皿へ逆さに返したパレスチナのマクルーベ。黄金色の米、なす、カリフラワー、鶏肉を重ねた大皿料理
🔪下準備35分
🔥調理70分
🍽️分量4
🌍料理パレスチナ料理

マクルーベの作り方|パレスチナの逆さご飯

約27分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

米を洗って浸水する(25分)

手順1: 米を洗って浸水する(25分)

バスマティ米300gをボウルに入れ、水を3回替えながらやさしく洗います。作業は5分、浸水は20分です。指で強くこすらず、白い濁りが薄くなり、米粒の中心が少し白くふくらむ状態で止めます。火は使いません。20分たったらざるに上げ、10分水を切ります。ざるに残った水がぽたぽた落ち続ける場合は、炊いたときに米が重くなります。

STEP 22 / 7

鶏肉を焼いて煮汁を取る(28分)

手順2: 鶏肉を焼いて煮汁を取る(28分)

鶏肉に塩小さじ1、黒こしょう、オールスパイス小さじ1/2をまぶします。厚手鍋にオリーブオイル大さじ1を入れ、中火で2分温めます。鶏肉を皮目から入れ、中火で片面3分ずつ焼き、表面がきつね色になったら取り出します。同じ鍋に玉ねぎとにんにくを入れ、中火で3分炒めます。水900ml、カルダモン、ローリエを加え、ふつふつしたら鶏を戻し、弱めの中火で20分煮ます。煮汁を500ml量って取り分け、足りない場合は湯を足します。鶏はこの後さらに炊くので、中心まで完全に乾かさず、竹串を刺して透明な汁が出始める程度で止めます。

STEP 33 / 7

野菜を焼き色まで火入れする(25分)

手順3: 野菜を焼き色まで火入れする(25分)

オーブンを200度Cに予熱します。なす、カリフラワー、じゃがいもにオリーブオイル大さじ2、塩小さじ1/2、クミンをからめ、天板に重ならないように広げます。200度Cで20から25分焼き、なすの縁が濃い茶色、カリフラワーの先がきつね色、じゃがいもの表面が乾いて竹串が通る状態にします。フライパンで作る場合は油大さじ3を使い、中火で片面3から4分ずつ焼きます。白い部分が多いまま重ねると、炊く間に水が出ます。

STEP 44 / 7

鍋に層を作る(10分)

手順4: 鍋に層を作る(10分)

鍋の内側にオリーブオイル大さじ1を塗ります。火は止めた状態で作業します。底にトマトを敷き、なすを側面に立てるように並べ、じゃがいも、カリフラワー、鶏肉を詰めます。水を切った米にターメリック、シナモン、残りのオールスパイス、塩小さじ1/2を混ぜ、肉と野菜の上に平らに広げます。米の厚みが均一で、鍋の縁から2cm以上余裕がある状態にします。取り分けた温かい煮汁500mlを、しゃもじや小皿に当てながらゆっくり注ぎ、米の表面を掘らないようにします。

STEP 55 / 7

弱火で炊いて蒸らす(36分)

手順5: 弱火で炊いて蒸らす(36分)

鍋を中火にかけ、3分ほどで縁から小さな泡が出るまで温めます。ふたをして弱火に落とし、18分炊きます。途中でふたを開けず、鍋を揺すりません。18分後、火を止めてふたをしたまま15分蒸らします。目安は、表面の米がふっくら立ち、鍋肌から水音がほぼしない状態です。まだ液体の音がする場合は、弱火で3分追加してから蒸らします。焦げたにおいが出たらすぐ火を止め、余熱で仕上げます。

STEP 66 / 7

皿へ返して休ませる(7分)

手順6: 皿へ返して休ませる(7分)

