赤いだしに太い丸米麺、牛すね肉、香草をのせたベトナム中部フエのブンボーフエ
🔪下準備45分
🔥調理3時間
🍽️分量4
🌍料理ベトナム料理
東南アジアレシピ

ブンボーフエの作り方|フエの辛い牛肉麺

31分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 肉を下ゆでして洗う
STEP 11 / 6

肉を下ゆでして洗う

牛すね肉500g、牛すじ250g、豚スペアリブ400gを鍋に入れ、かぶる量の水を注ぎます。強火で沸かし、沸騰後5分煮たら湯を捨てます。肉と骨を流水で洗い、鍋も洗います。ここで濁りのもとを落とすと、後のだしが重くなりません。

手順2: レモングラスと香味野菜で煮る
STEP 22 / 6

レモングラスと香味野菜で煮る

洗った肉を鍋に戻し、水2.4L、半分に切った玉ねぎ、たたいた生姜、たたいたレモングラス4本、塩小さじ2を入れます。沸いたら弱火にし、表面が小さく揺れる程度で2時間煮ます。豚スペアリブが柔らかくなったら先に取り出し、牛すね肉はさらに30〜60分煮ます。

手順3: マムルオックを沈ませ、サテ油を作る
STEP 33 / 6

マムルオックを沈ませ、サテ油を作る

小さな器にマムルオック小さじ2と熱湯大さじ4を混ぜ、5分置いて濁りが底へ沈んだら上澄みを使います。別の小鍋で油大さじ4とアナトーシード小さじ2を弱火で温め、赤く色が出たら種を取り出します。レモングラス、にんにく、エシャロットを入れて3分炒め、香味野菜の水分が飛んで油が赤く澄んできたら、唐辛子粉、パプリカ、ナンプラー、砂糖を加えて火を止めます。全体が粗いペースト状にまとまり、底に赤い粉だけが残るほど乾かさず、スプーンですくうと油と香味野菜が一緒に落ちる状態で止めます。

手順4: だしに味を入れる(10分)
STEP 44 / 6

だしに味を入れる(10分)

肉を取り出して粗熱を取り、牛すね肉は厚さ3mmの薄切り、豚スペアリブは骨付きのまま食べやすく分けます。鍋の玉ねぎ、生姜、レモングラスを取り出し、マムルオックの上澄み、ナンプラー大さじ2、きび砂糖大さじ1、サテ油の半量を加えます。弱火で5分温め、表面に赤い油が薄く浮き、香りが立ち、飲むと塩気が少し強いくらいで止めます。薄ければ塩を小さじ1/4ずつ足します。

手順5: 麺をゆでて丼に組む(8分)
STEP 55 / 6

麺をゆでて丼に組む(8分)

太米麺320gを袋の表示より1分短くゆで、中心に少し弾力が残るところでざるに上げます。温めた丼に麺を入れ、牛すね肉、豚スペアリブ、厚さ1mmの薄切り玉ねぎ、青ねぎ、パクチーをのせます。だしを強めの中火でしっかり熱くしてから注ぎ、肉の表面が温まり、玉ねぎの端が少し透き通ったら食べごろです。好みで残りのサテ油を少しのせます。

手順6: 香草皿を添えて食べる
STEP 66 / 6

香草皿を添えて食べる

もやし、千切りキャベツ、ミント、パクチー、大葉、ライム、唐辛子を別皿に盛ります。最初の数口はそのまま食べ、途中でライムと香草を足します。だしに全部入れるより、自分の丼で少しずつ変える方が、レモングラスの香りを長く楽しめます。

豚スペアリブは1時間半から2時間で柔らかくなりやすく、牛すね肉は2時間半から3時間かかることがあります。全部を最後まで入れっぱなしにすると、豚肉が崩れます。柔らかくなったものから取り出し、乾かないように熱いだしを少しかけておいてください。

---

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

牛すね肉、豚スペアリブ、レモングラス、太い米麺、香草を並べたブンボーフエの材料
日本で作るなら、牛すね肉、豚スペアリブ、太い米麺、レモングラス、マムルオックを軸にする

