牛肉、にんじん、香草、バゲットを添えたベトナムの牛肉シチュー、ボーコー
🔪下準備35分
🔥調理2時間10分
🍽️分量4
🌍料理ベトナム料理
東南アジアレシピ

ボーコーの作り方|ベトナム牛肉シチュー

34分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
手順1: 牛肉に下味を入れる
STEP 11 / 6

牛肉に下味を入れる

所要時間15分 / 休ませる時間30分

牛肉は4cm角に切り、厚い脂や硬い筋が大きく残る場合だけ取り除きます。みじん切りのレモングラス20g、にんにく、しょうが、ナンプラー大さじ2、砂糖、五香粉、黒こしょう、アナトー油を加え、手袋をして2分ほどもみ込みます。調味料が肉の表面に均一にまとわり、肉の色が赤オレンジに薄く染まり、ボウルの底に赤い液体が大さじ1程度だけ残る状態が目安です。冷蔵庫で30分置き、火にかける10分前に出します。

手順2: 牛肉を焼き付ける
STEP 22 / 6

牛肉を焼き付ける

所要時間10分

厚手の鍋に油大さじ1を入れ、中強火で2分予熱します。牛肉を2回に分けて並べ、片面2分ずつ焼きます。全面を完璧に焼く必要はありませんが、広い面に濃い茶色の焼き色がつき、鍋底に赤茶色のうま味が残るところまで焼きます。肉を詰めすぎると水分が出て煮えた匂いになるため、鍋底の半分が見える余裕を残してください。焼けた肉は皿に取り出します。

手順3: 香味野菜とスパイスを炒める
STEP 33 / 6

香味野菜とスパイスを炒める

所要時間6分

同じ鍋に油大さじ1を足し、中火に落とします。玉ねぎ、セロリ、残りのレモングラス、にんにく少量が鍋に残っていれば一緒に入れ、3分炒めます。玉ねぎの端が透き通り、レモングラスの香りが立ったら、トマトペースト、八角、シナモン、ローリエを加えてさらに2分。鍋底の焦げを木べらでこそげ、赤い油が小さく泡立つ状態にします。黒く焦げそうなら水大さじ1を入れて温度を下げます。

手順4: 煮汁を入れて弱火で煮る
STEP 44 / 6

煮汁を入れて弱火で煮る

所要時間90分

牛肉を鍋に戻し、水900mlを注ぎます。強めの中火で8分ほどかけて沸かし、灰色の泡が出たらすくいます。沸騰が強くなったら弱火に落とし、表面がふつふつ揺れる程度で75分から90分煮ます。ふたは少しずらし、肉の頭が煮汁から出る場合は水を50mlずつ足します。竹串が肉にすっと入り、繊維がほろっとほぐれ始める状態が次へ進む合図です。

手順5: にんじんを加える
STEP 55 / 6

にんじんを加える

所要時間25分

にんじんは4cm長さの乱切り、玉ねぎを残している場合は2cm幅のくし形にします。鍋に加え、弱火のまま20分から25分煮ます。にんじんに竹串が抵抗なく入り、角が崩れず残っている状態が目安です。煮汁は具材の八分目ほどに保ちます。ここで強く煮ると、にんじんが割れ、スープが濁ります。八角とシナモンは香りが強くなりすぎる前に取り出します。

手順6: 味を決めて盛る
STEP 66 / 6

味を決めて盛る

所要時間10分

ナンプラー大さじ1、塩小さじ1/2を加え、1分だけ弱火で温めます。スープの表面に赤い油が小さく浮き、塩気が角立たず牛肉の甘みを感じる状態で止めます。米麺で食べる場合は湯1.5Lを沸かし、中火で4分から5分ゆで、麺に火が通って白い芯が消え、押すと少し弾力が残るところで器へ。バゲットはトースターで2分温めます。器に牛肉、にんじん、スープを入れ、香草とライムを添えます。スープはどろりとさせず、パンが軽く吸える濃さで止めます。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