鍋より一回り大きい平皿を鍋にかぶせます。火は使いません。鍋と皿を両手で強く押さえ、体から少し離した位置で一気に上下を返します。返したら2分そのまま置き、鍋底に残った蒸気で層を落ち着かせます。鍋の側面を木べらの柄で軽く3回たたき、ゆっくり持ち上げます。崩れそうな気配があるときは、鍋を完全に外さず、1cm持ち上げて10秒待つと米が皿側に落ちます。

STEP 77 / 7

ナッツと香草で仕上げる(5分)

手順7: ナッツと香草で仕上げる(5分)

小さなフライパンにアーモンドスライスを入れ、弱火で2から3分乾煎りします。淡いきつね色になり、甘い香りが立ったらすぐ皿へ移します。パセリは3mm幅に粗く刻み、マクルーベの上にアーモンドと一緒に散らして、10分以内に食卓へ出します。ヨーグルトにはレモン汁大さじ1/2、塩ひとつまみを混ぜます。刻みサラダはきゅうりとトマトを8mm角に切り、残りのレモン汁、塩小さじ1/4で作ると、米の油と鶏の香りが重くなりません。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

マクルーベに使うバスマティ米、鶏肉、なす、カリフラワー、じゃがいも、スパイス
バスマティ米、骨付き鶏もも、なす、カリフラワー、じゃがいも、玉ねぎ、温かいスパイスをそろえる
8品目

米、肉、野菜

材料 分量 役割
バスマティ米 300g 粒が長く、炊き上がりが軽い。日本米に替える場合は後述
骨付き鶏もも肉 4本、約700g 煮汁が米の味になる。骨なしなら600g
なす 2本、約260g 甘さと油の香りを作る。1.5cm厚の輪切り
カリフラワー 1/2株、約350g 崩れにくい房に切り、焼き色をつける
じゃがいも 2個、約260g 鍋底の支えになる。1.5cm厚の輪切り
トマト 1個、約150g 鍋底に敷き、返したときの表面をしっとりさせる
玉ねぎ 1/2個、約100g 鶏の煮汁に甘みを出す
にんにく 2片、約10g 煮汁の土台
10品目

スパイスと煮汁

材料 分量 役割
オリーブオイル 大さじ4 野菜を焼く油と鍋に塗る油
塩 小さじ2 鶏、野菜、米に分けて使う
黒こしょう 小さじ1/2 鶏の下味
オールスパイス 小さじ1 レバントらしい甘い香り
シナモンパウダー 小さじ1/2 米の香りを丸くする
ターメリック 小さじ1/2 米を淡い黄色にする
クミンパウダー 小さじ1/2 野菜と鶏の香りをつなぐ
カルダモンホール 3粒 鶏の煮汁に入れる
ローリエ 1枚 煮汁の香り
水 900ml 鶏を煮て、米用の煮汁500mlを取る
6品目

仕上げと添えもの

材料 分量 役割
アーモンドスライス 30g 乾煎りして上に散らす。松の実でも同量
パセリ 10g 粗く刻んで香りを足す
プレーンヨーグルト 200g 皿に添える。乳アレルギーがある場合は出さない
きゅうり 1本、約100g 刻みサラダ用
トマト 1個、約150g 刻みサラダ用
レモン汁 大さじ1 サラダとヨーグルトの酸味

鶏肉、ナッツ、乳製品を使います。アレルギーがある場合は、鶏肉をひよこ豆240g、アーモンドを白ごま小さじ2、ヨーグルトを刻みサラダだけに替えてください。固形ブイヨンを使う場合は、小麦や乳成分が入るものがあるので表示を確認します。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
173kcal
エネルギー
8.3g
タンパク質
7.0g
脂質
19.0g
炭水化物
1.8g
食物繊維
280mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

買い出しで見る価値があるもの

マクルーベは、鶏肉やなすを高い材料に替えるより、米と鍋を外さない方が結果が変わります。バスマティ米は米の軽さ、オールスパイスはレバントらしい温かい香り、厚手鍋は返す前の形を保つために効きます。

