バナナの葉を開いた上に盛ったバリ島のアヤムベトゥトゥ
🔪下準備1時間10分
🔥調理1時間50分
🍽️分量4
🌍料理インドネシア料理
東南アジアレシピ

アヤムベトゥトゥの作り方|バリ島の包み焼き鶏

37分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 鶏肉を整える
STEP 11 / 8

鶏肉を整える

所要時間8分

丸鶏1羽は冷蔵庫から出し、表面と腹の中の水分をキッチンペーパーで拭きます。胸と太ももの厚い部分に深さ5mmほどの浅い切り込みを3〜4本入れ、塩小さじ1とライム果汁大さじ1を全体にすり込みます。冷たい水で洗うと台所に菌が飛びやすいので、拭き取りで整えます。

手順2: ブンブを粗く作る
STEP 22 / 8

ブンブを粗く作る

所要時間12分

紫玉ねぎは2cm角、にんにく、ターメリック、しょうが、ガランガルは2〜3mm厚に切り、レモングラスは根元の白い部分を5mm幅に刻みます。フードプロセッサーに香味野菜、唐辛子、キャンドルナッツ、スパイス、テラシ、水大さじ3を入れ、30秒ずつ止めながら回します。粒が完全に消えず、粗い味噌のようにまとまれば十分です。

手順3: 香りが甘くなるまで炒める
STEP 33 / 8

香りが甘くなるまで炒める

所要時間12分

フライパンにココナッツオイル大さじ3を入れ、弱めの中火で温めます。ブンブを加え、木べらで広げながら8〜10分炒めます。最初は生の玉ねぎとテラシの強い香りが立ちますが、だんだん甘くなり、ペーストの縁に油がにじみ、色が明るい黄赤から少し濃い黄金色へ変わったら止めます。焦げ茶色になる前に火を止めます。

手順4: 葉物と香味を詰める
STEP 44 / 8

葉物と香味を詰める

所要時間10分

小松菜は4cm長さに切り、鍋の湯を強火でしっかり沸かしてから40秒だけゆでます。葉の色が濃くなり、茎が少ししんなりしたら冷水に取り、手でしっかり絞ります。刻んだ小松菜に炒めたブンブの1/3量と塩小さじ1/3を混ぜ、鶏の腹の中へ詰めます。残りのブンブは胸、もも、背中、切り込みの中へ薄く均一に塗り、皮の下にも少し入れます。厚く盛りすぎると外側だけ塩辛くなります。

手順5: バナナの葉で包む
STEP 55 / 8

バナナの葉で包む

所要時間30分

バナナの葉は直火に数秒かざすか、熱湯をかけてしなやかにします。葉を30cm四方で十字に重ね、中央に鶏を置きます。左右、上下の順に葉を折り、すき間が出ないように包みます。外側をアルミホイルで包み、たこ糸で2〜3か所結びます。冷蔵庫で30分休ませると、ペーストが皮に密着します。

手順6: 低温で包み焼きにする
STEP 66 / 8

低温で包み焼きにする

所要時間90分

オーブンを160度Cに予熱し、包んだ鶏を天板にのせます。160度Cで80分焼き、いったん取り出して太ももの厚い部分へ温度計を刺します。中心温度が74度Cに届いていなければ、包み直して10〜20分追加します。包みの中で湯気が立ち、肉汁が透明に近くなり、竹串が太ももに抵抗なく入る状態が目安です。

手順7: 開いて焼き色をつける
STEP 77 / 8

開いて焼き色をつける

所要時間8〜10分

包みの上側だけを開き、オーブンを220度Cまたはグリル機能に上げます。葉が焦げすぎる場合は、鶏の周囲だけホイルを残します。表面に残ったブンブをスプーンで薄く戻し、220度Cで8〜10分焼きます。皮の端が少し乾き、ブンブが香ばしく濃い黄金色になったら止めます。黒い焦げが広がる前に取り出してください。

