金色のカダイフ生地にピスタチオを散らし、チーズが伸びるレバントのクナーファ
🔪下準備35分
🔥調理35分
🍽️分量6
🌍料理レバント料理

クナーファの作り方|レバントのチーズ菓子

約31分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 8

カダイフをほぐす

所要時間6分

手順1: カダイフをほぐす

冷蔵庫で解凍したカダイフ生地250gをボウルに入れ、手で4〜5cm長さにほぐします。液状にした無塩バター120gを3回に分けて加え、指先で軽くこすり合わせます。最初の下準備なので、急がず乾いた白い束をなくすことを優先します。生地全体がしっとり艶を帯びた状態が目安です。強く握ると塊になるので、空気を含ませるようにほぐします。

STEP 22 / 8

シロップを煮る

所要時間8分

手順2: シロップを煮る

小鍋にグラニュー糖180gと水120mlを入れ、中火で4分ほど温めます。沸騰して透明になったら弱火に落とし、レモン汁小さじ1を加えて2分煮ます。泡が細かくなり、温度計があれば103度前後、スプーンから落とすと水より少し遅く流れる濃度で火を止めます。10分冷まして60度以下になってから、オレンジフラワーウォーター小さじ1とローズウォーター小さじ1/2を混ぜます。

STEP 33 / 8

チーズの水気を取る

所要時間7分

手順3: チーズの水気を取る

低水分モッツァレラ300gは1cm幅に裂き、リコッタ120gはキッチンペーパーで包みます。両方をざるにのせ、上から軽く押さえて5分置きます。冷たいまま行う下準備で、あとで底へ水分を落とさないための作業です。表面の水分が紙に移り、チーズを持っても水滴が落ちない状態が目安です。ボウルでチーズ、きび砂糖小さじ2、塩1gを混ぜ、ざらつきが均一になるまで1分なじませます。

STEP 44 / 8

下層を押し固める

所要時間5分

手順4: 下層を押し固める

直径22cm前後の浅い金属鍋に、油脂を絡めたカダイフの約3分の2を入れます。底は厚さ8mm前後、縁は高さ1.5cmほどになるように広げ、指の腹で平らに押します。焼く前に形を決める工程です。中央から外側へ均一に整え、底だけ薄い部分を残さないようにします。底だけ薄いと焼いたあとに割れやすく、縁だけ厚いとチーズが外へ流れます。

STEP 55 / 8

チーズを広げる

所要時間4分

手順5: チーズを広げる

下層の上にチーズをのせ、縁から1cm内側まで広げます。厚さは1.5cm前後にそろえ、中央だけ高くしないようにします。残りのカダイフを上から薄く散らし、表面を軽く押さえます。焼く前にチーズを閉じ込める作業なので、チーズが見えすぎず、上層も厚くなりすぎない状態にします。押しすぎるとチーズの逃げ場がなくなるため、手の重みだけで十分です。

STEP 66 / 8

オーブンで焼く

所要時間25分

手順6: オーブンで焼く

オーブンを180度に予熱し、中段で22〜25分焼きます。15分を過ぎたら前後を入れ替え、縁が濃い黄金色、中央が薄いきつね色になるまで焼きます。チーズがふつふつ動き、表面のカダイフが乾いてパリッと見えたら焼き上がりです。焦げ色が早い場合は170度へ下げ、白い部分が多い場合は180度のまま3分だけ追加します。

STEP 77 / 8

シロップを注ぐ

所要時間3分

手順7: シロップを注ぐ

焼きたてのクナーファをオーブンから出し、冷ましたシロップの3分の2を2分かけて全体へ回しかけます。追加の加熱はしませんが、生地はまだ180度近い熱を持っています。注いだ瞬間に小さく泡立ち、表面が艶を帯びるのがよいサインです。皿へ流れ出るほど入れると底が重くなるため、残りは食卓で足します。3分置くと、底のカダイフまで甘さが入り、表面のパリッと感も残ります。

STEP 88 / 8

切って仕上げる

所要時間5分

手順8: 切って仕上げる

ピスタチオ25gを粗く砕き、表面全体へ散らします。包丁を80度前後の湯で温めて水気を拭き、中心から放射状に6等分します。仕上げの加熱は不要ですが、焼き上がりから5分以内に切り分けると、チーズがなめらかに伸びます。皿へ移すときは底を崩さないよう、幅広のフライ返しで支えます。冷めるとチーズが固まるため、最初の一切れは温かいうちに出します。