鍋を返す瞬間まで、食卓が少し静かになる

ヨーグルトと刻みサラダを添えたマクルーベの食卓
マクルーベは返した大皿を中央に置き、ヨーグルトや刻みサラダで米の濃さを受け止める

大きな皿を鍋にかぶせ、両手で押さえて一気に返す。マクルーベは、この数秒のために台所の空気が少し変わる料理です。ふたを開ける前から、スパイスを吸った鶏の湯気、なすの甘い香り、鍋底で蒸された米の香ばしさが立っています。けれど、成功か失敗かは皿に返すまで分からない。だから家族が近くに寄ってきます。

マクルーベ、マクルーバ、マクルーベフ、マクルーバとも書かれるこの料理は、アラビア語の「ひっくり返したもの」を意味する言葉に由来します。米、肉、野菜を鍋に重ね、炊き上がったら上下を返して大皿に出すレバントの米料理です。パレスチナの家庭料理としてよく語られますが、ヨルダン、シリア、レバノンにも家ごとの形があります。

日本の台所で難しいのは、食材をそろえることより、米を重くしないことです。なすやカリフラワーを生のまま重ねると水が出て、皿に返した瞬間に崩れます。逆に油で強く揚げすぎると、米が油を吸って重くなります。この記事では、野菜をオーブンで焼き、鶏の煮汁を量って使い、鍋を返す前にしっかり休ませる作り方に寄せます。

同じパレスチナの鶏料理なら、スマックと玉ねぎを主役にするムサッハンがあります。野菜に米と肉を詰める方向で比べるなら、かぶを酸味ソースで煮るマハシー・リフトも近い位置にあります。米料理の流れで比べるなら、ヨーグルトソースをかけるヨルダンのマンサフ、スパイス米を炊くサウジアラビアのカプサ、湾岸のマチュブースと並べると、中東の米料理の違いが見えやすくなります。

日本の台所で本場に寄せる分岐表

パレスチナ家庭のマクルーベは、家ごとの鍋、米、野菜の季節感が出る料理です。日本で再現するときは、全部を輸入食材に寄せるより、守るところと替えるところを分けた方が作り続けやすくなります。

迷うところ 守りたい点 日本での現実的な分岐
米 粒が離れ、煮汁を吸っても重くならないこと 初回はバスマティ米。日本米なら水を450mlに減らし、浸水なしで洗ってすぐ使う
野菜 なすやカリフラワーに先に焼き色をつけること 揚げずに200度Cのオーブンで焼く。油は少なくても香りが出る
肉 煮汁を米の味にすること 骨付き鶏が扱いやすい。ラムなら同量で、煮時間を30分にする
スパイス オールスパイスとシナモンの温かさ バハラットがあれば小さじ2で置き換え。なければ本文の配合で十分
鍋 直径20から22cmで層を詰めること 底が薄い鍋は焦げやすい。厚手鍋か鋳物鍋を使い、弱火を守る
返し方 炊き上がり後に休ませ、皿を密着させること 大皿がない場合は平らなオーブン皿を使う。深い皿は鍋を外しにくい

バスマティ米が見つからない場合、日本米でも料理としては成立します。ただし、粘りが出るため「逆さ炊き込みご飯」に近づきます。日本米で作る日は、米を長く浸水せず、煮汁を少し減らし、返す前の蒸らしを20分に伸ばします。粒の形は変わりますが、鶏の煮汁を吸った野菜の香りは残せます。