牛肉、にんじん、レモングラス、五香粉、八角、ナンプラー、アナトーを並べたボーコーの材料
ボーコーは牛肉、にんじん、レモングラス、八角、五香粉、ナンプラーを先にそろえると作りやすい

4人分です。牛肉はすね肉が最も向きますが、スーパーでは見つからない日もあります。その場合は肩ロースのブロック、牛バラブロック、カレー用角切り肉を使います。脂が少ないもも肉だけだと、長く煮ても硬さが残りやすいです。

8品目

主材料

材料 分量 代替・備考
牛すね肉または牛肩肉 800g 4cm角。牛バラブロックやカレー用牛肉でも可
にんじん 3本(約450g) 4cm長さの乱切り。煮崩れにくい大きさにする
玉ねぎ 1個(約200g) 2cm幅のくし形。薄切りにしない
セロリ 1本(約80g) なければ省略可。香りの土台になる
バゲット 1本 食べる直前に軽く焼く。米麺にするなら省いてよい
細い米麺 280g bún またはビーフン。バゲットだけの日は不要
香草 30g パクチー、タイバジル、ミントを合わせる
ライム 1個 レモン1個で代用可
15品目

下味と煮汁

材料 分量 代替・備考
レモングラス 2本(白い部分約40g) 冷凍レモングラスでも可。1本はみじん切り、1本はたたいて煮る
にんにく 3片(約18g) みじん切り
しょうが 20g 皮をこそげてみじん切り
ナンプラー 大さじ3 ベトナムのヌクマムがあればより近い
砂糖 大さじ1と1/2 きび砂糖かグラニュー糖。黒砂糖は香りが強い
五香粉 小さじ1 入れすぎると薬膳風が強くなる
粗びき黒こしょう 小さじ1/2 白こしょうでも可
アナトー油 大さじ1 アナトーシード小さじ2を油大さじ2で温めたもの。なければパプリカパウダー小さじ1
トマトペースト 大さじ2 トマト缶100gでも可。その場合は水を50ml減らす
八角 2個 スターアニス。入れすぎると甘い香りが強すぎる
シナモンスティック 1本 パウダーなら小さじ1/4
ローリエ 1枚 なくてもよいが、香りが丸くなる
900ml 肉がかぶる程度。煮込み中に足す分を別に100ml用意
小さじ1/2 最後の調整用
サラダ油 大さじ2 牛肉の焼き付けと香味野菜用
アレルギーと食品安全

ナンプラーは魚由来です。市販の五香粉には小麦や大豆と同じ工場で作られたものがあるため、アレルギーがある場合は表示を確認してください。牛肉は長く煮込む料理ですが、焼き付け前に触れたまな板、包丁、ボウルは香草やバゲットを扱う前に洗剤で洗います。

牛肉選びの目安

すね肉は時間がかかりますが、ゼラチン質が溶けてスープに厚みが出ます。肩肉は少し早く柔らかくなり、牛バラは脂が出やすいです。カレー用角切り肉を使う場合は部位が混ざっているので、煮込み後に硬いものだけ10分ほど追加で煮るつもりで作ると失敗しにくいです。

0 / 0
📊 栄養情報(1人分)
715
kcal
44.5g
タンパク質
29.5g
脂質
63.5g
炭水化物
6.0g
食物繊維
1605mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
人数に合わせて材料表を調整する
4人分

材料(4人分)|牛すねと香りの買い出し

牛肉、にんじん、レモングラス、五香粉、八角、ナンプラー、アナトーを並べたボーコーの材料
ボーコーは牛肉、にんじん、レモングラス、八角、五香粉、ナンプラーを先にそろえると作りやすい

4人分です。牛肉はすね肉が最も向きますが、スーパーでは見つからない日もあります。その場合は肩ロースのブロック、牛バラブロック、カレー用角切り肉を使います。脂が少ないもも肉だけだと、長く煮ても硬さが残りやすいです。