手順8: 休ませて食卓へ出す
STEP 88 / 8

休ませて食卓へ出す

所要時間10分

焼き上がったら葉を開いたまま10分休ませます。すぐ切ると肉汁が流れ、ブンブが皿の底に落ちやすくなります。もも肉を骨に沿って切り、胸肉は1.5cm厚にそぎ切りします。ごはん、サンバルマタ、きゅうり、ライム、フライドオニオンを添え、葉の上で香りを残して出します。

骨付きもも肉4本なら、ブンブを全体に塗り、葉の包みを2つに分けます。160度Cで60分焼き、中心温度74度Cを確認し、最後に220度Cで6〜8分焼き色をつけます。丸鶏より失敗しにくく、平日の夕飯にも向きます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

アヤムベトゥトゥに使う丸鶏、バナナの葉、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉、唐辛子、キャンドルナッツを並べた台所
香味ペーストの材料を先にそろえると、アヤムベトゥトゥの味の方向が決まる

丸鶏で作ると最も雰囲気が出ますが、日本のスーパーでは丸鶏が常にあるとは限りません。骨付きもも肉4本でも作れます。その場合は包みを2つに分け、焼き時間を少し短くしてください。

6品目

鶏肉と包む材料

材料 分量 代替・備考
丸鶏 1羽(約1.2kg) 骨付き鶏もも肉4本でも可
小さじ1と1/2 鶏肉の下味
ライム果汁 大さじ1 レモン汁で可
バナナの葉 4枚(各30cm四方) クッキングシート2枚とアルミホイルで代用可
アルミホイル 2枚(各40cm長さ) 葉の外側を包む
たこ糸 1m なければホイルをきつく折る
17品目

ブンブ・ベトゥトゥ

材料 分量 代替・備考
紫玉ねぎ 180g 現地の小玉ねぎ bawang merah の代替
にんにく 6片 みじん切り前に芯を取る
生ターメリック 25g ターメリックパウダー小さじ2で代替
しょうが 30g 皮を薄くむく
ガランガル 30g なければしょうが15gとライム皮少々
レモングラス 3本 根元の白い部分だけ。乾燥なら大さじ1
こぶみかんの葉 5枚 ライム皮を薄く2枚で代替
赤唐辛子 2本 辛さ控えめなら種を取る
キャンドルナッツ 5粒 マカダミアナッツ25g、またはカシューナッツ25g
コリアンダーシード 小さじ2 パウダーなら小さじ1と1/2
黒こしょう 小さじ1/2 粗びき
ナツメグ 小さじ1/4 入れすぎると甘い香りが強くなる
クローブ 2粒 パウダーならごく少量
テラシ 小さじ1/2 干しえび小さじ2、またはナンプラー小さじ1
パームシュガー 大さじ1 きび砂糖で可
ココナッツオイル 大さじ3 米油でも可
大さじ3 ペーストを回すため
7品目

詰め物と添え物

材料 分量 代替・備考
小松菜 1束(約180g) 現地のキャッサバ葉の代替。青菜を細かく刻む
小さじ1/3 小松菜用
温かいごはん 茶碗4杯分 固めに炊くと香味だれと合う
サンバルマタ 大さじ4 なければ紫玉ねぎ、唐辛子、ライム、油で簡易版
フライドオニオン 大さじ3 仕上げの香り
きゅうり 1本 斜め薄切り
ライム 1個 くし形に切る
アレルギーと食品安全

この料理には鶏肉、ナッツ類、えびを含む可能性のある発酵調味料を使います。キャンドルナッツやマカダミアナッツ、テラシ、干しえびにアレルギーがある場合は必ず避けてください。生の鶏肉に触れたペーストや器具は、加熱前後で分けます。


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📊 栄養情報(1人分)
170
kcal
11.8g
タンパク質
10.8g
脂質
6.0g
炭水化物
1.3g
食物繊維
388mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料(4人分)|香味ペーストを先に決める

アヤムベトゥトゥに使う丸鶏、バナナの葉、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉、唐辛子、キャンドルナッツを並べた台所
香味ペーストの材料を先にそろえると、アヤムベトゥトゥの味の方向が決まる

丸鶏で作ると最も雰囲気が出ますが、日本のスーパーでは丸鶏が常にあるとは限りません。骨付きもも肉4 本でも作れます。その場合は包みを2つに分け、焼き時間を少し短くしてください。