崩れる、水っぽい、焦げる原因

粒立ちのよいマクルーベと水分が多く崩れた米を並べた比較
左は米粒が立った状態、右は水分が多く米が団子状になった状態。煮汁量と蒸らしで差が出る
状態 主な原因 次回の直し方
皿に返した瞬間に崩れる 野菜の水分が多い、鍋の中が緩い、蒸らし不足 野菜を濃いめに焼き、米と具を軽く押さえ、返す前に15分以上休ませる
米がべたつく 米を強く洗って割れた、煮汁が多い、日本米を同じ水分で炊いた 米はやさしく洗う。バスマティで煮汁500ml、日本米で450mlにする
鍋底が焦げる 中火の時間が長い、底が薄い、煮汁が少ない 沸いたらすぐ弱火。焦げ臭がしたら止め、蒸らしで仕上げる
鶏が薄味 下味が少ない、煮汁を米に全部吸わせて肉に塩が残らない 鶏に塩小さじ1を先にまぶす。煮汁も味見して、軽いスープ程度に整える
返した表面が寂しい トマトやなすが少ない、具を底に詰めていない 底にトマト、側面になすを置く。見せたい具を最初に鍋へ入れる

失敗しても、味は救えます。崩れた日は無理に成形し直さず、ヨーグルト、刻みサラダ、レモンを多めに添えて大皿ご飯として出します。水っぽい日は、ふたを外して弱火で3分温め、火を止めて10分置くと、余分な蒸気が抜けます。

保存と翌日の食べ方

保存容器に分けたマクルーベと、別にしたヨーグルトと刻みサラダ
マクルーベは米と具だけを保存し、ヨーグルトや刻みサラダは別容器に分ける

残ったマクルーベは、米と具だけを保存容器に移します。粗熱を30分ほどで取り、冷蔵で2日を目安に食べ切ります。ヨーグルト、刻みサラダ、レモンは一緒に入れないでください。水分と酸味が米に入り、翌日べたつきます。

温め直しは、1人分を耐熱皿に広げ、水小さじ2をふり、ふんわりラップをして600Wで90秒です。米の中心がまだ冷たい場合は、30秒ずつ追加します。フライパンで温めるなら、油小さじ1を引き、弱火で4分、ふたをして温めます。底に軽く焼き色がつくので、翌日はこの方法の方が香ばしくなります。

作り置きとして前日に全部炊いて返すより、野菜を焼く、鶏を煮る、米を洗う直前までで止める方がきれいに仕上がります。当日は鍋に重ねて炊くだけにすると、米の粒立ちと返したときの形が残ります。

よくある質問

Q1. マクルーベとマクルーバは同じ料理ですか?

同じ料理を指す表記違いです。英語でも maqluba、maqlooba、maqlouba、makloubeh など複数の表記があります。日本語ではマクルーベ、マクルーバ、マクローバと書かれることがあります。

Q2. バスマティ米がないと作れませんか?

作れますが、仕上がりは変わります。バスマティ米は粒が長く、煮汁を吸っても軽くほどけます。日本米を使う場合は、洗ったら長く浸水せず、煮汁を450mlに減らし、返す前の蒸らしを20分にしてください。

Q3. 野菜は揚げないと本場らしくなりませんか?

伝統的には揚げる家庭も多いですが、オーブン焼きでも十分に香りが出ます。大事なのは油の量ではなく、野菜の表面の水分を飛ばして焼き色をつけることです。日本の家庭では、200度Cのオーブンで20から25分焼く方が安定します。

Q4. 肉を使わないマクルーベにできますか?

できます。鶏肉の代わりに水気を切ったひよこ豆240gを使い、煮汁は野菜だし500mlにします。ひよこ豆は鍋の中央に入れると崩れにくく、なすとカリフラワーの香りで満足感が出ます。

Q5. 返すのが怖いときはどうすればよいですか?

直径が鍋より5cm以上大きい平皿を使い、鍋と皿を密着させます。返した後にすぐ鍋を外さず、2分待つことが一番大切です。最初から高い塔を狙わず、鍋の8分目までで作ると安全です。

Q6. 何を添えると食べやすいですか?

プレーンヨーグルト、きゅうりとトマトの刻みサラダ、オリーブ、ピクルスが合います。米と鶏の香りが濃い料理なので、冷たく酸味のあるものを添えると一皿で食べ疲れません。

主な参考リンク

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