カレーラクサ。ココナッツミルクベースのスパイシーなスープに米麺、海老、厚揚げ、もやしを入れたマレーシアのカレー麺
🔪下準備30分
🔥調理30分
🍽️分量2
🌍料理マレーシア料理

ラクサの作り方|マレーシアのスパイスカレー麺を本格再現

約46分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 4

ペーストを作る

手順1: ペーストを作る

乾燥唐辛子はぬるま湯で15分戻し、レモングラスは柔らかい芯を薄切りにします。全材料をフードプロセッサーに入れ、水大さじ1を加えて2〜3分撹拌します。完全になめらかでなくても、赤い油分がにじむ粗めのペースト状になれば香りは十分出ます。

STEP 22 / 4

ペーストを炒める

手順2: ペーストを炒める

鍋にサラダ油を熱し、ラクサペーストを弱火で5〜8分炒めます。油がペーストから分離し、鍋肌に赤い油が浮いてきたら次へ進む合図です。焦げると苦味が出るので、底をこそげながら炒め、生のスパイス臭が香ばしい香りに変わるまで待ちます。

STEP 33 / 4

スープを煮る

手順3: スープを煮る

鶏がらスープと、よく振ったココナッツミルクを加え、弱めの中火で10分煮ます。表面がふつふつ揺れ、白いスープに赤い油が細く浮く状態を保ってください。強く沸騰させるとココナッツミルクが分離するため、湯気が立つ程度に調整します。

STEP 44 / 4

麺に注いで仕上げる

手順4: 麺に注いで仕上げる

弱火で1分温めながらナンプラーと砂糖で味を調え、湯気が立ってとろみがあるうちに別茹でした米麺へ注ぎます。スープが麺の半分以上を覆う量にし、海老・厚揚げ・もやし・ゆで卵・ハーブ・ライムをのせます。塩気が足りなければナンプラー、辛さはサンバルで調整します。

---

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

8品目

ラクサペースト(レンパ)

材料 分量 代替・備考
乾燥唐辛子 6本 水で15分戻す。種を取ると辛さ控えめ
レモングラス 2本(下部10cm) チューブのレモングラスペーストでも可
ガランガル 2cm 生姜で代用可(風味は異なる)
ターメリック(生) 2cm パウダー小さじ1で代用可
シャロット 4個 普通の玉ねぎ1/4個で代用可
にんにく 3片 —
ブラチャン(海老ペースト) 小さじ2 干し海老大さじ1をフードプロセッサーにかけて代用
キャンドルナッツ 3個 マカダミアナッツまたはカシューナッツで代用
5品目

スープ

材料 分量 代替・備考
ココナッツミルク 400ml(1缶) 必ずフルファット版。ライト版は薄い
鶏がらスープ 400ml 市販の鶏がらスープの素+水でOK
ナンプラー 大さじ2 —
砂糖 小さじ1 パームシュガーがあればベスト
サラダ油 大さじ2 —
8品目

麺とトッピング

材料 分量 代替・備考
米麺(ビーフン) 200g ライスヌードル。中太がベスト
海老(中サイズ) 100g 殻付きを茹でて使う
厚揚げ(油揚げ) 100g 2cm角に切る
もやし 100g —
ラクサリーフ(ベトナムコリアンダー) 適量 パクチーで代用可
ゆで卵 2個 半熟がベスト
ライム 1個(くし切り) —
サンバル 適量 辛さ調整用
ブラチャン(海老ペースト)の入手と代用

ラクサの味を決定的に左右する最重要調味料がブラチャン(Belacan)です。新大久保のアジア食材店やAmazonで購入可能(300〜500円)。手に入らない場合は、干し海老大さじ1をフードプロセッサーで粉砕して代用できます。日本の「あみえびの塩辛」も近い風味が得られます。

ラクサペーストの材料。唐辛子・レモングラス・ガランガル・ブラチャン等が並ぶ
ラクサペーストの材料。赤い唐辛子とレモングラスの緑のコントラストが東南アジアらしい
0 / 0
材料表の分量2人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
310kcal
エネルギー
14.0g
タンパク質
17.5g
脂質
26.0g
炭水化物
2.0g
食物繊維
600mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

