黒いカサリープの煮汁で牛肉を煮込んだガイアナのペッパーポット
🔪下準備30分
🔥調理3時間20分
🍽️分量4
🌍料理ガイアナ料理
南米レシピ

ペッパーポットの作り方|ガイアナの黒い肉煮込み

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 肉に下味を入れる(15分、休ませ20分)
STEP 11 / 7

肉に下味を入れる(15分、休ませ20分)

牛肉、豚肉、骨付き肉を4cm角にそろえ、塩、黒こしょう、おろしにんにく、おろし生姜、タイムをもみ込みます。火は使いません。室温が高い日は冷蔵庫で20分休ませ、調理10分前に出します。肉の表面に塩がなじみ、少し水分が出ている状態が目安です。

手順2: 肉を焼き付ける(10分)
STEP 22 / 7

肉を焼き付ける(10分)

厚手鍋に油小さじ2を入れ、中強火で1分温めます。肉を2回に分けて入れ、各面を合計8から10分焼きます。中まで火を通す必要はありません。表面に濃い焼き色がつき、鍋底に茶色い旨みが残るところで取り出します。焦げが黒くなり始めたら火を中火へ落とします。

手順3: 香味野菜とスパイスを炒める(5分)
STEP 33 / 7

香味野菜とスパイスを炒める(5分)

火を中火にし、鍋に玉ねぎ5mm角、にんにくのみじん切り、生姜のみじん切りを入れます。2分炒めて玉ねぎが透き通り始めたら、シナモン、クローブ、オールスパイス、ブラウンシュガーを入れ、さらに3分炒めます。香りが立ち、砂糖が鍋肌で細かく泡立つ状態が目安です。

手順4: カサリープと水を入れて煮立てる(5分)
STEP 44 / 7

カサリープと水を入れて煮立てる(5分)

肉を鍋に戻し、カサリープ120mlを回しかけます。中火のまま1分混ぜ、黒い液が薄いシロップのようにとろりとして肉全体に絡み始めたら、水または無塩ストック700mlを加えます。ふつふつ沸くまで3から4分温め、表面の泡と灰色のアクをすくいます。代替液を使う場合もここで全量入れます。

手順5: 弱火でゆっくり煮込む(2時間30分から3時間)
STEP 55 / 7

弱火でゆっくり煮込む(2時間30分から3時間)

スコッチボネットを丸ごと、オレンジの皮を1枚入れます。ふたを少しずらし、弱火で85から95℃を保ちながら2時間30分から3時間煮込みます。煮汁の表面が静かに揺れ、小さな泡が2秒に1回上がる程度です。30分ごとに鍋底を木べらでなぞり、肉が煮汁から出るなら水を50ml足します。

手順6: 柔らかさと濃度を決める(15分)
STEP 66 / 7

柔らかさと濃度を決める(15分)

肉に箸を刺し、抵抗が少なく入れば仕上げに入ります。ふたを外し、弱火のまま10から15分煮詰めます。煮汁にとろみがつき、木べらで引いたとき鍋底が一瞬見え、すぐ戻る濃度が目安です。辛さを強くしたい場合だけ、ここでスコッチボネットを少し押して香りを出します。辛さを抑えたい場合は丸ごと取り出します。

手順7: パンと盛り付ける(5分)
STEP 77 / 7

パンと盛り付ける(5分)

火を止め、シナモン、クローブ、オレンジの皮を取り出します。5分休ませると脂が表面に少し浮くので、重すぎる場合は大さじ1から2だけすくいます。深い器に肉と煮汁を盛り、軽く焼いたパンを添えます。温め直す場合は弱火で5から8分、煮汁がふつふつ戻るまで温めます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

ペッパーポットに使う牛肉、豚肉、スパイス、唐辛子、黒い調味液を台所に並べたところ
ペッパーポットの材料。カサリープ、肉、温かいスパイス、唐辛子が味の柱になる

肉は牛すねだけでも作れますが、少し脂のある豚肩を混ぜると、パンで食べたときの満足感が出ます。牛テールは高くなりやすいので、手に入る日だけで構いません。骨付き肉を入れる場合は、その分だけ煮汁に深みが出ます。

8品目

肉と下味

材料 分量 メモ
牛すね肉または牛肩ロース 650g 4cm角。煮込み用の厚い部位を選ぶ
豚肩ロース 300g 4cm角。脂が多すぎる場合は表面を少し落とす
牛テールまたは骨付きスペアリブ 250g 省略可。入れると煮汁が濃くなる
小さじ1と1/2 肉全体に先に入れる
黒こしょう 小さじ1/2 粗びきが合う
おろしにんにく 2かけ分 約10g
おろし生姜 15g 皮をむいてすりおろす
タイム 生4枝、または乾燥小さじ1 生がなければ乾燥でよい
11品目

