーゼルナッツを使います。ナッツアレルギーがある場合は代替せず、別の菓子を選んでください。焼き上げ後にシロップを含ませる菓子なので、常温で長く置く場合は清潔な包丁と密閉容器を使い、夏場は冷蔵保存にしてください。

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材料表の分量8人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
45kcal
エネルギー
0.9g
タンパク質
2.4g
脂質
5.5g
炭水化物
0.4g
食物繊維
2mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

甘い格子を割ると、シェキの茶の時間が近づく

シェキ・ハルヴァを切り分け、紅茶と一緒に食卓へ出したところ
小さく切ったシェキ・ハルヴァは紅茶と合わせると甘さがほどける

小鍋で砂糖とサフランを温めると、台所に乾いた花のような香りが立ちます。そこへナッツ、カルダモン、米粉の格子生地が重なると、ただの焼き菓子ではなく、旅先の茶の時間に近いものになります。シェキ・ハルヴァ(Şəki halvası)は、アゼルバイジャン北西部シェキで知られる菓子です。英語では Sheki halva、Sheki pakhlava とも書かれ、薄い格子状の生地、ナッツ、香辛料、サフラン入りシロップを重ねるのが特徴です。

本場のシェキでは、職人が大きな丸い銅鍋や専用の道具を使い、米粉の細い生地を網のように焼きます。上面は赤や黄金色に染まり、切り分けるとナッツの層が見えます。Azerbaijan の知的財産庁が公開する地理的表示資料でも、Şəki halvası は地域名を持つ菓子として扱われています。つまり「ハルヴァ」という名でも、中東の練りごま菓子や小麦粉を炒めるハルヴァとはかなり違います。

日本の台所で同じ設備をそろえるのは現実的ではありません。この記事では、米粉と薄力粉を合わせたゆるい生地を squeeze ボトルでフライパンに流し、家庭のオーブンで重ね焼きする方法に落とし込みます。守るのは、格子生地、粗いナッツ、サフランシロップ、茶に合う濃い甘さの四つ。逆に、銅鍋、専門職人の手つき、現地の鮮やかな着色は無理に真似しません。

同じアゼルバイジャン料理なら、壺で羊肉を煮るピティ、薄焼き包みパンのクタブ、米をラヴァシュで包むシャープロフと並べると、粉、米、煮込み、菓子の幅が見えてきます。甘いシロップ菓子が好きなら、トルコのバクラヴァと比べると、層の作り方の違いがよく分かります。

現地名と表記

アゼルバイジャン語では Şəki halvası と表記されます。Şəki はシェキの地名、halvası はハルヴァを指す語です。英語圏の資料では Sheki halva、Sheki pakhlava の表記も見られるため、この記事では日本語の読みやすさを優先して「シェキ・ハルヴァ」と書きます。

この菓子で守るところ

シェキ・ハルヴァは、ふわふわのケーキでも、パリパリのパイでもありません。焼きたては格子生地が軽く、シロップを含ませるとしっとり重くなり、冷めるとナッツの油分と砂糖がなじみます。翌日の方が切りやすく、香りも落ち着きます。

守るところ 現地らしさ 日本の台所での落とし方
格子状の生地 米粉の細い生地を網のように焼く 米粉と薄力粉を混ぜ、ボトルでフライパンに細く流す
ナッツの層 ヘーゼルナッツやクルミを粗く使う クルミとヘーゼルナッツを半々、なければクルミ多め
香辛料 サフラン、カルダモン、コリアンダーが甘さを締める サフランはシロップへ、カルダモンとコリアンダーは挽きたてを少量
濃い甘さ 小さく切って紅茶と食べる菓子 1切れを小さくし、無糖の紅茶や濃い緑茶に合わせる
休ませる時間 シロップが層に回って切りやすくなる できれば一晩、最低でも1時間置いてから切る

格子生地は、きれいな丸にするより「細い線で隙間を残す」ことが大切です。太いパンケーキ状になると、焼いた後にシロップを吸いすぎて重くなります。逆に線が細すぎると持ち上げる時に破れるので、最初の2枚は練習用と考えてください。