「世界一美味しいスープ」の称号を持つ麺

2011年、CNN Travelが選ぶ「世界で最も美味しい料理50選」の第7位に輝いた料理——それがラクサ(Laksa)です。ココナッツミルクのクリーミーさ、唐辛子の鮮烈な辛さ、レモングラスの爽やかな香り、海老ペーストの深いうま味が渾然一体となった複雑なスープは、一口啜るだけで東南アジアの熱気が口の中に広がります。

ラクサはマレーシアとシンガポールを代表する麺料理ですが、その起源にはプラナカン(海峡華人)文化が深く関わっています。15世紀以降、マレー半島に渡った中国系移民がマレーの食材・スパイスと中国の麺文化を融合させて生まれたのがラクサの原型とされています。

日本のタイ料理店やシンガポール料理店でも見かけるようになりましたが、「あのスパイシーでクリーミーな味を自宅で再現するのは難しい」という声をよく聞きます。実は、ラクサペーストさえ作れば、残りは鍋ひとつで完成するシンプルな料理です。

ラクサとは

マレー語で「1万」を意味する「laksa」が語源とも、サンスクリット語で「多くの」を意味する「laksha」が語源ともいわれる。マレーシア・シンガポールの代表的な麺料理で、スパイスペーストとココナッツミルクで作るカレースープに米麺を入れて食べる。地域によって全く異なるバリエーションが存在する。

カレーラクサの完成盛り付け。ココナッツミルクのクリーミーなスープに海老ともやしが映える
本場マレーシアのカレーラクサ。赤いスパイスの色とココナッツミルクの白が溶け合う

ラクサの種類 — 地域によって全く別の料理

「ラクサ」と一口に言っても、マレーシアとシンガポールには驚くほど多様なバリエーションが存在します。日本でいう「ラーメン」が札幌味噌と博多豚骨で全く異なるように、ラクサも地域で別の料理です。

代表的なバリエーション

名称 地域 スープベース 特徴
カレーラクサ KL・マラッカ ココナッツミルク+カレースパイス 最もポピュラー。この記事のレシピ
アッサムラクサ ペナン タマリンド+魚(酸味ベース) 2011年CNN「世界7位」に選出
サラワクラクサ ボルネオ島 ココナッツミルク+サンバルブラチャン 独特のサンバルペーストが決め手
カトンラクサ シンガポール ココナッツミルク+海老ペースト 麺を短く切りレンゲで食べるスタイル
ジョホールラクサ ジョホール 魚ベース スパゲッティを使うユニークなスタイル
ケランタンラクサ ケランタン 魚+ココナッツミルク 甘めの味付けが特徴

最も有名なのはペナンのアッサムラクサです。ココナッツミルクを一切使わず、タマリンドの強い酸味と魚のだしで構成される透明なスープは、カレーラクサとは完全に別の料理です。2011年にCNN Travelの「世界の美味しい料理」で7位に選ばれたのはこのアッサムラクサでした。

一方、日本のシンガポール料理店で「ラクサ」として出されるのはほぼカレーラクサ(またはカトンラクサ)です。クリーミーなココナッツミルクベースのスパイシーなスープは、日本人の味覚にも馴染みやすく、初めてのラクサとして最適です。

ラクサのバリエーション。カレーラクサとアッサムラクサの見た目の違い
カレーラクサ(赤いココナッツミルクベース)とアッサムラクサ(透明な酸味ベース)は見た目も味も全く異なる

この料理の歴史 — プラナカン文化が生んだ融合料理

ラクサの起源は、15世紀以降にマレー半島に移住した中国人(主に福建省・潮州出身)と地元マレー人の間に生まれたプラナカン(Peranakan)文化にあります。

プラナカンとは、中国系移民の男性がマレー人女性と結婚して生まれた混血コミュニティです。彼らは独自の言語(ババ・マレー語)、衣装(ニョニャ・ケバヤ)、そして料理文化(ニョニャ料理)を発展させました。中国の麺文化とマレーのスパイス・ココナッツミルクを融合させたニョニャ料理の代表格がラクサです。