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Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

クナーファに使うカダイフ生地、チーズ、ピスタチオ、シロップ材料を並べた台所
カダイフ生地、低水分チーズ、花の香りのシロップ材料を先にそろえる
7品目

主材料

材料 分量 日本での選び方
冷凍カダイフ生地 250g 製菓用の細麺状生地。解凍後に4〜5cmへ短くほぐす
無塩バター 120g 溶かして使う。ギーなら110gで香りが深くなる
低水分モッツァレラ 300g シュレッドではなく塊なら1cm幅に裂く。水分の少ないものを選ぶ
リコッタ 120g カッテージチーズ裏ごし120gでもよい
きび砂糖 小さじ2 チーズの塩気を丸めるための少量
塩 1g チーズの味を締める
ピスタチオ 25g 無塩を粗く砕く
5品目

シロップ

材料 分量 役割
グラニュー糖 180g 透明で軽い甘みを作る
水 120ml 煮詰めすぎないための水分
レモン汁 小さじ1 甘さを締め、結晶化を防ぎやすくする
オレンジフラワーウォーター 小さじ1 レバント菓子らしい香りの主役
ローズウォーター 小さじ1/2 入れすぎると強いので控えめにする
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材料表の分量6人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
93kcal
エネルギー
2.7g
タンパク質
5.7g
脂質
8.3g
炭水化物
0.3g
食物繊維
70mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

道具

道具 目安 理由
浅い金属鍋または丸型 直径22cm前後 生地を薄く焼き、底を香ばしくする
小鍋 1個 シロップ用
ボウル 2個 カダイフ用、チーズ用
オーブン 180度 全体を均一に焼く
アレルギー情報

このレシピには小麦、乳製品、ナッツを使います。カダイフ生地には小麦が含まれ、チーズを多く使うため、乳アレルギーがある場合は無理に代替しないでください。ピスタチオは抜けますが、同じ製造設備でナッツを扱う商品もあります。

買い出しで見る価値があるもの

冷凍カダイフ生地、オレンジフラワーウォーター、浅い丸鍋を並べたクナーファの買い出し写真
普通の乳製品より、カダイフ生地と花の水、浅い鍋を先に確認する

クナーファの買い出しで差が出るのは、普通の乳製品ではなく、カダイフ生地、花の香りをつける水、薄く焼ける浅い鍋です。モッツァレラやリコッタは近所のスーパーで十分ですが、この3つは先に在庫を確認しておくと失敗が減ります。


熱いシロップを吸ったカダイフ生地にナイフを入れると、表面はしゃりっと鳴り、中から白いチーズがゆっくり伸びます。クナーファ、またはカナーフェ。レバントの街角では、朝食にも祝いの菓子にもなる、甘くて香ばしい焼き菓子です。

日本で作ろうとすると、最初に迷うのは材料です。ナブルスのナブルシチーズは手に入りにくい。カダイフ生地も普通のスーパーにはほぼありません。けれど、守るべき軸を間違えなければ、自宅のオーブンでもかなり近いところまで寄せられます。

このレシピでは、冷凍カダイフ生地、低水分モッツァレラ、リコッタを使い、22cm前後の浅い金属鍋で焼きます。ポイントは、チーズの水気を抜くこと、カダイフに油脂を均一に絡めること、焼きたての生地に冷ましたシロップを吸わせること。この3つです。

呼び方について

アラビア語圏では kunafa、knafeh、kanafeh など複数のローマ字表記が使われます。日本語ではクナーファ、カナーフェ、クナーフェと揺れがありますが、本記事では「クナーファ」を主表記にします。


クナーファの物語、ナブルスから広がった甘い熱気

丸い皿に盛ったクナーファを切り分け、チーズが伸びている食卓
焼きたてを切ると、カダイフの香ばしさとチーズの伸びが同時に出る

クナーファは、細い麺状の生地やセモリナ生地に、チーズやクリームを重ね、砂糖シロップを含ませる中東の菓子です。特にパレスチナのナブルスは、チーズ入りのクナーファでよく知られ、熱い鉄板から大きな丸皿へひっくり返して売る店の光景は、この菓子の記憶そのものになっています。