鶏肉と包む材料

材料 分量 代替・備考
丸鶏 1羽(約1.2kg) 骨付き鶏もも肉4 本でも可
小さじ1と1/2 鶏肉の下味
ライム果汁 大さじ1 レモン汁で可
バナナの葉 4 枚(各30cm四方) クッキングシート2 枚とアルミホイルで代用可
アルミホイル 2 枚(各40cm長さ) 葉の外側を包む
たこ糸 1m なければホイルをきつく折る

ブンブ・ベトゥトゥ

材料 分量 代替・備考
紫玉ねぎ 180 g 現地の小玉ねぎ bawang merah の代替
にんにく 6 片 みじん切り前に芯を取る
生ターメリック 25 g ターメリックパウダー小さじ2で代替
しょうが 30 g 皮を薄くむく
ガランガル 30 g なければしょうが15 gとライム皮少々
レモングラス 3 本 根元の白い部分だけ。乾燥なら大さじ1
こぶみかんの葉 5 枚 ライム皮を薄く2 枚で代替
赤唐辛子 2 本 辛さ控えめなら種を取る
キャンドルナッツ 5粒 マカダミアナッツ25 g、またはカシューナッツ25 g
コリアンダーシード 小さじ2 パウダーなら小さじ1と1/2
黒こしょう 小さじ1/2 粗びき
ナツメグ 小さじ1/4 入れすぎると甘い香りが強くなる
クローブ 2粒 パウダーならごく少量
テラシ 小さじ1/2 干しえび小さじ2、またはナンプラー小さじ1
パームシュガー 大さじ1 きび砂糖で可
ココナッツオイル 大さじ3 米油でも可
大さじ3 ペーストを回すため

詰め物と添え物

材料 分量 代替・備考
小松菜 1束(約180 g) 現地のキャッサバ葉の代替。青菜を細かく刻む
小さじ1/3 小松菜用
温かいごはん 茶碗4杯分 固めに炊くと香味だれと合う
サンバルマタ 大さじ4 なければ紫玉ねぎ、唐辛子、ライム、油で簡易版
フライドオニオン 大さじ3 仕上げの香り
きゅうり 1 本 斜め薄切り
ライム 1 個 くし形に切る
アレルギーと食品安全

この料理には鶏肉、ナッツ類、えびを含む可能性のある発酵調味料を使います。キャンドルナッツやマカダミアナッツ、テラシ、干しえびにアレルギーがある場合は必ず避けてください。生の鶏肉に触れたペーストや器具は、加熱前後で分けます。


アヤムベトゥトゥの物語|葉を開く前から香るバリの鶏

オーブンの中から、ターメリックの黄色い香りとレモングラスの青い香りがゆっくり漏れてくる。焼き鳥のように煙で誘う料理ではありません。アヤムベトゥトゥは、バナナの葉の中で香味を閉じ込め、食卓で葉を開く瞬間にいちばん強く香る料理です。

バナナの葉を開いたアヤムベトゥトゥとごはん、サンバルマタ、ライムを並べた食卓
葉を開くとブンブの香りが一気に立つ。ごはん、サンバルマタ、ライムを横に置くと食べ進めやすい

アヤムベトゥトゥ(ayam betutu)は、バリ島とロンボク島で食べられる、鶏肉の香味包み焼きです。丸鶏にブンブ・ベトゥトゥと呼ばれる濃い香味ペーストを塗り、腹の中にも詰め、バナナの葉や椰子の葉で包んで長く蒸し焼きにします。観光向けの料理としても有名ですが、背景には寺院の祭礼、結婚式、家族で分ける食卓があります。

日本で作るときに悩むのは、丸鶏そのものよりも材料名の多さです。ガランガル、クンチュール、キャンドルナッツ、テラシ、サラムリーフ、こぶみかんの葉。すべてを現地通りにそろえようとすると、買い出しだけで疲れます。この記事では、守る材料と代替できる材料を分け、家庭のオーブンで作れる分量と火入れに落とし込みます。