「laksa」という名前の語源には複数の説があります。最も有力なのはサンスクリット語の「laksha(多くの、1万の)」に由来するという説で、スープに入る具材の多さを表しているとされます。別の説ではペルシャ語の「lakhsha(麺)」に由来するともいわれ、シルクロードを通じて中央アジアから伝わった可能性を示唆しています。

マラッカ海峡は15〜17世紀、世界有数の貿易拠点でした。ポルトガル・オランダ・イギリスの植民地支配を受けながらも、中国・インド・アラブ・ヨーロッパの食文化が交差する「食の十字路」として機能しました。ラクサはこの多文化が融合した最高の産物といえます。

現代のマレーシアでは、ラクサは民族を超えた「国民的統一食」としての役割も果たしています。マレー系・中国系・インド系・先住民が共に愛する数少ない料理のひとつであり、多民族国家マレーシアの食卓における和解の象徴ともいえる存在です。2024年にはマレーシア政府がラクサを「国家遺産料理」に正式認定し、その文化的価値が公的に認められました。

ニョニャ料理 — 世界最古のフュージョン料理

プラナカンの女性(ニョニャ)が作る料理は「ニョニャ料理」と呼ばれ、世界最古のフュージョン料理のひとつとされています。中国の豚肉・醤油・豆腐にマレーのレモングラス・ガランガル・ブラチャンを組み合わせる手法は、500年以上の歴史を持ちます。バインミーがフランス×ベトナムの融合なら、ラクサは中国×マレーの融合。植民地時代が生んだ料理の遺産は、現代の「フュージョン料理」ブームの数百年先を行っていたのです。


調理のコツ — ラクサスープを完璧にする

ペーストは「炒め」が命

自家製ラクサペーストの最大のポイントは低温でじっくり炒めることです。生のスパイスペーストをそのままスープに溶かすと、えぐみや青臭さが残ります。弱火で5〜8分、油が分離して赤い油が浮いてくるまで炒めることで、スパイスの芳香が最大化されます。

マレーシアではこの工程を「tumis(トゥミス)」と呼び、マレー料理の基本技術とされています。ペーストが鍋底にくっつきやすいので、木べらで常にかき混ぜてください。焦げると苦味が出ます。

ココナッツミルクの扱い方

ラクサスープの滑らかさを左右するのがココナッツミルクの扱いです。

絶対に沸騰させない。 ココナッツミルクのタンパク質と脂肪は高温で分離します。沸騰すると、クリーミーなスープが油っぽいスープに変わってしまいます。ペーストを炒めた後にスープを加えたら、弱めの中火を維持してください。

缶を振ってから開ける。 ココナッツミルク缶は長期保存中に脂肪分(ココナッツクリーム)と水分が分離しています。缶を30秒振ってから開けると均一になります。振っても分離が解消しない場合は、鍋に入れてから弱火でゆっくりかき混ぜてください。

必ずフルファット版を使う。 ライト版やローファット版は脂肪分が少なく、ラクサ特有のクリーミーさが出ません。フルファット版(脂肪分17%以上)を選んでください。

ラクサスープの完成状態。赤いスパイスの色とココナッツミルクの白が溶け合う
ココナッツミルクのクリーミーさとスパイスの辛さのバランスがラクサの真髄

食材の入手ガイド — ラクサの材料を日本で揃える

レモングラスの入手と代用

ラクサの香りの中核を担うレモングラスは、日本では以下の場所で入手できます。

店舗 形態 価格目安
カルディ チューブペースト 300〜400円
成城石井 冷凍レモングラス 400〜500円
Amazon 乾燥レモングラス 500〜800円
ホームセンター 苗(自家栽培用) 300〜500円

生のレモングラスが最も香りが良いですが、チューブペーストでも十分機能します。乾燥レモングラスはペーストには向かず、スープに入れて煮出す用途に限定されます。

レモングラスが全く手に入らない場合は、レモンの皮(すりおろし)小さじ1で代用できます。レモングラスの柑橘系の爽やかさを部分的に再現できますが、独特の草っぽい香りは再現不可能です。

市販ラクサペーストの選び方

自家製ペーストを作る時間がない場合、市販のラクサペーストが強い味方になります。

ブランド 原産国 特徴 価格帯
Prima Taste シンガポール 最も本格的。ペーストとスープベースのセット 600〜900円
AYAM マレーシア コスパ良好。ペースト単体 300〜500円
MAE PLOY タイ 入手しやすい。やや甘め 200〜300円
S&B 日本 日本人の味覚に寄せたマイルド版 200〜300円