起源を一つの町だけに閉じ込めるより、レバントの菓子店と家庭で形を変えながら広まった料理として見た方が、台所での判断がしやすくなります。レバノン、シリア、ヨルダン、パレスチナ、トルコ周辺では、名前も形も少しずつ変わります。粗いカダイフを使う版、細かく刻んだ生地を押し固める版、パンのようなカアクにはさんで歩きながら食べる版、オレンジ色を強く出す版。地域差や店ごとの違いはありますが、共通しているのは、香ばしい生地、温かい乳製品、花の香りを含むシロップの組み合わせです。

日本の台所で再現するなら、派手な色よりも食感を優先します。生地はパリッと、チーズは水っぽくなく、シロップは甘いだけでなくレモンと花の香りで輪郭を出す。そこまで決めると、特別な菓子なのに、週末の午後に作れる料理になります。

フムス、ファラフェル、タブーレのようなレバントの前菜を並べる日なら、最後にこのクナーファを少量だけ出すと、塩気と酸味の食卓がきれいに閉じます。


鉄板の朝食と、家で切り分ける一皿

クナーファを焼く浅い丸鍋とカダイフ生地を台所に置いた買い出し準備
現地の大きな鉄板を、家庭では浅い金属鍋で小さく再現する

現地のクナーファを知ると、最初に驚くのは「甘い菓子なのに朝に食べる」場面があることです。ナブルスやレバノンの菓子店では、大きな丸い鉄板で焼いた熱いクナーファを切り、紙皿やパンにはさんで渡す光景が語られます。日本の感覚では食後のデザートに見えますが、濃いコーヒーや紅茶と一緒に、少量を朝の甘い一皿として食べることもあります。だから家庭で作るときも、ケーキのように冷まして落ち着かせるより、焼き上がって5分以内に一切れ切る方が、この料理らしさが残ります。

一方で、日本の台所で大きな鉄板を使う必要はありません。むしろ直径22cm前後の浅い金属鍋に絞ると、カダイフの層が薄くなり、底の香ばしさとチーズの伸びを両方見やすくなります。現地のナブルシチーズやアッカウィチーズをそのまま用意できない分、道具の形と水分管理で寄せるのが現実的です。大きく作りすぎると、焼き色を追っているうちに端が焦げ、中心は水っぽく残りがちです。小さく、薄く、焼きたてを切る。この順番を守ると、カダイフ生地や花の水を用意した味の差が見えやすくなります。

食卓の置き方も、少し現地に寄せられます。前菜にババガヌーシュやムジャッダラのような豆・穀物の料理を置いた日は、クナーファを大きな一切れで出さず、細い三角にしてシロップを別添えにします。甘さを自分で足せるようにすると、初めて食べる人も構えずに手を伸ばせます。


日本の台所で現地に寄せる分岐

皿に盛ったチーズ入りクナーファと、カアク風のパンにはさんだクナーファを並べた食卓
チーズ入りの皿盛りと、パンにはさんで食べる屋台風の楽しみ方

現地のレシピをそのまま日本へ持ち込むと、チーズでつまずきます。ナブルシチーズやアッカウィチーズは塩気が強く、塩抜きして使うことが多い一方、日本のモッツァレラは水分が多い。ここを同じ名前だけで置き換えると、底が水っぽくなります。

現地の要素 日本での現実的な寄せ方 守りたい理由
ナブルシチーズ、アッカウィチーズ 低水分モッツァレラ300gとリコッタ120g 伸びと乳の甘みを両方出す
カダイフ生地 冷凍カダイフを使う ここは代替しにくい。そうめんや春雨では焼き菓子の層にならない
澄んだ砂糖シロップ 砂糖と水を軽く煮て、最後に花の香りを入れる 煮詰めすぎると飴っぽくなり、生地へ入りにくい
オレンジ色の表面 着色は省いて、焼き色で黄金色へ寄せる 家庭では色よりも香ばしさを優先した方が失敗しにくい
大きな丸鉄板 22cmの浅い金属鍋、パエリア鍋、丸型 生地を薄く焼けるほど、底が香ばしくなる