同じインドネシア料理でも、ナシゴレンミーゴレンが強火で一気に香りを作る料理なら、アヤムベトゥトゥは低温で香りを染み込ませる料理です。サテアヤムのような甘い醤油の照りより、ターメリック、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉の層を楽しみます。

表記について

インドネシア語では ayam が鶏、betutu が香味を詰めて包み、長く火を入れる料理を指します。鶏なら ayam betutu、鴨なら bebek betutu と呼ばれます。本記事では日本語表記を「アヤムベトゥトゥ」に統一します。


この料理の背景|供物とごちそうの間にある一羽

バナナの葉で包んだアヤムベトゥトゥとターメリック、ガランガル、唐辛子を並べた下準備
アヤムベトゥトゥは、香味ペーストを塗った鶏を葉で閉じ、時間をかけて香りを移す料理

インドネシア政府観光局の解説では、アヤムベトゥトゥはバリとロンボクの代表的な料理として紹介され、ブンブを丸鶏の中と外に使い、バナナの葉で包んで長く火を入れる料理とされています。祝いの席や寺院行事で食べられる一方、今ではワルンと呼ばれる食堂でも出会える料理です。

現地で大事なのは、ただ辛くすることではありません。ブンブの香りを鶏肉へ入れることです。ターメリックは色と土っぽい香り、ガランガルは松や柑橘に近い鋭さ、レモングラスは青い香り、キャンドルナッツはペーストの厚み、テラシは発酵したうま味を担当します。辛味だけを増やしても、ベトゥトゥらしい奥行きにはなりません。

アメリカのCulinary Institute of Americaが公開するインドネシア・マレーシア料理教材では、ayam betutuを「Roast Chicken in Banana Leaf」として扱い、丸鶏、キャッサバの葉、ターメリック、クンチュール、ガランガル、赤唐辛子、キャンドルナッツ、レモングラス、こぶみかんの葉、バナナの葉を組み合わせています。石臼かフードプロセッサーでペーストにし、葉で包み、蒸してから低温のオーブンへ移す流れです。

この教材の手順で面白いのは、香味ペーストを単に塗るだけでなく、葉物と混ぜて皮の下や腹の中へ入れる点です。日本の家庭で丸鶏を扱うと、外側に味を塗って満足しがちですが、アヤムベトゥトゥは中からも香らせる料理です。小松菜を詰め物に使うのは、現地のキャッサバ葉の役割を家庭向けに置き換えるためで、青菜そのものを主役にするためではありません。

一方、バリの外食では「ギリマヌク風」のように辛さを前に出す店もあり、家庭の祭礼料理だけでは説明しきれません。観光客が食堂で出会う一皿は、長時間蒸し焼きにしたやわらかさ、強い唐辛子、白いごはんで受け止める食べ方が前面に出ます。この記事の分量は、祭礼料理の迫力を残しつつ、家族の夕飯でも食べきれる辛さに寄せています。

このレシピでは、現地の長い炭火や地中焼きは家庭向けに置き換えます。日本の台所では、バナナの葉で包み、アルミホイルで水分を逃がさず、160度Cのオーブンでじっくり火を入れ、最後だけ葉を開いて焼き色をつけます。香りの密閉と安全な火通りを優先する方法です。


買い出し導線|普通の鶏肉ではなく香りの材料を見る

アヤムベトゥトゥの買い出しで迷いやすいバナナの葉、ガランガル、こぶみかんの葉、テラシ、フードプロセッサーを並べた台所
通販や輸入食材店で見る価値があるのは、鶏肉ではなく香りの芯になる材料

アヤムベトゥトゥで通販を見る価値があるのは、丸鶏ではなく香りの材料です。鶏肉は精肉店やスーパーで十分。買い足すなら、ガランガル、こぶみかんの葉、フードプロセッサー、辛味を分けるサンバルです。インドネシア料理を続けるなら、ソトアヤムナシウドゥックにも回せます。

ガランガルは、しょうがとは別の香りです。生姜だけで作ると温かい煮込み寄りになりますが、ガランガルが入るとバリ料理らしい硬い柑橘のような香りが出ます。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