主材料

材料 分量 代替・備考
牛すね肉または牛肩肉 800 g 4cm角。牛バラブロックやカレー用牛肉でも可
にんじん 3 本(約450 g) 4cm長さの乱切り。煮崩れにくい大きさにする
玉ねぎ 1 個(約200 g) 2cm幅のくし形。薄切りにしない
セロリ 1 本(約80 g) なければ省略可。香りの土台になる
バゲット 1 本 食べる直前に軽く焼く。米麺にするなら省いてよい
細い米麺 280 g bún またはビーフン。バゲットだけの日は不要
香草 30 g パクチー、タイバジル、ミントを合わせる
ライム 1 個 レモン1 個で代用可

下味と煮汁

材料 分量 代替・備考
レモングラス 2 本(白い部分約40 g) 冷凍レモングラスでも可。1 本はみじん切り、1 本はたたいて煮る
にんにく 3 片(約18 g) みじん切り
しょうが 20 g 皮をこそげてみじん切り
ナンプラー 大さじ3 ベトナムのヌクマムがあればより近い
砂糖 大さじ1と1/2 きび砂糖かグラニュー糖。黒砂糖は香りが強い
五香粉 小さじ1 入れすぎると薬膳風が強くなる
粗びき黒こしょう 小さじ1/2 白こしょうでも可
アナトー油 大さじ1 アナトーシード小さじ2を油大さじ2で温めたもの。なければパプリカパウダー小さじ1
トマトペースト 大さじ2 トマト缶100 gでも可。その場合は水を50 ml減らす
八角 2 個 スターアニス。入れすぎると甘い香りが強すぎる
シナモンスティック 1 本 パウダーなら小さじ1/4
ローリエ 1 枚 なくてもよいが、香りが丸くなる
900 ml 肉がかぶる程度。煮込み中に足す分を別に100 ml用意
小さじ1/2 最後の調整用
サラダ油 大さじ2 牛肉の焼き付けと香味野菜用
アレルギーと食品安全

ナンプラーは魚由来です。市販の五香粉には小麦や大豆と同じ工場で作られたものがあるため、アレルギーがある場合は表示を確認してください。牛肉は長く煮込む料理ですが、焼き付け前に触れたまな板、包丁、ボウルは香草やバゲットを扱う前に洗剤で洗います。

牛肉選びの目安

すね肉は時間がかかりますが、ゼラチン質が溶けてスープに厚みが出ます。肩肉は少し早く柔らかくなり、牛バラは脂が出やすいです。カレー用角切り肉を使う場合は部位が混ざっているので、煮込み後に硬いものだけ10分ほど追加で煮るつもりで作ると失敗しにくいです。

ボーコーの物語|朝の屋台と赤い煮込み

朝の台所でレモングラスを包丁の腹でたたくと、青い柑橘のような香りがまな板から立ちます。そこへ五香粉、八角、シナモン、ナンプラーを合わせると、いつものビーフシチューとは別の方向へ鍋が動き始めます。トマトの赤、アナトーの橙、牛肉のうま味が重なり、最後にバゲットをちぎってスープへ浸す。ボーコーは、その瞬間にいちばん楽しい料理です。

ボーコー(Bò kho)は、ベトナムで食べられる牛肉の香味煮込みです。bò は牛肉、kho は煮る、煮含めるという意味で、英語圏では Vietnamese beef stew と紹介されることが多い料理です。ただし日本のビーフシチューのように小麦粉で濃くする料理ではありません。さらりとした赤いスープに、牛すねや肩肉、にんじん、レモングラス、八角、シナモンの香りが入ります。

ボーコーを米麺とバゲットで食べ比べる食卓
米麺で食べる日も、バゲットを浸す日もある。ボーコーは食べ方を選べる煮込み

現地では朝食や昼食として、バゲットと一緒に出されたり、米麺を入れて bún bò kho のように食べられたりします。ベトナム料理の中でも、フォーガーの透明な鶏だし、ブンボーフエの辛い牛だしとは違い、ボーコーは香辛料とトマトの赤い煮込みです。フランス植民地期のバゲット文化、中国系の五香粉、東南アジアのレモングラスが同じ鍋に入るところが、いかにもベトナムらしい一皿です。

