ムサッハン。スマックで赤く染まった玉ねぎとローストチキンをフラットブレッドにのせたパレスチナ料理
🔪下準備25分
🔥調理65分
🍽️分量4
🌍料理パレスチナ料理
中東レシピ

ムサッハンの作り方|パレスチナの鶏パン

23分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 玉ねぎを油で煮る(25分)
STEP 11 / 7

玉ねぎを油で煮る(25分)

赤玉ねぎは繊維に沿って5mm幅に切ります。大きなフライパンにオリーブオイル100mlと玉ねぎ、塩小さじ1を入れ、弱めの中火で5分温めます。全体がしんなりしてきたら弱火に落とし、木べらで鍋底を返しながら20分煮ます。目安は、玉ねぎの量が半分になり、端が少し透き通り、油が赤玉ねぎの色を帯びる状態です。茶色い焦げを作る料理ではないので、鍋底が乾いたら水大さじ2を足して温度を下げます。

手順2: スマック玉ねぎにする(4分)
STEP 22 / 7

スマック玉ねぎにする(4分)

火を弱火のままにして、スマック大さじ3、黒こしょう、オールスパイス、クミンを加えます。2分混ぜ、粉っぽさがなくなって油が赤紫に染まったら火を止めます。残りのオリーブオイル20mlを加えて2分置き、玉ねぎが油を抱いた状態にします。酸味の香りが立ち、玉ねぎを持ち上げると油がゆっくり落ちるくらいが目安です。ここで強火にするとスマックが苦くなるので、香りを出すだけに留めます。

手順3: 鶏肉に下味を入れる(15分)
STEP 33 / 7

鶏肉に下味を入れる(15分)

鶏肉は皮目を上にして置き、骨の横に包丁で長さ5cm、深さ5mmほどの浅い切り込みを2本入れます。塩小さじ1、レモン汁大さじ2、スマック大さじ1をすり込み、室温で15分置きます。冷蔵庫から出した直後の冷たい肉は火が入りにくいので、表面が冷たすぎない状態に戻します。皮の上にスマックがまだらに残り、切り込みの中まで塩が入っていれば十分です。

手順4: 鶏肉を高温で焼く(30分)
STEP 44 / 7

鶏肉を高温で焼く(30分)

オーブンを220℃に予熱します。天板にオーブンシートを敷き、鶏肉を皮目を上にして並べます。220℃で25〜30分焼き、皮が濃いきつね色になり、竹串を刺した汁が透明になったら取り出します。中心温度計があれば厚い部分で75℃が目安です。骨なし肉を使う場合は20〜23分で確認します。焼き汁はパンに少量かけるので捨てません。

手順5: パンに玉ねぎを広げる(5分)
STEP 55 / 7

パンに玉ねぎを広げる(5分)

オーブンを200℃に下げます。フラットブレッドを天板に置き、スマック玉ねぎを1枚につき1/4量ずつ広げます。端から2cmだけ余白を残し、中央は厚さ1cmほどにします。鶏の焼き汁を1枚につき小さじ2だけ回しかけ、200℃で3分温めます。パンの縁が少し乾き、中央は油を吸ってしっとりしている状態が目安です。

手順6: 鶏肉をのせて焼き戻す(10分)
STEP 66 / 7

鶏肉をのせて焼き戻す(10分)

温めたパンの上に焼いた鶏肉をのせます。鶏の皮を上にし、玉ねぎを少し持ち上げて肉の下にも入れます。200℃のオーブンで8〜10分焼き戻し、パンの縁が軽く反り、玉ねぎから小さな泡が出たら取り出します。焦げやすいオーブントースターの場合は180℃に下げ、途中5分で向きを変えます。パンの底が黒くなる前に止めるのが大事です。

手順7: ナッツとレモンで仕上げる(4分)
STEP 77 / 7

ナッツとレモンで仕上げる(4分)

小さなフライパンに松の実を入れ、弱火で2〜3分乾煎りします。薄いきつね色になり、香りが立ったらすぐ皿に出します。パセリは3mm幅に刻み、松の実と残りのスマック小さじ2を鶏肉の上と玉ねぎの余白へ均等に散らします。レモンはくし形4切れで皿の端に置きます。食べる直前にレモンを搾り、パンを6〜8cm角ほどにちぎって玉ねぎと鶏を包むように食べます。ナッツは余熱で焦げるので、フライパンに置きっぱなしにしません。