こぶみかんの葉は少量でも香りが強く、レモングラスと並んでベトゥトゥの輪郭を作ります。余ったらトムヤムクングリーンカレーにも使えます。

香味野菜を包丁だけで細かくするのは、初回の負担が大きいです。粗いペーストで止められる小型フードプロセッサーがあると、ガドガドのピーナッツだれやサンバル代用にも回せます。

辛さを皿ごとに分けるなら、市販サンバルを別皿に置くと楽です。ブンブ全体を激辛にすると、子どもや辛味が苦手な人が食べにくくなります。


日本の台所で現地に寄せる分岐表

アヤムベトゥトゥの現地材料と日本で買いやすい代替食材を並べた台所
代替できる材料と守りたい香りの芯を分けると、家庭でもバリ料理らしさを残しやすい

アヤムベトゥトゥは、材料を全部そろえる料理ではなく、香りの柱を残す料理です。初回からクンチュールやサラムリーフまで探すより、ターメリック、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉の方向を守った方が失敗しません。

迷う材料 現地寄せ 日本での現実解 判断
丸鶏 一羽を包む 骨付きもも肉4本 初回はもも肉でもよい
バナナの葉 直接包む クッキングシートとホイル 香りは弱くなるが蒸し焼きは成立
キャッサバ葉 腹に詰める 小松菜、春菊、ほうれん草 小松菜が扱いやすい
ガランガル lengkuas / laos 冷凍品、なければしょうが少量とライム皮 省略すると香りが丸くなりすぎる
クンチュール kencur 省略、またはガランガルを少し増やす 入手難度が高いので無理しない
キャンドルナッツ kemiri マカダミアナッツ、カシューナッツ ペーストの厚み担当
テラシ 発酵えびペースト 干しえび、ナンプラー えびアレルギーなら使わない
サラムリーフ daun salam ローリエ1枚 入れすぎると洋風になる

代替不可に近いのは、ターメリックとレモングラスです。ターメリックがないと色も土っぽい香りも弱くなり、レモングラスがないと葉で包んでも青い香りが立ちません。ガランガルとこぶみかんの葉は、手に入るならぜひ入れたい材料です。逆にクンチュールやサラムリーフは、初回から無理に探さなくても作れます。

テラシは少量で香りが強い材料です。慣れていない家庭では、フライパンで先に30秒ほど温めてから使うと匂いの角が取れます。どうしても苦手なら、干しえびを細かくして油で炒める方が失敗しにくいです。


失敗しやすいところ|水っぽさ、焦げ、生焼けを分けて考える

水っぽく淡いブンブと、油がにじんで濃い黄金色になったブンブを並べた比較
ペーストは水分を飛ばして油がにじむまで炒めると、葉の中で香りがぼやけにくい

アヤムベトゥトゥの失敗は、だいたい三つに分かれます。ペーストが水っぽい、葉の中で香りが弱い、表面だけ焦げて中が不安。この三つを同時に直そうとすると混乱します。原因を分けて見ます。

失敗 原因 戻し方
ペーストが水っぽい 玉ねぎの水分、炒め不足 弱めの中火で3〜5分追加し、油がにじむまで炒める
香りが弱い レモングラスを刻んでいない、ガランガル不足 レモングラスの根元を細かくし、こぶみかんの葉を増やす
塩辛い ブンブを外側に厚く塗りすぎた 皮の上の余分なペーストを取り、ごはんとサンバルで調整
表面だけ焦げた 仕上げの高温が長すぎる 黒い部分を落とし、葉をかぶせて余熱で休ませる
中が不安 丸鶏が大きい、温度不足 包み直し、160度Cで10〜20分追加して中心温度を確認
肉が乾いた 包みが甘い、最後の焼きすぎ 取り出した肉汁をかけ、次回はホイルを二重にする

直す場所は、必ず工程へ戻して考えます。水っぽいならSTEP 3の炒め不足、香りが弱いならSTEP 2の刻み方とSTEP 5の包み方、生焼けが不安ならSTEP 6の中心温度です。味見で塩や辛味を足す前に、どの工程で香りや水分が逃げたのかを見た方が、次回の失敗が減ります。