現地の一杯には、豚足、豚血、チャーフエ、牛すね、牛すじ、香草皿が入ることがあります。日本の家庭では、豚血は無理に入れません。豚足も苦手なら豚スペアリブで十分です。守りたいのは、牛肉だけにしないこと、レモングラスをケチらないこと、マムルオックを少量でも使うことです。

11品目

だしと肉

材料 分量 代替・備考
牛すね肉 500g 牛肩ロース塊でも可。薄切り肉だけではだしが弱い
牛すじ 250g 牛テール、牛骨、手羽元で補ってもよい
豚スペアリブ 400g 豚足、豚すね、豚肩ロース塊でも可
2.4L 煮詰まったら熱湯を足す
玉ねぎ 1個(約220g) 半分に切る
生姜 40g 皮付きのままたたく
レモングラス 4本 冷凍レモングラスでも可。なければ省略より通販推奨
小さじ2 最後に調整する
きび砂糖 大さじ1 氷砂糖15gでも可
ナンプラー 大さじ2 ベトナム魚醤があればより近い
マムルオック 小さじ2 ベトナム発酵えびペースト。代替は下記参照
9品目

サテ油

材料 分量 代替・備考
米油または太白ごま油 大さじ4 香りの弱い油
アナトーシード 小さじ2 パプリカパウダー大さじ1で色を補う
レモングラスみじん切り 大さじ3 根元の白い部分を細かく刻む
にんにく 2片 みじん切り
エシャロット 40g 玉ねぎ1/4個で代用可
唐辛子粉 小さじ1〜2 辛さに合わせて調整
パプリカパウダー 大さじ1 赤色と甘い香り
ナンプラー 小さじ1 香り付け
砂糖 小さじ1 角を取る
9品目

麺、香草、仕上げ

材料 分量 代替・備考
ブンボーフエ用太米麺 320g 太めのビーフン、丸い米麺。平たいフォー麺は別料理寄り
玉ねぎ 1/2個(約100g) 薄切りにして水にさらす
青ねぎ 4本 小口切り
パクチー 1束 苦手なら三つ葉、大葉、青ねぎ
もやし 150g さっと洗う
キャベツ 120g 千切り。バナナの花の現実的代替
ミント 1パック 大葉、えごまの葉でも可
ライム 1個 レモン、すだちでも可
チャールアまたはハム 80g 省略可。入れるなら薄切り
アレルギーと食材の注意

この料理には牛肉、豚肉、魚醤、えび由来の発酵調味料を使います。えびアレルギーがある場合、マムルオックは使わず、ナンプラーと味噌で代替してください。豚肉を避ける家庭では牛すね肉と牛すじを増やしますが、味は現地のブンボーフエより軽くなります。

マムルオック、太い丸米麺、レモングラスは、普通のスーパーだけでは見つからないことがあります。初回は近所で代替してもよいですが、気に入ったらこの3つだけは取り寄せる価値があります。楽天で探すなら、買い物前に名称を絞ると迷いにくくなります。

マムルオックの代替

完全な代替ではありませんが、ナンプラー大さじ1、白みそ小さじ1/2、干しえびを細かく刻んだもの小さじ1を混ぜると、発酵した魚介の奥行きに少し近づきます。香りが苦手な家族がいる日は、この代替から始める方が食卓に出しやすいです。


0 / 0
Shopping

この料理の買い出し

買い出しガイド
掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。
📊 栄養情報(1人分)
730
kcal
44.0g
タンパク質
32.0g
脂質
62.5g
炭水化物
4.5g
食物繊維
1800mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料(4人分) — 日本で揃える現実的な配合

牛すね肉、豚スペアリブ、レモングラス、太い米麺、香草を並べたブンボーフエの材料
日本で作るなら、牛すね肉、豚スペアリブ、太い米麺、レモングラス、マムルオックを軸にする

現地の一杯には、豚足、豚血、チャーフエ、牛すね、牛すじ、香草皿が入ることがあります。日本の家庭では、豚血は無理に入れません。豚足も苦手なら豚スペアリブで十分です。守りたいのは、牛肉だけにしないこと、レモングラスをケチらないこと、マムルオックを少量でも使うことです。