Prima Tasteが最も現地の味に近いです。Amazonで購入可能で、ペーストとスープベースがセットになっているため、ココナッツミルクと麺を用意するだけで完成します。


マレーシアでは、ラクサは朝食から夜食まであらゆる時間帯に食べられる国民食です。特に有名な名店をいくつか紹介します。

ペナンのAir Itam Laksaはアッサムラクサの聖地として知られ、2012年にミシュラン・ガイドに掲載されました。1杯わずか3〜5リンギット(約100〜170円)で、行列が絶えない名店です。

クアラルンプールのMadras Laneはカレーラクサの名店が集中するエリアで、チャイナタウンの路地裏にある屋台が観光客と地元民で賑わいます。

シンガポールのKatong(カトン)地区は「ラクサの聖地」と呼ばれ、328 Katong Laksa、Sungei Road Laksa、Janggut Laksaなどの名店が競い合っています。カトンラクサの特徴は麺を短く切ってレンゲだけで食べるスタイルで、箸を使わないのが流儀です。

マレーシア政府は2020年、ラクサを含むマレーシアの食文化をユネスコ無形文化遺産に申請する計画を発表しました。ソムタムが含まれるタイ料理が既に登録されていることもあり、マレーシアの食の国際的認知度を高める動きが加速しています。

マレーシアとシンガポールの「ラクサ論争」

フムスのレバノン対イスラエルの論争と同様に、ラクサもマレーシアとシンガポールの間で「どちらの料理か」という論争が存在します。2009年にシンガポールがラクサを自国の「国民料理」として観光PRに使った際、マレーシアの食文化研究者たちが強く反発しました。

実際には両国ともに独自のラクサ文化を発展させており、「どちらが本家」という議論に正解はありません。マレーシアのペナン・アッサムラクサとシンガポールのカトンラクサは別の料理といえるほど異なるため、両国がそれぞれ誇りを持つのは自然なことです。


アレンジ・バリエーション

ヴィーガンラクサ

海老ペーストと海老を省き、味噌大さじ1と昆布だし400mlで代用します。きのこ類(しめじ・エリンギ・椎茸)をたっぷり入れてうま味を補い、厚揚げをメインのタンパク源にします。ココナッツミルクはそのまま使えます。欧米のヴィーガンコミュニティで「最も美味しいヴィーガンスープ」として評価されているレシピです。

チキンラクサ

海老の代わりに鶏もも肉200gを使います。ペーストを炒めた後に鶏肉を加えて3分炒め、その後スープを注ぎます。鶏肉のうま味がスープに溶け出し、よりコクのある仕上がりに。シャワルマのマリネ済み鶏肉を使うと、スパイスが二重に効いた個性的なラクサになります。

和風ラクサ — 味噌ラクサ

白味噌大さじ1をスープに加え、トッピングにメンマ・煮卵・ネギを使った日本風アレンジ。ラクサの辛味と味噌のまろやかさが不思議と調和し、日本のラーメン感覚で食べられます。〆に白米を入れてリゾット風にするのも美味です。

インスタントラクサのグレードアップ

マレーシアの「MyKuali ペナンホワイトカレーミー」は世界のインスタント麺ランキングで常に上位に入る名品です。このインスタント麺にココナッツミルク大さじ3、茹で海老、厚揚げ、もやし、パクチーを加えるだけで、屋台レベルのラクサに格段にグレードアップします。


ラクサに合う飲み物とサイドディッシュ

飲み物

ラクサのスパイシーなスープに合う飲み物は、辛さを和らげつつ風味を引き立てるものが最適です。

テ・タリック(Teh Tarik) — マレーシアの国民的飲料。紅茶にコンデンスミルクを加え、高い位置から注いで泡立てる「引っ張り紅茶」。ラクサの辛さを甘いミルクティーが和らげてくれます。日本では紅茶にコンデンスミルク大さじ2を加えて泡立てればほぼ再現可能です。