日本で作るときの山場は、肉を柔らかくすること、香りを濁らせないこと、にんじんを煮崩れさせないことです。牛肉は高級なステーキ肉ではなく、すね、肩、バラの煮込み向き部位を選びます。レモングラスと八角は香りの骨格なので、ここだけは探す価値があります。五香粉はスーパーでも見つかることがあり、アナトーはなくても作れますが、入るとボーコーらしい赤橙色が出ます。

表記について

ベトナム語では Bò kho と書きます。日本語では「ボーコー」「ボーコ」「ボー・コー」など表記が揺れますが、本記事では検索しやすい「ボーコー」に統一します。牛肉入り米麺として出す場合は bún bò kho、バゲットを添える場合は bánh mì bò kho と呼ばれることがあります。

フォーでもカレーでもない理由

ボーコーを「ベトナム風ビーフシチュー」とだけ考えると、小麦粉でとろみをつけたくなります。反対に「カレー」と考えると、ココナッツミルクや唐辛子を足したくなります。どちらもおいしくはなりますが、ボーコーの輪郭からは離れます。

比べる点 ボーコー フォーガー ブンボーフエ
だしの方向 牛肉、トマト、レモングラス、八角、五香粉 鶏肉、生姜、玉ねぎ、澄んだスープ 牛肉、レモングラス、発酵えび、唐辛子油
スープの濃さ さらりとして赤橙色。小麦粉では濃くしない 透明で軽い 辛味と香味油が前に出る
主な食べ方 バゲット、米麺、ご飯 米麺 太い米麺
日本で守る点 牛肉をほろっと煮て、にんじんを崩さない だしを濁らせない サテ油とレモングラスの香り

英語圏のベトナム料理レシピでは、ボーコーにレモングラス、スターアニス、シナモン、五香粉を使う例が多く見られます。Serious Eatsのレシピでは、スパイスを油で起こし、牛肉をしっかり焼き付けてから煮ることで、短い材料でも奥行きを作っています。Andrea Nguyen氏のレシピでも、八角やレモングラスを使い、バゲットや米麺で食べる料理として紹介されています。

大切なのは、スープを濃くするより香りを重ねることです。ボーコーのスープは、パンにしみる程度の濃さがちょうどいい。鍋底に木べらを入れたとき、どろっと重く引っかかるなら煮詰めすぎです。赤い油が小さく浮き、牛肉の繊維がほぐれ、にんじんは角を保っている。そこを目指します。

買い出しで迷う材料

レモングラス、ナンプラー、五香粉、八角、アナトー、米麺、バゲットを並べたボーコーの買い出し材料
ボーコーで買い足す価値があるのは、牛肉よりレモングラス、ナンプラー、八角、アナトーの香り

ボーコーの材料で、近所のスーパーにないことが多いのはレモングラス、アナトー、八角です。五香粉は中華スパイスの棚で見つかることがあります。ナンプラーは大型スーパーや輸入食品店で手に入りやすくなりましたが、ベトナムのヌクマムが見つかればより自然です。

材料 代替できるか 判断
レモングラス 代替は弱い しょうがとレモン皮では別料理になる。冷凍でもよいので探す
五香粉 少量なら代替可 八角、シナモン、クローブを少しずつ足す。入れすぎ注意
アナトー 代替可 色付け役。パプリカパウダーやトマトペーストで補える
ナンプラー 代替可 薄口しょうゆだけでは香りが平たい。魚醤を少量入れる方が近い
バゲット 代替可 米麺、ご飯でもよい。パンで食べると朝食感が出る

買い足す価値が高い順に並べるなら、レモングラス、ナンプラー、八角、アナトーです。レモングラスとナンプラーはブンティットヌンブンチャートムヤムクンにも回せます。八角は入れすぎると支配的ですが、少量あるだけでボーコーの香りが一段深くなります。