煮汁

材料 分量 メモ
カサリープ 120ml 可能なら最優先で用意する
水または無塩のビーフストック 700ml 肉が8割浸る程度
玉ねぎ 1/2個 5mm角のみじん切り
にんにく 2かけ 細かいみじん切り
生姜 10g 細かいみじん切り
シナモンスティック 2本 パウダーなら小さじ1/3
クローブ 6粒 噛むと強いので最後に取り出す
オールスパイス 小さじ1 ホールなら8粒、パウダーでも可
ブラウンシュガー 大さじ1 カサリープの苦みを丸める
スコッチボネット 1個 穴を開けず丸ごと。割ると辛さが強い
オレンジの皮 5cm角1枚 省略可。白い部分は苦いので薄くむく
5品目

カサリープがない日の代替液

材料 分量 役割
黒蜜またはモラセス 大さじ3 黒い甘み
濃口醤油 大さじ2 塩味とうまみ
バルサミコ酢 大さじ1 酸味と焦がした香り
インスタントコーヒー 小さじ1/2 ほろ苦さ
大さじ2 濃度調整

代替液はすべて混ぜてから使います。カサリープにはキャッサバ由来の個性があるため、代替液で作ったものを「本格」と言い切るのは避けます。ただし、黒い甘苦さ、スパイス、唐辛子、長時間煮込みを守れば、ペッパーポットを知る入口としては十分に意味があります。

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📊 栄養情報(1人分)
145
kcal
11.5g
タンパク質
8.8g
脂質
5.0g
炭水化物
0.5g
食物繊維
330mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料:4人分

ペッパーポットに使う牛肉、豚肉、スパイス、唐辛子、黒い調味液を台所に並べたところ
ペッパーポットの材料。カサリープ、肉、温かいスパイス、唐辛子が味の柱になる

肉は牛すねだけでも作れますが、少し脂のある豚肩を混ぜると、パンで食べたときの満足感が出ます。牛テールは高くなりやすいので、手に入る日だけで構いません。骨付き肉を入れる場合は、その分だけ煮汁に深みが出ます。

肉と下味

材料 分量 メモ
牛すね肉または牛肩ロース 650 g 4cm角。煮込み用の厚い部位を選ぶ
豚肩ロース 300 g 4cm角。脂が多すぎる場合は表面を少し落とす
牛テールまたは骨付きスペアリブ 250 g 省略可。入れると煮汁が濃くなる
小さじ1と1/2 肉全体に先に入れる
黒こしょう 小さじ1/2 粗びきが合う
おろしにんにく 2 かけ分 約10 g
おろし生姜 15 g 皮をむいてすりおろす
タイム 生4枝、または乾燥小さじ1 生がなければ乾燥でよい

煮汁

材料 分量 メモ
カサリープ 120 ml 可能なら最優先で用意する
水または無塩のビーフストック 700 ml 肉が8割浸る程度
玉ねぎ 1/2 個 5mm角のみじん切り
にんにく 2 かけ 細かいみじん切り
生姜 10 g 細かいみじん切り
シナモンスティック 2 本 パウダーなら小さじ1/3
クローブ 6粒 噛むと強いので最後に取り出す
オールスパイス 小さじ1 ホールなら8粒、パウダーでも可
ブラウンシュガー 大さじ1 カサリープの苦みを丸める
スコッチボネット 1 個 穴を開けず丸ごと。割ると辛さが強い
オレンジの皮 5cm角1 枚 省略可。白い部分は苦いので薄くむく

カサリープがない日の代替液

材料 分量 役割
黒蜜またはモラセス 大さじ3 黒い甘み
濃口醤油 大さじ2 塩味とうまみ
バルサミコ酢 大さじ1 酸味と焦がした香り
インスタントコーヒー 小さじ1/2 ほろ苦さ
大さじ2 濃度調整

代替液はすべて混ぜてから使います。カサリープにはキャッサバ由来の個性があるため、代替液で作ったものを「本格」と言い切るのは避けます。ただし、黒い甘苦さ、スパイス、唐辛子、長時間煮込みを守れば、ペッパーポットを知る入口としては十分に意味があります。