だしと肉

材料 分量 代替・備考
牛すね肉 500 g 牛肩ロース塊でも可。薄切り肉だけではだしが弱い
牛すじ 250 g 牛テール、牛骨、手羽元で補ってもよい
豚スペアリブ 400 g 豚足、豚すね、豚肩ロース塊でも可
2.4L 煮詰まったら熱湯を足す
玉ねぎ 1 個(約220 g) 半分に切る
生姜 40 g 皮付きのままたたく
レモングラス 4 本 冷凍レモングラスでも可。なければ省略より通販推奨
小さじ2 最後に調整する
きび砂糖 大さじ1 氷砂糖15 gでも可
ナンプラー 大さじ2 ベトナム魚醤があればより近い
マムルオック 小さじ2 ベトナム発酵えびペースト。代替は下記参照

サテ油

材料 分量 代替・備考
米油または太白ごま油 大さじ4 香りの弱い油
アナトーシード 小さじ2 パプリカパウダー大さじ1で色を補う
レモングラスみじん切り 大さじ3 根元の白い部分を細かく刻む
にんにく 2 片 みじん切り
エシャロット 40 g 玉ねぎ1/4 個で代用可
唐辛子粉 小さじ1〜2 辛さに合わせて調整
パプリカパウダー 大さじ1 赤色と甘い香り
ナンプラー 小さじ1 香り付け
砂糖 小さじ1 角を取る

麺、香草、仕上げ

材料 分量 代替・備考
ブンボーフエ用太米麺 320 g 太めのビーフン、丸い米麺。平たいフォー麺は別料理寄り
玉ねぎ 1/2 個(約100 g) 薄切りにして水にさらす
青ねぎ 4 本 小口切り
パクチー 1束 苦手なら三つ葉、大葉、青ねぎ
もやし 150 g さっと洗う
キャベツ 120 g 千切り。バナナの花の現実的代替
ミント 1パック 大葉、えごまの葉でも可
ライム 1 個 レモン、すだちでも可
チャールアまたはハム 80 g 省略可。入れるなら薄切り
アレルギーと食材の注意

この料理には牛肉、豚肉、魚醤、えび由来の発酵調味料を使います。えびアレルギーがある場合、マムルオックは使わず、ナンプラーと味噌で代替してください。豚肉を避ける家庭では牛すね肉と牛すじを増やしますが、味は現地のブンボーフエより軽くなります。

マムルオック、太い丸米麺、レモングラスは、普通のスーパーだけでは見つからないことがあります。初回は近所で代替してもよいですが、気に入ったらこの3つだけは取り寄せる価値があります。楽天で探すなら、買い物前に名称を絞ると迷いにくくなります。

マムルオックの代替

完全な代替ではありませんが、ナンプラー大さじ1、白みそ小さじ1/2、干しえびを細かく刻んだもの小さじ1を混ぜると、発酵した魚介の奥行きに少し近づきます。香りが苦手な家族がいる日は、この代替から始める方が食卓に出しやすいです。


ブンボーフエの物語 — 赤い湯気が立つ朝の麺

朝の台所でレモングラスをたたくと、包丁の音より先に香りが立ちます。青い柑橘のような香りがまな板から広がり、鍋では牛すね肉と豚スペアリブが静かに湯を揺らす。そこへ赤いサテ油を落とすと、だしの表面に朱色の輪が広がります。フォーの透明なやさしさとは違う、少し背筋が伸びるような香りです。

ブンボーフエ(Bún bò Huế)は、ベトナム中部フエの辛い牛肉麺です。bún は米麺、bò は牛肉、Huế は古都フエ。名前だけ見ると牛肉の麺ですが、実際には牛すね肉や牛骨に、豚足、豚すね、豚スペアリブなどを合わせることが多い料理です。だしにはレモングラス、マムルオック(mắm ruốc / 発酵えびペースト)、ナンプラー、唐辛子油が入り、具には牛肉、豚肉、ベトナムハム、香草、ライムが重なります。

日本で作るときの山場は、辛さそのものではありません。太い丸い米麺を選ぶこと、マムルオックの香りを強く出しすぎないこと、だしを濁らせないこと。この3つです。唐辛子を増やせば赤くはなりますが、フエの麺らしさは、レモングラスの香りと発酵えびのうま味、牛と豚のだしが重なったところにあります。