パンにはさむ食べ方も面白いです。レバントの街では、クナーファを丸いゴマつきパンに入れる店があります。家庭で試すなら、温めた丸パンに小さな一切れをはさみ、シロップを少量だけ足します。かなり甘いので、食後のデザートというより、濃いコーヒーと一緒に半分ずつ食べるとちょうどよいです。


失敗原因、水っぽさと焦げを先に潰す

焼き色の浅いクナーファ、焦げた端、シロップが多すぎる断面を比べた台所
水気、焼き色、シロップ量を見れば失敗の原因が分かる
失敗 主な原因 直し方
底がべたつく チーズの水気が多い、シロップを一気に全部入れた チーズを5分以上水切りし、シロップは3分の2から入れる
生地が白く硬い 油脂が少ない、押し固めが強すぎる バター120gを全体へ絡め、指で軽く押す程度にする
端だけ焦げる 型が薄すぎる、上火が近い 15分で前後を入れ替え、焦げ始めたら170度へ下げる
チーズが伸びない 冷めてから切った、低水分チーズだけで固まった 焼き上がり5分以内に切り、リコッタを混ぜて乳の柔らかさを足す
甘さだけが強い 花の香りが強すぎる、レモンが少ない オレンジフラワー小さじ1、ローズ小さじ1/2を上限にする

一番多い失敗は、チーズの水分です。リコッタを増やすとやさしい味になりますが、水切りをしないと底が重くなります。逆に低水分モッツァレラだけで作ると伸びは出ますが、冷めたときにゴムのように固まりやすい。300g対120gくらいの配合が、家庭用オーブンでは扱いやすいです。

焼き色は、表面だけで判断しないでください。縁が濃い黄金色になり、中央は薄いきつね色。ここで止めると、底は香ばしく、上は苦くなりません。焼き不足が心配なときは、シロップを注ぐ前に縁を少し持ち上げ、底が薄く色づいているか確認します。


食べ方・保存・よくある質問

切り分けたクナーファを保存容器へ入れ、温め直し用に小鍋のシロップを添えた台所
保存するときはシロップを控えめにし、温め直しで香りを戻す

クナーファは焼きたてが一番おいしい菓子です。とはいえ、6人分を一度に食べ切らない場合は、最初から全量のシロップを入れない方が保存しやすくなります。食卓で食べる分だけ追加シロップをかけ、残りは控えめな甘さのまま冷まします。

状態 保存方法 温め直し
当日中 室温で3時間以内 160度のオーブンで5分
翌日 冷蔵で1日 160度のオーブンで8分、最後にシロップ小さじ1
冷凍 1切れずつ包んで2週間 冷蔵解凍後、170度で10分

電子レンジだけで温めると、チーズは戻りますが生地がしんなりします。最初に600Wで20秒だけチーズをゆるめ、次にトースターやオーブンで表面を3〜5分温めると、食感が戻りやすいです。

同じ花の水とピスタチオを使い、温め直しのいらない菓子へ回るなら、細挽きセモリナとアシュタを冷やすレイヤーリ・ルブナーンがあります。クナーファが焼いた糸状生地と伸びるチーズを楽しむ一皿なら、こちらは冷えた二層を静かに切る一皿です。

カダイフ生地なしで作れますか

完全な代替は難しいです。そうめんや春雨は水分を吸いやすく、焼き菓子の軽い層になりません。どうしても試すなら、フィロ生地を細く刻んで使う方が近いですが、カダイフの糸のような食感とは別物になります。

ローズウォーターは必須ですか

必須ではありません。オレンジフラワーウォーター小さじ1だけでも、十分にレバント菓子らしい香りになります。ローズウォーターを入れる場合は小さじ1/2までにし、香水のような強さを避けます。

前日に組み立てられますか

生地へ油脂を絡めるところまでなら前日にできます。型へ敷き、チーズをのせた状態で一晩置くと、チーズの水分が底へ移ります。前日はカダイフとチーズを別々に準備し、焼く30分前に組み立てるのが無難です。

献立にするなら何を合わせますか

甘い菓子なので、食事は軽く酸味のあるものが合います。タブーレ、ババガヌーシュ、シャワルマを少量ずつ並べると、最後のクナーファが重く感じにくいです。米料理のあとなら、ヨルダンのマンサフのような乳の香りとのつながりも見えてきます。


主な参考リンク

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