香りの骨格を作る材料は、普通の肉や野菜よりも買い出しの満足度が高いです。何度かベトナム料理を作るなら、まずこのあたりをそろえると台所が急に楽になります。

掲載商品は、複数の販売先を定期的に確認し、価格・内容量・レビュー傾向・購入しやすさを比較したうえで選定しています。

失敗しやすいところ|濃すぎる、薄すぎる、硬い

さらりとしたボーコーと煮詰まりすぎたボーコーを比べた様子
左のように赤い油が小さく浮くさらりとした煮汁が目標。右のように濃く煮詰めすぎると重くなる

一番多い失敗は、煮汁を詰めすぎることです。ボーコーはソースを肉に絡める料理ではなく、パンや麺にしみるスープ料理です。鍋底が見えるほど煮詰まったら、水を100ml足し、弱火で5分温めて香りを戻します。塩気が強い場合は、水だけでなく砂糖小さじ1、ライム汁小さじ1を足すと角が丸くなります。

牛肉が硬い場合は、火が強すぎたか、時間が足りません。ぐらぐら沸騰させると肉の繊維が縮み、外は柔らかそうでも中心が乾きます。弱火に戻し、水を50ml足し、さらに15分ずつ煮て確認してください。すね肉は部位によって90分を超えることがあります。急いで強火にするより、ふつふつを保つ方が早道です。

にんじんが崩れる場合は、最初から入れています。ボーコーのにんじんは大きく、角が残っている方がおいしいです。牛肉がほぼ柔らかくなってから入れ、20分から25分で止めます。翌日に温め直す予定があるなら、初日は少し硬めで火を止めても構いません。

香りが薬膳のように強すぎる場合は、八角、シナモン、五香粉の入れすぎです。八角は2個で十分。煮込み途中で香りが前に出すぎたら、八角とシナモンを取り出し、トマトペースト小さじ1と水50mlを足して10分煮ます。スパイスを増やすより、レモングラスとナンプラーの輪郭を残す方がベトナムらしくなります。

圧力鍋で作る場合

牛肉を焼き付け、香味野菜を炒めるところまでは同じです。水は700mlに減らし、圧力がかかってから25分加圧し、自然に圧が抜けるまで待ちます。その後にんじんを入れ、ふたをせず弱火で15分煮ます。にんじんまで圧力をかけると崩れやすいので、後入れにしてください。

保存と翌日の食べ方

ボーコーを肉、にんじん、香草、米麺に分けて保存する容器
作り置きは香草と麺を分ける。スープと牛肉は翌日の方が香りがなじむ

ボーコーは翌日の方が味が落ち着く料理です。粗熱を取り、肉とスープは密閉容器で冷蔵3日を目安にします。にんじんは崩れやすいので、可能なら別容器に分けます。冷凍する場合は肉とスープだけを1食分ずつ分け、冷凍1か月を目安にしてください。にんじんは冷凍すると食感が少し落ちます。

温め直しは鍋がおすすめです。冷蔵のボーコーを鍋に入れ、水大さじ2から4を足し、弱めの中火で8分ほど温めます。ふつふつしてきたら弱火に落とし、肉の中心まで熱くなったら止めます。電子レンジを使う場合は600Wで2分温め、混ぜてからさらに1分。香草とライムは温め直しの後にのせます。

翌日は食べ方を変えると飽きません。朝ならバゲットを焼いて、スープに浸します。昼なら米麺を入れて bún bò kho 風に。夜ならご飯にかけ、黒こしょうとライムを少し足すと、カレーとは違う軽い煮込みご飯になります。バインミーを作った翌日に余ったバゲットがあるなら、ボーコーはかなり相性のよい受け皿になります。

この料理の背景|フランス風でも中華風でもないベトナムの煮込み

ベトナム料理には、外から来た食材や調理法をそのまま残すのではなく、魚醤、香草、米麺、レモングラスで自分たちの食卓へ引き寄せる力があります。ボーコーはその分かりやすい例です。バゲットを添えるとフランスの影響を感じますが、スープの香りはフランス料理のビーフシチューとは違います。八角や五香粉は中華圏の香りに近いのに、ナンプラーとレモングラスが入ると、鍋の着地点はベトナムになります。