フォーガーを作ったことがある人なら、違いはすぐ分かります。フォーガーは澄んだ鶏だしを香草で整える料理。ブンボーフエは、骨と肉で厚みを作り、サテ油で香りと色を乗せ、香草皿で最後に清涼感を戻す料理です。バインセオのように食卓で香草を巻く楽しさともつながります。

表記について

ベトナム語では Bún bò Huế と書きます。日本語では「ブンボーフエ」「ブンボーフェ」「ブンボーフエー」など表記が揺れますが、本記事では検索で見つけやすい「ブンボーフエ」に統一します。


フエ料理としての背景 — 宮廷の町と路地の朝食

フエの食堂風に、湯気の立つブンボーフエと香草皿が並ぶ食卓
フエでは朝の食堂や屋台で、熱いブンボーフエに香草とライムを添えて食べる

フエはベトナム中部の古都で、阮朝の宮廷文化を抱えてきた町です。ベトナム政府観光局の英語ページでも、フエ料理は宮廷料理の美意識と、町の人たちの伝統的な食文化が重なったものとして紹介されています。その中でブンボーフエは、観光客向けの一品というより、朝から食べられる力のある麺料理です。

2025年7月には、VietnamPlusが、ブンボーフエの伝統知がベトナムの国家無形文化遺産に登録されたと報じました。登録対象は単なるレシピではなく、フエの人びとの生活、味の記憶、食の知恵を含む「民間知識」として扱われています。つまり、ブンボーフエは赤くて辛い麺というだけでなく、フエの町の食べ方そのものを映す料理です。

フエの料理は、見た目の細やかさと香りの組み立てに特徴があります。ブンボーフエも、豪快な鍋料理に見えて、実はかなり整った料理です。だしは牛と豚で厚く、香りはレモングラスで明るく、発酵えびで底を作り、サテ油で赤い表情を出す。そこへ千切りのバナナの花、もやし、ミント、ライムを添え、最後に自分の丼で調整します。

英語圏のベトナム料理サイトでは、ブンボーフエを「spicy beef and pork noodle soup」と説明することがよくあります。ここが日本語で抜けやすい点です。牛肉麺と訳されますが、豚の骨や豚足のゼラチン質が入ることで、だしに厚みと丸さが出ます。豚を完全に抜くと、辛い牛肉フォーに寄ってしまい、フエの麺らしい重心が弱くなります。

フォーの辛い版ではない

ブンボーフエは「辛いフォー」と覚えると、麺も香りもずれます。フォーは平たい米麺が基本ですが、ブンボーフエは太い丸米麺を使います。だしも、八角やシナモンより、レモングラス、マムルオック、唐辛子油が前に出ます。


日本の台所で本場に寄せる分岐

スプーンで太い米麺を持ち上げたブンボーフエの近接カット
太い丸米麺、赤いだし、レモングラスの香りがブンボーフエの核になる

ブンボーフエは、全部を現地食材にしないと作れない料理ではありません。ただし、置き換えると別料理に近づく材料があります。日本の台所では「守るもの」「代替してよいもの」「初回は抜いてよいもの」を分けると、買い出しが軽くなります。

迷う材料 現地寄せ 日本で現実的 判断
ブンボーフエ用の太い丸米麺 太めのビーフン、丸い米麺 平たいフォー麺は食感が変わる
だし 牛骨、豚足、牛すね、豚すね 牛すね、牛すじ、豚スペアリブ 牛だけにしない方が近い
発酵調味料 マムルオック ナンプラー、味噌、干しえび 少量でも入れると奥行きが出る
赤い色 アナトー油、唐辛子油 パプリカ、唐辛子、ラー油少量 辛さではなく香りと色を見る
香草 バナナの花、空芯菜、ミント、香草類 千切りキャベツ、もやし、大葉、ミント 香草皿を別に出すと食べやすい
豚血 血豆腐 省略 初回は無理に入れない

代替してはいけないものに近いのは、レモングラスです。乾燥でも冷凍でもよいので、できれば用意してください。生姜やねぎだけで作ると、牛豚だしのラーメンに寄ります。レモングラスをたたいて煮るだけで、台所の香りが一気にベトナム中部へ近づきます。

マムルオックは香りが強いので、入れすぎると家族が驚きます。現地の店のような香りを目指す前に、小さじ2を熱湯で溶き、沈殿させて上澄みだけ入れる方法から始めてください。香りを足したい人は食卓で少量ずつ足す方が安全です。