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Ingredients

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材料スライド
13品目

買い出しの前に

ムサッハンの材料。鶏もも肉、赤玉ねぎ、スマック、オリーブオイル、フラットブレッド、レモン、ナッツ、香草
スマック、赤玉ねぎ、オリーブオイル、鶏肉、平たいパンを先に揃える。パンはナンや厚めのピタで代用できる
材料 分量 日本での代替・注意
骨付き鶏もも肉 4本、約900g 骨なし鶏もも肉なら700g。焼き時間を7分短くする
赤玉ねぎ 中4個、約800g 普通の玉ねぎでも作れるが甘みが強く、色は淡くなる
エキストラバージンオリーブオイル 120ml 80ml未満に減らすとパンが乾く。香りの強いものが向く
スマック 大さじ4、約28g 味の核。レモン汁だけでは代替しきれない
レモン汁 大さじ2 鶏肉の下味用。仕上げのくし形レモンは別に用意
小さじ2 鶏肉用小さじ1、玉ねぎ用小さじ1に分ける
黒こしょう 小さじ1/2 粗びきが合う
オールスパイス 小さじ1 なければシナモン小さじ1/4とナツメグ小さじ1/4
クミンパウダー 小さじ1/2 香りを丸くする。入れすぎると別料理に寄る
フラットブレッド 4枚、直径18〜22cm タブーン、ナン、厚めのピタ、ラヴァシュ。甘いパンは避ける
松の実 大さじ3、約25g スライスアーモンド30gでもよい。ナッツアレルギーなら抜く
イタリアンパセリ 10g 青ねぎ小口切り15gでもよい
レモン 1/2個 くし形に切って食卓で搾る
アレルギー物質について

この料理には鶏肉、小麦、ナッツ類を使います。ナッツアレルギーがある場合は松の実とアーモンドを入れず、香ばしさは白ごま小さじ2で補います。小麦を避ける場合は米粉トルティーヤで作れますが、パンが油を吸う食感は変わります。

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この料理の買い出し

買い出しガイド

この料理に使う食材・道具

スマックとオリーブオイルは、ムサッハンの味を決める材料です。どちらかを削るより、鶏肉を骨なしにする、松の実をアーモンドに替えるほうが味の芯は残ります。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。
📊 栄養情報(1人分)
190
kcal
10.8g
タンパク質
11.3g
脂質
12.0g
炭水化物
1.3g
食物繊維
325mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料と買い出し — スマックだけは先に確保する

ムサッハンの材料。鶏もも肉、赤玉ねぎ、スマック、オリーブオイル、フラットブレッド、レモン、ナッツ、香草
スマック、赤玉ねぎ、オリーブオイル、鶏肉、平たいパンを先に揃える。パンはナンや厚めのピタで代用できる
材料 分量 日本での代替・注意
骨付き鶏もも肉 4 本、約900 g 骨なし鶏もも肉なら700 g。焼き時間を7分短くする
赤玉ねぎ 中4 個、約800 g 普通の玉ねぎでも作れるが甘みが強く、色は淡くなる
エキストラバージンオリーブオイル 120 ml 80 ml未満に減らすとパンが乾く。香りの強いものが向く
スマック 大さじ4、約28 g 味の核。レモン汁だけでは代替しきれない
レモン汁 大さじ2 鶏肉の下味用。仕上げのくし形レモンは別に用意
小さじ2 鶏肉用小さじ1、玉ねぎ用小さじ1に分ける
黒こしょう 小さじ1/2 粗びきが合う
オールスパイス 小さじ1 なければシナモン小さじ1/4とナツメグ小さじ1/4
クミンパウダー 小さじ1/2 香りを丸くする。入れすぎると別料理に寄る
フラットブレッド 4 枚、直径18〜22cm タブーン、ナン、厚めのピタ、ラヴァシュ。甘いパンは避ける
松の実 大さじ3、約25 g スライスアーモンド30 gでもよい。ナッツアレルギーなら抜く
イタリアンパセリ 10 g 青ねぎ小口切り15 gでもよい
レモン 1/2 個 くし形に切って食卓で搾る
アレルギー物質について

この料理には鶏肉、小麦、ナッツ類を使います。ナッツアレルギーがある場合は松の実とアーモンドを入れず、香ばしさは白ごま小さじ2で補います。小麦を避ける場合は米粉トルティーヤで作れますが、パンが油を吸う食感は変わります。

ムサッハンの物語 — 玉ねぎの赤い油がパンに染みる

台所で赤玉ねぎを切り始めると、まだ火をつけていないのに少しだけ食卓が中東へ寄ります。そこへオリーブオイルをたっぷり注ぎ、弱めの火でじわじわ煮る。玉ねぎが透き通り、スマックの赤紫が油に溶けるころ、鍋の前にいる人だけが先に知っている香りが立ちます。酸味のある香り、鶏の脂、焼けたパンの小麦。ムサッハンは、その三つを手でちぎって食べる料理です。

ムサッハン(Musakhan / مسخّن)は、パレスチナの家庭料理として知られるスマックチキンの大皿料理です。ローストした鶏肉を、スマックとオリーブオイルで煮た玉ねぎ、タブーンと呼ばれる平たいパンに重ねます。現地ではオリーブの収穫期、新しい油を味わう食卓と結びつけて語られることが多く、家族や友人でパンをちぎりながら食べる一皿です。

ムサッハンを大皿で囲む食卓。スマック玉ねぎ、鶏肉、パン、レモン、青菜が並ぶ
ムサッハンは大皿から手でパンをちぎって食べる料理。酸味、油、鶏の旨みをパンが受け止める