ライムジュース — 絞りたてのライムに砂糖と水を加えたシンプルなドリンク。酸味がラクサのスパイスを引き立て、口の中をリフレッシュしてくれます。

ビール — マレーシアのTiger BeerやSingha(シンガポール)など、軽めのラガービールがラクサに合います。冷たいビールの苦味とラクサの辛味は鉄板の組み合わせです。

サイドディッシュ

オタオタ(Otak-otak) — 魚のすり身にスパイスを混ぜ、バナナの葉で包んで焼いたマレーシアの焼き魚餅。ラクサの付け合わせとして屋台でよく一緒に注文されます。

ポピア — マレーシア版の生春巻き。野菜・卵焼き・豆腐・海老を薄い皮で巻いたもの。ラクサの濃厚さに対してさっぱりとしたポピアが口休めになります。

ロティ・チャナイ — インド系マレーシア人が持ち込んだ薄焼きパン。ラクサのスープに浸して食べると、麺とは異なる食感が楽しめます。


ラクサと世界の「スパイスカレー麺」 — 比較文化論

世界各地にはラクサと似た「スパイスカレー×麺」の料理が存在します。それぞれの違いを比較すると、食文化の多様性が浮き彫りになります。

料理名 国 スープベース 麺 特徴
ラクサ マレーシア ココナッツミルク+スパイスペースト 米麺 プラナカン文化の融合
カオソーイ タイ北部 ココナッツミルク+カレーペースト 卵麺(揚げ麺トッピング) ビルマの影響
カレーうどん 日本 だし+カレールー うどん 和洋折衷の明治発祥
ソト・ミー インドネシア ターメリック+鶏だし 米麺/卵麺 ジャワ島の日常食

特にカオソーイはラクサと構造的に似ており、ココナッツミルクベースのカレースープに麺を入れる点が共通しています。しかしカオソーイは北タイのチェンマイ発祥でビルマ文化の影響を受けており、ラクサとは別系統の料理です。

日本のカレーうどんは一見全く別の料理ですが、「カレースパイス×だし×麺」という構造はラクサと共通しています。明治時代に西洋のカレーと日本のうどんを融合させた先人の発想は、プラナカンがスパイスと麺を融合させたのと同じ「食のフュージョン」の精神といえるでしょう。


保存方法と日持ち

状態 保存方法 日持ち ポイント
ラクサペースト 冷蔵 2週間 瓶に入れて油で表面を覆う
ラクサペースト 冷凍 3か月 製氷皿で小分け冷凍が便利
スープ(麺なし) 冷蔵 2〜3日 再加熱時にココナッツミルクを少量追加
完成品(麺入り) — 非推奨 麺がスープを吸って膨張する

最もおすすめの保存戦略はラクサペーストの作り置きです。ペーストを倍量作って製氷皿で小分け冷凍しておけば、食べたい時にキューブ2〜3個を鍋に入れ、ココナッツミルクとスープを加えるだけで15分以内にラクサが完成します。


栄養と健康効果

栄養素 2人分のうち1杯あたり 働き
カロリー 約620kcal ココナッツミルク由来の脂質が多め
タンパク質 約28g 海老・厚揚げ由来
脂質 約35g ココナッツミルクの中鎖脂肪酸
炭水化物 約52g 米麺由来。グルテンフリー
ビタミンC 含有 ライム・もやしから
鉄分 含有 海老ペーストに豊富
ラウリン酸 含有 ココナッツミルク由来。抗菌作用

ラクサの脂質の多くはココナッツミルクに含まれる中鎖脂肪酸(MCT)です。中鎖脂肪酸は通常の脂肪よりも消化吸収が早く、エネルギーとして利用されやすいという特徴があります。ただし620kcalは決して低カロリーではないため、ダイエット中の方はココナッツミルクを半量にし、鶏がらスープを増やす「ライト版」がおすすめです。

ターメリックに含まれるクルクミンには抗炎症作用が研究で示されており(Journal of Medicinal Food, 2016)、レモングラスのシトラールには抗菌・抗真菌作用があります。ラクサのスパイスには薬膳的な側面もあるのです。

ナシレマと並ぶマレーシアの国民食として、ラクサは国民の栄養源としても重要な役割を果たしています。パッタイやナシゴレンと同様に、東南アジアの麺・米料理はグルテンフリーの選択肢としても注目されています。