鍋のふたを少しずらすと、黒蜜のような甘い香りの奥から、シナモン、クローブ、唐辛子、肉の脂がゆっくり立ち上がります。ガイアナのペッパーポットは、見た目だけならビーフシチューの親戚に見えるかもしれません。でも、ひと口めはもっと複雑です。甘い、苦い、辛い、酸味が少しある。パンをちぎって黒い煮汁を吸わせると、朝食なのに祝日の食卓がもう始まっているような料理です。

現地で中心になるのはカサリープ(cassareep)。キャッサバ由来の黒い調味液で、色、香り、保存性、ほろ苦さをまとめて担います。日本では手に入りにくいため、この記事では「カサリープを使う本来の方向」と「どうしても買えない日の代替」を分けて書きます。代替で作る場合は、厳密にはペッパーポット風です。ただ、何を守ればガイアナらしい方向へ寄せられるのかを押さえれば、日本の台所でも十分に楽しい煮込みになります。

ジャマイカのジャークチキンのようにスコッチボネットで香りを出し、トリニダードのペラウのように甘い焦がしのニュアンスを使い、ハイチのグリオのように肉を祝日の中心へ置く。ペッパーポットは、カリブ海側の料理をつないで見ると立体的になります。

ペッパーポットはどんな料理か

ペッパーポットは、牛肉、豚肉、牛テール、カウヒールなどを、カサリープ、シナモン、クローブ、オールスパイス、唐辛子で長く煮るガイアナ料理です。とくにクリスマスの朝にパンと食べる話がよく語られますが、家庭ごとの鍋で味が違い、肉の組み合わせも一つに固定されません。英語圏のレシピでは、牛肉だけ、豚肉入り、牛テール入り、鶏肉入りなど幅があります。

大事なのは「黒い色の濃い肉煮込み」だけで終わらせないことです。カサリープの苦み、スパイスの温かさ、スコッチボネットの果実っぽい香り、パンに吸わせたときの濃度が料理の芯になります。カサリープがない場合は、黒蜜やモラセス、醤油、酢、コーヒーを組み合わせて近づけますが、キャッサバ由来の香りと保存性までは置き換えられません。

見るポイント ガイアナのペッパーポットで大切なこと
現地語名 Pepperpot。カサリープ入りのガイアナ式を指すことが多い
主材料 牛すね、豚肩、牛テールなど、煮込むほど味が出る肉
香り カサリープ、シナモン、クローブ、オールスパイス、スコッチボネット
食べ方 パンを添え、黒い煮汁を吸わせる。米よりパンの相性が強い
日本で守る軸 カサリープ、または甘苦い黒い煮汁。弱火で長く煮ること

買い出しで外したくないもの

カサリープの代替に使う黒蜜、モラセス、醤油、酢、コーヒー、温かいスパイスを小皿に分けたところ
カサリープがない日の代替材料。黒い甘み、塩味、酸味、苦みを分けて考える

カサリープが見つかるなら、それが最優先です。見つからない場合でも、オールスパイス、スコッチボネット系の辛み、厚手鍋は結果にかなり響きます。薄い鍋で強火にすると、黒い糖分が底で焦げやすく、苦みが一気に荒くなります。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

日本で作るときの代替と線引き

カサリープは、可能なら通販や輸入食材店で探す価値があります。ペッパーポットの黒さだけでなく、甘苦い香りと保存性の説明まで変わるからです。一方で、家庭で生のキャッサバから自作するのは勧めません。キャッサバは品種や処理で安全性が変わる食材なので、料理用に流通しているカサリープを使うか、この記事の代替液で「風」として作る方が安全です。

迷う材料 代替できるもの 代替時の考え方
カサリープ 黒蜜、醤油、バルサミコ酢、コーヒー 色、甘み、塩味、酸味、苦みを分けて足す
スコッチボネット ハバネロ少量、スコッチボネットソース 香りがほしいので一味唐辛子だけでは弱い
牛テール スペアリブ、牛すね増量 骨のうまみを補う。省略しても作れる
タイム 乾燥タイム ローズマリーで置き換えると別方向になる
パン 食パン、バゲット、丸パン 甘いパンより、軽く焼いた素朴なパンが合う

日本のスーパーでそろえる場合、味がずれやすいのは「黒い甘み」と「塩味」のバランスです。黒蜜を多くすると和菓子寄りの甘さになり、醤油を増やすと角煮やしぐれ煮に近づきます。代替液は最初から濃くしすぎず、工程6で煮詰めながら味見し、甘みが強ければバルサミコ酢小さじ1、塩味が強ければ水50mlとブラウンシュガー小さじ1を足す方が戻しやすいです。