日本で作るときの難所は、珍しい材料よりも火加減です。玉ねぎを焦がすと苦くなり、油を怖がって減らしすぎるとパンが乾きます。タブーンが手に入らない日でも、ナンや厚めのピタで十分に近づけられます。守るべきは、スマックの酸味、オリーブオイルの量、玉ねぎを茶色く焼き切らないこと。この三つです。

日本の台所で寄せる分岐

タブーンがない日のパン選び

現地のタブーンは、表面に小さな焼き目があり、油と汁を吸っても破れにくい平たいパンです。日本で探すなら、厚めのピタ、ナン、ラヴァシュの順に扱いやすいです。薄いトルティーヤは巻きやすい一方、油を吸うと破れます。使うなら2枚重ねにし、焼き戻しを180℃で短めにしてください。甘いナンやバターの強いパンは、スマックの酸味を鈍らせます。

骨付き肉と骨なし肉の違い

骨付き鶏もも肉は焼き時間が長い分、皮が香ばしく、パンに落ちる焼き汁も濃くなります。骨なし鶏もも肉で作ると食べやすく、平日の夕食向きです。ただし、焼き汁が少ないため、パンにかける油を小さじ1増やします。鶏むね肉で作るなら、厚さを均一に開き、220℃ではなく200℃で18〜20分。中心が75℃に届いたらすぐ出すと乾きにくくなります。

スマックの代用はどこまでできるか

スマックは赤い実を乾かして粉にした、酸味のあるスパイスです。レモン汁だけで置き換えると酸味は出ますが、赤い色と乾いた香りが抜けます。どうしても手に入らない日は、レモン汁大さじ2、ゆかり小さじ1/2、パプリカパウダー小さじ1/2を混ぜると雰囲気は近づきます。ただし、梅の香りが出るため別物です。ムサッハンを一度作るなら、スマックだけは買う価値があります。

食べ方、保存、次の献立

ムサッハンの保存。鶏肉、スマック玉ねぎ、パンを別々の容器に分けている
保存は鶏肉、玉ねぎ、パンを分ける。翌日は玉ねぎと鶏を温めてからパンにのせるとべちゃつかない

ムサッハンは、ナイフできれいに切るより、パンをちぎって食べる料理です。大皿にのせ、ヨーグルト、きゅうり、オリーブ、青菜、ピクルスを横に置くと、油のある一皿でも重くなりません。酸味を重ねたい日は、レモンを多めに。辛みがほしい日は、唐辛子よりも黒こしょうを少し増やすほうがスマックの香りを壊しません。

作り置きする場合は、鶏肉、スマック玉ねぎ、パンを分けて冷蔵します。鶏肉と玉ねぎは2日以内、パンは当日中が目安です。翌日は玉ねぎをフライパンで弱火5分、鶏肉を180℃のオーブンで8分温め、最後にパンへ重ねます。全部を一緒に保存すると、パンが油を吸い切って重くなります。

中東の献立として広げるなら、米で満足感を足す日はサウジアラビアのカプサ、ヨーグルトの酸味でつなぐ日はヨルダンのマンサフがよい相手です。大皿をひっくり返して米と鶏を主役にするなら、同じパレスチナ料理のマクルーベに進むと食卓の見せ方が変わります。軽い前菜を置くならフムスタブーレ。肉を焼く香りで寄せるなら、トルコのキョフテと並べると、スマック、オリーブオイル、香草の使い分けが見えます。

よくある失敗

玉ねぎが苦い

火が強すぎます。ムサッハンの玉ねぎは、茶色いキャラメル玉ねぎではありません。弱めの中火で始め、しんなりしたら弱火へ落とし、25分かけて油で煮る感覚です。焦げた点が出たら、水大さじ2を入れて温度を下げます。

パンがべちゃっと重い

玉ねぎの油は必要ですが、焼き戻しが足りないと重くなります。パンだけに玉ねぎを広げて200℃で3分温め、そのあと鶏肉をのせて8〜10分焼く二段階にすると、縁は軽く、中央はしっとりします。保存時は必ずパンを分けます。

鶏肉が乾く

骨なし肉やむね肉で起きやすい失敗です。骨付きなら220℃で25〜30分、骨なしもも肉なら20〜23分、むね肉なら200℃で18〜20分を目安にし、中心温度75℃で止めます。焼き上がり後すぐパンにのせず、5分置くと肉汁が落ち着きます。

スマックの酸味が弱い

古いスマックは香りが抜けます。開封後は密閉して冷暗所に置き、半年以内に使い切ると香りが残ります。仕上げに小さじ2を追加で振ると、加熱で飛んだ酸味を戻せます。レモン汁を増やすだけだと、料理全体が水っぽくなるので注意してください。

参考文献

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行ムサッハンの作り方|パレスチナの鶏パン
URL
https://sekaigohan.com/recipes/middle-east/palestine/musakhan
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月15日
主な参考リンク
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