辛味は後から足せます。鍋全体を辛くしすぎると、子どもや辛味が苦手な人が食べられません。サテ油を半量だけ鍋へ入れ、残りは小皿に出すと、同じ鍋から辛い丼と穏やかな丼を作れます。この分け方は、トムヤムクンの辛味調整や、ラープの唐辛子量にも応用できます。


失敗原因 — 濁る、臭い、辛いだけになる

濁って強く沸いた鍋と、静かに澄んだ赤いだしの鍋を並べた比較
ブンボーフエは強く沸かすと濁る。静かな火加減が赤いだしをきれいにする

ブンボーフエの失敗は、だいたい火加減、発酵調味料、麺の選び方に分かれます。辛いだけなら唐辛子を足せば作れますが、食べ終わったあとにまた飲みたくなるだしには、濁らせない煮込みと香りの整理が必要です。

失敗 原因 直し方
だしが濁る 下ゆで不足、強い沸騰、麺をだしで煮た 肉を下ゆでし、弱火で煮る。麺は別ゆで
えびペースト臭い マムルオックを直接多く入れた 熱湯で溶いて沈ませ、上澄みだけ使う
辛いだけ サテ油にレモングラスと甘みが足りない レモングラス、パプリカ、砂糖少量を入れる
味が薄い 骨と肉が少ない、煮込み時間が短い 牛すじや豚スペアリブを足し、2時間以上煮る
麺が切れる ゆですぎ、細いビーフンを使った 太い丸米麺を硬めに戻し、丼で熱だしを注ぐ
脂っこい 豚肉の脂を全部鍋に戻した 表面の脂を少し取り、サテ油を控えめにする

香りが強すぎるときは、ライムを搾る前に、だしを少し薄めます。熱湯を100mlずつ足し、塩とナンプラーを少量で戻すと、発酵えびの角が丸くなります。逆に薄いときは、塩だけでなく、サテ油を小さじ1足すと、香りと色が戻ります。

太い丸米麺が見つからず、フォー麺で作る場合もあります。その場合は「ブンボーフエ風」として楽しんでください。味の芯は作れますが、麺をすすったときのむっちりした弾力は弱くなります。カオピヤックセンのように麺のでんぷんを楽しむ料理とも違い、ブンボーフエはだしと太麺の押し返しが大事です。

鍋全体を辛くしすぎない

唐辛子の量は、鍋で決め切らない方が失敗しにくいです。サテ油を食卓に出し、辛くしたい人が自分の丼に足す形にすると、家族で同じ鍋を囲めます。


保存と作り置き — だし、肉、麺、香草を分ける

ブンボーフエのだし、肉、麺、香草を別容器に分けて保存する様子
保存はだし、肉、麺、香草を分ける。麺をだしに入れたままにしない

作り置きするなら、だし、肉、麺、香草を必ず分けます。丼に組んだ状態で保存すると、米麺がだしを吸い、翌日には切れやすくなります。香草も熱で色が悪くなり、せっかくの清涼感が消えます。

だしは粗熱を取り、冷蔵で2日を目安にします。表面に固まった脂は、全部捨てず、小さじ1〜2だけ戻すと香りが残ります。肉はだしを少しかけた容器で冷蔵し、温め直すときは鍋のだしに短時間戻します。米麺はできれば保存せず、食べる直前に戻します。どうしても余った麺は、油を少量からめて冷蔵し、翌日中に食べ切ります。

冷凍するなら、だしだけが向きます。肉は冷凍すると繊維が少し硬くなり、米麺は食感が落ちます。だしを冷凍する場合は、レモングラスや香味野菜を取り除き、1食分ずつ容器に分けます。解凍後にナンプラーとライムを少し足すと、香りが戻りやすいです。

翌日の使い回しは、麺を足すだけではありません。だしにごはんを少し入れて雑炊風にすると、レモングラスの香りが残った朝食になります。辛味を控えた残りだしなら、バインミーの横に小さなスープとして出しても合います。

来客前日にできること

前日にだしとサテ油を作り、肉を切っておくと当日はかなり楽です。当日は麺を戻し、だしを温め、香草を切るだけ。大鍋料理なのに食卓で組み立て感があるので、週末の来客にも向きます。