丸鶏を使う料理なので、見た目だけで火通りを決めないことが大切です。FoodSafety.govの安全温度表では、鶏肉や七面鳥などの家禽は全体で165度F、つまり74度Cが目安とされています。家庭では温度計を使うのがいちばん確実です。


現地の食べ方と献立へのつなげ方

現地の食卓では、アヤムベトゥトゥは単体で完結しません。ごはん、サンバルマタ、ラワール風の野菜、フライドオニオン、ライムがあると、香味の強い鶏肉が最後まで食べやすくなります。日本の夕飯なら、最初の一回はごはん、きゅうり、サンバル、ライムだけで十分です。

同じインドネシア料理で組むなら、主菜をアヤムベトゥトゥにし、米はナシウドゥックにすると一気にバリ寄りの食卓になります。野菜を増やしたい日はガドガドを軽めに作り、ピーナッツだれを少なめにします。辛さを分けたい日はサンバル代用の作り方を別皿で出すと、子どもや辛味が苦手な人も一緒に食べられます。

ほぐしたアヤムベトゥトゥとブンブ、肉汁を保存容器に分けた状態
保存は骨から外し、肉、ブンブ、肉汁を一緒に入れると温め直しで乾きにくい

保存は、骨から外して密閉容器へ入れ、冷蔵で2日が目安です。葉の香りは時間とともに弱くなるので、温め直しは電子レンジより蒸し直しが向きます。蒸し器で中火8分、または耐熱皿に肉汁ごと入れてふんわりラップをかけ、600Wで2分ずつ温めます。冷凍するなら骨を外し、ブンブと肉汁を一緒に小分けして2週間以内に食べます。

翌日は、ほぐした肉をナシゴレンに混ぜてもおいしいです。ごはん300gにほぐし肉80g、残ったブンブ大さじ1、卵1個を合わせ、中火で3〜4分炒めます。ケチャップマニスを足さなくても、ベトゥトゥの香りだけで十分に味が立ちます。


よくある質問

バナナの葉、クッキングシート、ガランガル、しょうが、ナッツ、テラシ代替を並べたアヤムベトゥトゥの代替食材
代替食材は役割で選ぶ。包むもの、香りの根、厚みを出すナッツ、発酵うま味を分けて考える

Q1. バナナの葉がないと作れませんか?

作れます。香りは弱くなりますが、クッキングシートで鶏を包み、その外側をアルミホイルでしっかり包めば蒸し焼きの構造は作れます。葉がない日は、こぶみかんの葉やレモングラスを少し増やして香りを補うとよいです。

Q2. 丸鶏ではなく鶏もも肉でもよいですか?

よいです。骨付きもも肉4本なら、包みを2つに分けて160度Cで60分、中心温度74度Cを確認してから仕上げ焼きにします。骨なしもも肉だけなら40〜45分で火が入りやすいですが、丸鶏や骨付き肉ほど祭礼料理らしい迫力は出ません。

Q3. キャンドルナッツは省略できますか?

完全に省略するとペーストの厚みが弱くなります。マカダミアナッツやカシューナッツで代替してください。ナッツアレルギーがある場合は無理に入れず、玉ねぎを少し増やし、ペーストをしっかり炒めて水分を飛ばします。

Q4. テラシの匂いが苦手です。

テラシは小さじ1/2でも十分です。アルミホイルにのせ、弱火のフライパンで30秒ほど温めてから使うと香りが丸くなります。苦手なら干しえび小さじ2、またはナンプラー小さじ1で代替してください。えびアレルギーがある場合は入れません。

Q5. 作り置きできますか?

焼き上げた後、骨から外して冷蔵2日、冷凍2週間を目安にします。丸鶏のまま冷蔵すると冷えにくいので、食べ残しは早めにほぐしてください。温め直しは蒸し器か電子レンジで、中心まで湯気が立つまで加熱します。


参考文献

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行アヤムベトゥトゥの作り方|バリ島の包み焼き鶏
URL
https://sekaigohan.com/recipes/southeast-asia/indonesia/ayam-betutu
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月17日
主な参考リンク
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