スコッチボネットを丸ごと入れる理由は、辛さより香りを煮汁へ移すためです。穴を開けたり刻んだりすると辛さが一気に出ます。辛い料理が苦手な家族と食べるなら、丸ごと入れて途中で取り出し、最後に各自でペッパーソースを足す方が扱いやすいです。

失敗しやすいところ

ペッパーポットの失敗は、味付けより火加減で起きます。カサリープや黒蜜を使うため、強火で底を焦がすと、苦みがスパイスの苦みではなく焦げの苦みになります。弱火で長く煮て、最後だけふたを外して濃度を決める流れにすると安定します。

状態 原因 直し方
苦みが強すぎる 鍋底で糖分が焦げた 焦げをこそげず別鍋へ移し、水100mlと砂糖小さじ1を足す
肉が硬い 煮込み時間不足、温度が高すぎて締まった 弱火85から95℃へ戻し、30分ずつ追加で煮る
煮汁が薄い ふたを閉めたまま終えた ふたを外して弱火で10から15分煮詰める
辛すぎる 唐辛子が破れた 唐辛子を取り出し、砂糖小さじ1と水50mlを足して再調整
風味が平たい スパイスが少ない、酸味がない オールスパイス少量、バルサミコ酢小さじ1を最後に足す

カサリープを使った本来のペッパーポットは、温め直しながら数日食べる話がよく出ます。ただし日本の家庭では、室温、鍋、台所環境が違います。安全を優先し、保存は冷蔵または冷凍で考えます。

保存と食べ方

ペッパーポットの残りを保存容器へ移し、鍋で温め直す準備をしているところ
ペッパーポットの保存。冷蔵や冷凍に分け、温め直しは弱火で行う

粗熱が取れたら、2時間以内に保存容器へ移します。冷蔵は3日、冷凍は3週間が目安です。冷蔵した翌日は脂が固まるので、重いと感じる分だけ取り除き、鍋に戻して水大さじ2から3を足し、弱火で8から10分温めます。電子レンジなら600Wで2分温め、一度混ぜてから追加で1分ずつ。中心まで熱くなったことを確認します。

食べ方はパンが第一候補です。食パンを軽く焼いてもいいですし、バゲットを厚めに切って煮汁に沈めても合います。米に合わせるなら、白米よりも硬めに炊いた長粒米や、キューバのロパビエハに添えるような豆ご飯が近い方向です。肉を少し残してほぐし、翌日のサンドイッチにすると、黒い煮汁がパンの内側へ染みてかなり満足感があります。

献立としては、酸味と生野菜を一つ足すと食べ疲れしません。きゅうりと玉ねぎの酢漬け、ライムを搾ったキャベツ、トマトのサラダなどで十分です。カリブ海側の食卓に寄せるなら、プエルトリコのペルニルやジャークチキンのような肉料理と比べて、ペッパーポットは「煮汁を食べる料理」と考えると組み立てやすくなります。

よくある質問

カサリープなしでも作れますか

作れますが、厳密にはペッパーポット風です。黒蜜、醤油、バルサミコ酢、コーヒーで甘み、塩味、酸味、苦みを補えます。ただし、カサリープ由来のキャッサバの香りと保存性は再現できません。初回は代替液で作り、気に入ったらカサリープを探す順番でもよいです。

牛肉だけで作ってもいいですか

牛すねや牛肩ロースだけでも作れます。豚肩や牛テールを混ぜると脂と骨のうまみが増えますが、必須ではありません。牛肉だけにする場合は合計900gから1kgにし、煮込み時間を3時間前後にしてください。

スコッチボネットが手に入りません

香りは少し変わりますが、ハバネロを少量、またはスコッチボネット系のペッパーソースで代用できます。刻んで入れると辛さが強くなるため、初回は丸ごと入れて途中で取り出す方法が安全です。

圧力鍋で作れますか

できます。工程4まで同じように進め、圧力鍋で高圧25分、自然減圧15分を目安にします。その後、ふたを外して弱火で15分ほど煮詰めてください。香りの立ち方は通常の鍋で長く煮る方が穏やかです。

前日に作った方がおいしいですか

はい。冷蔵で一晩置くと、肉と煮汁がなじみます。食べる前に表面の脂を調整し、弱火でゆっくり温め直すと、作りたてより味が落ち着きます。保存は冷蔵または冷凍にし、常温で置き続ける運用は避けてください。

参考にした現地・英語圏情報

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行ペッパーポットの作り方|ガイアナの黒い肉煮込み
URL
https://sekaigohan.com/recipes/south-america/guyana/pepperpot
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月19日
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