Viet World KitchenやSerious Eatsなど英語圏のレシピでは、ボーコーをバゲット、米麺、場合によってはご飯と合わせる料理として紹介しています。この食べ方の幅が、日本の台所では助かります。パンのために作った日でも、翌日は麺にできる。麺のために煮た日でも、ご飯にかけられる。汁気を残す理由は、ここにあります。

鍋のボーコー、香草、ライム、バゲット、米麺を囲むベトナムの食卓
ボーコーは外来の香辛料とベトナムの魚醤、香草、米麺文化が同じ鍋で出会う料理

地域差もあります。南部では甘みがやや前に出るレシピが多く、香草やバゲットで軽く食べる印象があります。北部寄りに作るなら、砂糖を少し控え、黒こしょうと生姜を強めにしてもよいでしょう。家庭ごとにスパイスの強さが違うので、初回は八角2個、五香粉小さじ1で止め、次回から増減する方が失敗しにくいです。

同じベトナムの肉料理で広げるなら、炭火の香りを楽しむブンチャー、レモングラス豚を混ぜ麺にするブンティットヌン、フランスパン文化を別方向で楽しむバインミーへ進むと、ベトナム料理の「パン、米麺、香草」のつながりが見えてきます。

よくある質問

牛すね肉がない場合、どの部位が向きますか?

牛肩ロース、牛バラブロック、カレー用角切り肉が使いやすいです。もも肉だけだと脂とゼラチン質が少なく、長く煮てもぱさつきやすいです。カレー用肉を使う場合は部位が混ざっているため、煮込み90分で柔らかい肉だけ先に取り出し、硬いものを追加で15分煮ると食感がそろいます。

レモングラスなしでも作れますか?

作れますが、ボーコーらしい青い香りはかなり弱くなります。代替するなら、しょうがを5g増やし、レモンの皮を小さじ1/2だけ加えます。ただしこれは日本の台所向けの近道です。気に入ったら次回は冷凍レモングラスを探してください。冷凍なら刻みやすく、トムカーガイにも回せます。

バゲットと米麺、どちらで食べるのが正解ですか?

どちらも自然です。朝食や軽い昼食ならバゲットを浸す食べ方が楽で、米麺を入れると一杯の麺料理として満足感が出ます。初回はバゲットで食べ、翌日に米麺へ変えると、同じ鍋を二度楽しめます。ご飯にかける場合は、スープを少し煮詰めるより、さらりとしたまま黒こしょうを足す方が合います。

五香粉を入れすぎたときは戻せますか?

完全には戻せませんが、薄めることはできます。八角とシナモンを取り出し、水100ml、トマトペースト小さじ1、ナンプラー小さじ1を足して弱火で10分温めます。スパイスの香りが強い日は、食べる直前にライムを多めに絞ると輪郭が軽くなります。次回は五香粉を小さじ1/2から始めてください。

冷凍できますか?

肉とスープは冷凍できます。1食分ずつ分け、冷凍1か月を目安にしてください。にんじんは冷凍で食感が変わりやすいので、できれば冷蔵で食べ切ります。解凍は冷蔵庫で一晩置き、鍋で弱めの中火にかけ、水大さじ2から4を足して温めます。香草、ライム、バゲット、米麺は冷凍せず、食べる直前に用意します。

参考文献

出典・引用について

この記事は、世界ごはん紀行編集部が各国の料理資料、現地レシピ、食材事情をもとに、日本の家庭で再現しやすい形に整理したものです。

出典
世界ごはん紀行ボーコーの作り方|ベトナム牛肉シチュー
URL
https://sekaigohan.com/recipes/southeast-asia/vietnam/bo-kho
著者・編集
世界ごはん紀行編集部
更新日
2026年5月19日
主な参考リンク
レシピ一覧に戻る