アレンジと献立 — 香草皿で食卓を軽くする

ブンボーフエの丼、香草皿、サテ油を並べたベトナム風の食卓
ブンボーフエは大鍋のだしと、香草皿、ライム、サテ油を並べて食卓で仕上げる

ブンボーフエは、丼だけで完結させるより、横に香草皿を置くと食べやすくなります。赤いだしと肉だけでは重いので、もやし、ミント、キャベツ、ライムを足して、口の中を何度もリセットします。フエ料理の面白さは、辛味を押し切ることではなく、濃いだしと香草の逃げ道を同じ食卓に置くところにあります。

辛さ控えめ版は、唐辛子粉を小さじ1に減らし、パプリカを増やします。鍋にはサテ油を少量だけ入れ、食卓で足す方式にします。子どもがいる場合は、麺、肉、だしを先に取り分け、香草と辛味を後のせにしてください。

豚足が苦手な家庭では、豚スペアリブか豚肩ロース塊が扱いやすいです。ゼラチンの厚みは少し減りますが、香りは残せます。牛すね肉だけで作ると軽くなりすぎるので、牛すじを足すと満足感が戻ります。

魚介アレルギーがある場合は、マムルオックとナンプラーを抜き、塩、薄口しょうゆ、味噌少量で整えます。ただし、発酵えびの芯は消えるため、ベトナムのブンボーフエそのものではなく、レモングラス牛肉麺として楽しむ方が正直です。

献立にするなら、油の少ない副菜が合います。バインセオを一緒に出すと楽しいですが、どちらも香草を多く使うので、来客向けです。平日なら、ブンボーフエを主役にして、きゅうりの酢の物、冷やしトマト、または青菜炒めを添えるだけで十分です。東南アジアの麺料理で比べるなら、やさしい鶏だしのフォーガー、魚だしのモヒンガー、甘辛い炒め麺のミーゴレンへ進むと、国ごとの麺の考え方が見えます。


よくある質問

赤いだしのブンボーフエ。牛肉、太い麺、香草、サテ油が見える
ブンボーフエは一杯の中で、牛豚だし、レモングラス、太い米麺、香草を重ねる

Q1. ブンボーフエ用の太米麺がありません。フォー麺で作れますか?

作れますが、食感はかなり変わります。フォー麺は平たく、だしを受ける面が広い麺です。ブンボーフエ用の丸い太米麺は、噛むとむっちりして、赤いだしに負けません。初回は太めのビーフンで代替し、気に入ったらブンボーフエ用の麺を探すのがおすすめです。

Q2. マムルオックは必須ですか?

少量でも入れる価値があります。マムルオックは発酵えびの香りが強いので、直接鍋に入れず、熱湯で溶いて沈ませ、上澄みだけ使うと扱いやすいです。えびアレルギーや香りが苦手な家庭では、ナンプラー、味噌、干しえびの代替にして、別の家庭版として楽しんでください。

Q3. 豚足や豚血を入れないと本格的ではありませんか?

現地の一杯には豚足や豚血が入ることがあります。ただ、日本の家庭で無理に入れる必要はありません。豚足は豚スペアリブや豚肩ロースで代替できます。豚血は省略して構いません。大事なのは、牛と豚のだし、レモングラス、マムルオック、太い丸米麺の骨格です。

Q4. 辛さはどのくらいにすればいいですか?

鍋全体は控えめにし、サテ油を食卓で足すのがいちばん失敗しにくいです。唐辛子粉小さじ1なら穏やか、小さじ2ならしっかり辛い仕上がりになります。辛味だけ増やすと香りが平板になるので、パプリカとレモングラスも一緒に使ってください。

Q5. どのくらい前から仕込めますか?

だしとサテ油は前日に作れます。肉も切って保存できます。麺と香草だけは当日にしてください。麺は時間が経つと切れやすく、香草は熱と水分で香りが落ちます。来客なら、前日にだし、当日に麺と盛り付け、という分け方がきれいです。


参考文献

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行ブンボーフエの作り方|フエの辛い牛肉麺
URL
https://sekaigohan.com/recipes/southeast-asia/vietnam/bun-bo-hue
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月9日
レシピ一覧に戻る