よくある質問

この記事のレシピで使う道具

フードプロセッサー(すり鉢で代用可)、鍋。特別な道具は不要です。

Q. ラクサペーストは市販品で代用できますか?

はい。Prima Taste(シンガポール)やAYAM(マレーシア)の市販ペーストは品質が高く、自家製に近い味が出せます。ただし自家製の方がレモングラスやガランガルの香りが格段に豊かです。

Q. ココナッツミルクアレルギーがあります。代用できますか?

豆乳+タヒニ(練りごま)大さじ2で代用すると、クリーミーさをある程度再現できます。ただしラクサ特有のココナッツの風味は再現できないため、全く別の料理になることを覚悟してください。

Q. 辛すぎて食べられません。辛さを調整する方法は?

唐辛子の量を減らす(6本→2〜3本)か、唐辛子の種を全て取り除いてください。ココナッツミルクを増やす(+100ml)のも効果的です。食べる際にライムを多めに絞ると、酸味が辛さを和らげてくれます。

Q. アッサムラクサとカレーラクサの違いは?

最大の違いはスープベースです。カレーラクサはココナッツミルクベースでクリーミー。アッサムラクサはタマリンド(酸味)と魚のだしベースで透明。見た目も味も完全に別の料理です。日本で「ラクサ」として出されるのはほぼカレーラクサです。

Q. 米麺の代わりに他の麺は使えますか?

うどんやそうめんでも食べられますが、米麺特有のツルッとした食感がラクサの魅力の一部です。中華麺を使う「カレーミー」というバリエーションもマレーシアには存在するため、中華麺も公式な選択肢といえます。

Q. ラクサペーストを多めに作り置きできますか?

はい。ラクサペーストは冷蔵で2週間、冷凍で3か月保存できます。製氷皿で小分け冷凍するのが最も便利です。キューブ2〜3個で2人分のラクサが作れます。冷凍しても香りの劣化はほとんどないため、週末にまとめて作っておくのがおすすめです。

Q. ラクサの辛さはカレーライスと比べてどのくらいですか?

カレーラクサの辛さは日本のカレーの「辛口」から「激辛」程度です。ただしラクサにはココナッツミルクが入るため、辛さの中にまろやかさがあり、純粋な辛さとしてはカレーの激辛よりマイルドに感じる人が多いです。唐辛子の本数で簡単に調整できるため、最初は控えめに作って味見しながら増やすのが安全です。

Q. 子どもでも食べられるラクサは作れますか?

唐辛子を完全に省いたマイルド版を作ることは可能です。その場合、パプリカパウダー小さじ2を加えると色味は保てます。ココナッツミルクの甘みとスパイスの香りは唐辛子なしでも十分魅力的で、子ども向けのクリーミーカレー麺として喜ばれます。


関連記事

世界ごはん紀行の東南アジア・スープ料理コレクション

ラクサを入り口に、東南アジアのスパイシーな麺・スープ文化を探索してみてください。

同じマレーシア料理ならナシレマがココナッツミルクご飯の定番です。麺料理で比べるなら、スープを飲むラクサに対して、強火で平たい米麺を焼き付けるチャークイティオが対照になります。タイのパッタイやソムタム、ベトナムのバインミー、インドネシアのナシゴレンなど、東南アジア各国の国民食と比較して読むと面白いです。フィリピンのアドボも酢の酸味が特徴的で、ラクサの辛味とは対照的な味わいです。

スパイスカレースープという点では、南アジアのビリヤニに使われるスパイスとも共通点があります。中東料理の全体像ではシルクロードを通じてスパイスが伝わった歴史も紹介しています。

アフリカ料理にも興味があれば、セネガルのチェブジェンやエチオピアのドロワットもスパイスを多用する点でラクサとの共通項があります。東欧のボルシチは全く異なるアプローチのスープ料理ですが、「一杯のスープに文化の全てが詰まっている」という点で共通しています。南米料理まとめも、スパイスと食文化の多様性を知る入り口としておすすめです。ガパオライスやナシゴレンと一緒に東南アジア料理の食卓を組み立ててみてください。


主な参考リンク

レシピ一覧に戻る