買い出しで迷うもの

米粉、薄力粉、砂糖、クルミは近所のスーパーでそろいます。商品カードで見る価値があるのは、少量でも仕上がりの差が大きいサフラン、ホールのカルダモン、香辛料を細かく挽ける小型ミルです。ナッツやバターで数を増やすより、この菓子の香りを決めるものに絞ります。

失敗しやすいところ

困りごと 起きやすい原因 直し方
格子生地が太くなる 生地が濃い、ボトルの穴が大きい 水を大さじ1足し、先の細いボトルに替える
フライパンからはがれない 温度が低い、油が多すぎる、だまがある 160℃以上まで温め、油を拭き取り、生地をこす
層がべちゃっとする シロップを煮詰め不足、または一度に入れた 105℃前後まで煮て、3回に分けて含ませる
甘さだけが強い 香辛料が少ない、ナッツが細かすぎる カルダモンを挽き直し、ナッツは3mm以上を残す
切ると崩れる 休ませ不足、包丁が冷たい 1時間以上休ませ、温めた包丁で押し切る

最も多い失敗は、格子生地を「きれいに埋めよう」として厚くしてしまうことです。隙間があるからこそ、シロップが入り、ナッツ層が見えます。少し破れても、重ねると目立ちません。見た目の完璧さより、細さと乾き具合を優先してください。

食べ方、保存、作り置き

シェキ・ハルヴァは、焼きたてを大きく食べる菓子ではありません。濃い紅茶、無糖のチャイ、濃いめの緑茶と合わせ、ひと口からふた口で食べる大きさに切ると甘さが気持ちよく収まります。アゼルバイジャンの茶文化では、甘い菓子やジャムを茶に合わせる場面が多く、この菓子も茶の時間に向いています。

常温なら涼しい季節で2日、冷蔵なら4日を目安にします。冷蔵するとシロップが締まるので、食べる15分前に室温へ出してください。冷凍する場合は、1切れずつオーブンシートで挟み、密閉袋に入れて2週間。解凍後はトースターの低温、または120℃のオーブンで5分温めると、表面の格子が少し戻ります。

作り置きするなら、格子生地だけを前日に焼いておくのが一番楽です。焼いた生地は乾燥しやすいので、完全に冷めたら保存袋へ入れ、翌日にナッツと重ねます。シロップまで入れた完成品は、時間がたつほど甘さがなじむ一方、表面の軽さは減ります。贈り物にするなら、作った翌日の午前中が扱いやすいです。

FAQ

米粉だけで作れますか?

作れますが、家庭のフライパンでは破れやすくなります。薄力粉を40g入れると、線がつながりやすく、持ち上げる時に裂けにくくなります。小麦を避けたい場合は、米粉160gと片栗粉15g、水280mlで試せますが、線を太めにし、層は少なめにしてください。

サフランをターメリックで代用できますか?

色だけならターメリック少量で黄色くできます。ただし香りはかなり違います。この菓子ではサフランの乾いた花の香りが重要なので、完全な代用にはなりません。どうしても使わない場合は、カルダモンを少し増やし、蜂蜜を香りのあるものにすると甘さが単調になりにくいです。

ヘーゼルナッツがありません。

クルミだけでも作れます。ヘーゼルナッツは香ばしさと丸い甘さを足す役割なので、代えるならアーモンド60gとクルミ160gの組み合わせが扱いやすいです。ピスタチオだけにすると色はきれいですが、油分と香りが別の菓子に寄ります。

フライパンではなくホットプレートで焼けますか?

焼けます。160から170℃に設定し、油を薄く拭いてから格子生地を流してください。広い面で同時に2枚焼けますが、生地が乾きすぎると割れるため、1枚ずつ持ち上げてすぐ網に取ります。温度が上がりすぎたら一度スイッチを切り、表面を少し冷ましてから続けます。

どの料理と一緒に出すと合いますか?

食後の菓子として出すなら、塩気のある料理の後が向いています。アゼルバイジャン料理の流れでは、ピティやクタブの後に小さく切って出すと、甘さが締めになります。米料理ならシャープロフの後は重くなりやすいので、切れ端くらいの小ささで十分です。

主な参考リンク

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